*

【Kindleセール】仕事・研究の生産性向上にむけて|イシューからはじめるエッセンシャル思考

公開日: : 最終更新日:2019/05/04 Kindle, オススメ書籍

本日の Kindle 日替わりセールに、グレッグ・マキューンのベストセラー『エッセンシャル思考』が登場。今日いちにち限定で54%オフと大幅値下げとなっているので、この機会にぜひ一読をおすすめしたい一冊だ。

Apple、Google、Facebook、Twitterのアドバイザーを務める著者の99%の無駄を捨て1%に集中する方法とは!?本書で紹介するエッセンシャル思考は、単なるタイムマネジメントやライフハックの技術ではない。本当に重要なことを見極め、それを確実に実行するための、システマティックな方法論だ。

エッセンシャル思考が目指す生き方は、「より少なく、しかしより良く」。そのためには、ものの見方を大きく変えることが必要になるが、時代はすでにその方向へ動きだそうとしている。

 

 

本書の副題が「最小の時間で成果を最大にする」となっているように、いかにして大事な部分を見極めそこに集中するかということがテーマとなっている。つまりは仕事の生産性をどう高めていくかという議論である。そんな生産性にいま再び注目が集まっているように、伊賀泰代『生産性』は、ずばりのタイトルでこのテーマに直接向かい合っており、こちらも合わせて読むと効果的。

かつて日本企業は生産現場での高い生産性を誇ったが、ホワイトカラーの生産性が圧倒的に低く世界から取り残された原因となっている。生産性はイノベーションの源泉でもあり、画期的なビジネスモデルを生み出すカギなのだ。本書では、マッキンゼーの元人材育成マネジャーが、いかに組織と人材の生産性を上げるかを紹介する。

 

 

 

さて、そんな本書をざっと読んで思い出したのが、数年前に出版された『イシューからはじめよ』である。こちらも同様に、本当に大事なことだけに集中すべきだと説いた一冊であり、個人的には上記の『エッセンシャル思考』や『生産性』よりも面白く読んだ。

 

それではなぜこの『イシューからはじめよ』が読み応えのある一冊となっていたのか?それは著者のユニークな経歴によるところが大きい。

1968年富山県生まれ。東京大学大学院生物化学専攻にて修士号取得後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。4年半の勤務後、イェール大学・脳神経科学プログラムに入学。平均7年弱かかるところ3年9カ月で学位取得(Ph.D.)。2001年末、マッキンゼー復帰に伴い帰国。マーケティング研究グループのアジア太平洋地域における中心メンバーの1人として、飲料・小売り・ハイテクなど幅広い分野におけるブランド建て直し、商品・事業開発に関わる。また、東京事務所における新人教育のメンバーとして「問題解決」「分析」「チャートライティング」などのトレーニングを担当。2008年よりヤフー株式会社に移り、現在は執行役員・チーフストラテジーオフィサーとして幅広い経営課題・提携案件の推進などに関わる。

 

上記プロフィールにあるように、この著者・安宅和人氏はマッキンゼーを経てイェール大学でPh.D.を取得しているのである。しかもとんでもなく短期間で!

 

なぜそんなことが可能だったのかは、氏のブログ「ニューロサイエンスとマーケティングの間」でも紹介され、それに大幅加筆の上で出版されたのが本書『イシューからはじめよ』なのである。だからこの一冊は、デキるビジネスマンの思考法として読むよりも、質の高い論文を量産するアメリカの研究者の思考法として読むと、現在の博士課程学生等にとっても、ものすごく役立つ内容となっているのである。

 

詳細はぜひ本書を読んで頂くとして、そのポイントを抜粋すると以下の四点が重要になる。

  1. まずイシューありき
  2. 仮説ドリブン
  3. アウトプットドリブン
  4. メッセージドリブン

 

 

つまり、まずは何よりも、自分は何にケリをつけるのか(=issue)を明らかにすること。そして研究を始める段階でトップメッセージとそれを科学的にサポートするための複数のサブ論点といったリサーチデザインを明確にしておくこと。後はそのデザインに沿って穴埋めするようにエビデンスを出していき、必要に応じて仮説に修正を加えていくこと。最後にこれがとても大事なことだと個人的にも思うのだが、上記のように進めてきた必然の結果として、提示されるメッセージが非常に説得力を帯びたものとなること。なぜこれに取り組んだのか、なぜこれが大事なのか、そして何を明らかにしたのか、そういった一連のテキストがクリアだからこそ、論文を査読誌に投稿しても採択率が高くなるのだという。

 

英語での論文ライティングは英語の問題(だけ)ではなく、そもそもの研究の構想の仕方と具体的な進め方に深く関わっているということ、そしてその根幹を成す思考法にまで遡って解説したものだからこそ、本書『イシューからはじめよ』は稀有の一冊となっているのである。ビジネスマンを主な読者対象として執筆されベストセラーとなったものだが、研究者そしてその卵である大学院生こそ読んでおきたい一冊なのではないだろうか。おすすめです。

 

 

最後に、もしも仕事全般の生産性向上ではなく、研究者としての生産性アップ、すなわち、いかに効率的に研究テーマを見つけて取り組み結果を出し、そして論文にまとめて発表する、ということに特に関心があるならば、以下の2冊を追加でおすすめしたい。1冊目は「できる研究者の論文生産術:How to Write a Lot」の中で紹介したポール・シルヴィア『できる研究者の論文生産術 どうすれば「たくさん」書けるのか 』であり、2冊目は「おすすめ新刊『できる研究者の論文作成メソッド』|書き上げるための実践ポイント」で紹介した、同著者による続編『できる研究者の論文作成メソッド 書き上げるための実践ポイント 』である。研究者および大学院生には、理系・文系分野を問わずにぜひ一読をおすすめしたい良書なのだ。

 

 

Amazon Campaign

follow us in feedly

関連記事

5月25日は「広辞苑の日」って知ってましたか?

「ことばは、自由だ。」というキャッチフレーズでも知られる、岩波書店の「広辞苑」は、国語辞典の代表格と

記事を読む

ビル・ゲイツが2013年のNo.1書籍に選んだ『コンテナ物語』

ビル・ゲイツ氏が選ぶ「2013年に読んだ記憶に残る7冊の本」が昨年末何かと話題となったが、その中でイ

記事を読む

圧倒的ユニークな視点でつくるアカデミック・エンタテインメント|NHK「ろんぶ~ん」が面白い

先日まで、4週連続で放送されたNHK番組「ろんぶ~ん」、ご覧になりましたか? これは以前にも放送され

記事を読む

今からでも遅くない「行動経済学がわかるフェア」

「今年のノーベル経済学賞は『行動経済学』のリチャード・セイラーに」でも書いたように、2017年の受賞

記事を読む

箱根駅伝「幻の区間賞」と関東学連チーム出場の是非

来年もまた正月から箱根駅伝にくぎ付けとなってしまう、そんな人も多くいることだろう。二日間に渡るこれだ

記事を読む

盗作と贋作のフェルメール|美術作品にまつわる犯罪史

先日NHK-BS で放送された「アナザーストーリーズ 運命の分岐点『フェルメール盗難事件 史上最大の

記事を読む

Amazonソムリエが教える美味しいワインのえらび方

いま、Amazonがもっとも力を入れているもの、それは電子書籍、ではないですよね。Kindleはもう

記事を読む

emotional highs and lows in facebook

『ヤバい予測学』とフェイスブックデータが示す感情の起伏

フェイスブックのデータ・サイエンティストたちは毎度興味深いデータを見せてくれる。それは「フェイスブッ

記事を読む

英国一家、最後に日本を食べる&お正月スペシャル

コアな人気を博していたNHK深夜アニメ「英国一家、日本を食べる」。ベストセラーとなった原作も素晴らし

記事を読む

天才・奇才のおうち時間|日本に残る最後の秘境・東京藝術大学生の華麗な日常

NHKで放送中の「金曜日のソロたちへ」という番組をご存知だろうか? これは、「ひとり暮らし拝見バラエ

記事を読む

Amazon Campaign

Amazon Campaign

英語辞書の決定版|オックスフォード現代英英辞典に最新第10版が登場

オックスフォード現代英英辞典の最新第10版が出版されたのでさっそく購入

南魚沼の「雪国まいたけ」が5年ぶりに再上場|その背景で創業者はなんとカナダで再挑戦

新潟県南魚沼に本社を構える企業でもっとも有名なのが、この「雪国まいたけ

敗れざる者たち|藤井聡太に失冠したトップ棋士たちの言葉

もちろん、もう読みましたよね?藤井聡太二冠を表紙にすえ、初めて将棋を特

【Kindleセール】英語おすすめ書籍がぜんぶ半額キャンペーン

Amazon Kindle で現在実施中の【最大50%OFF】語学関連

アートで生まれ変わった清津峡渓谷トンネル|越後妻有アート・トリエンナーレ「大地の芸術祭」の舞台へ

9月の連休を皮切りに、これから秋の行楽シーズンがはじまる。もちろん今年

【Kindleセール】数学のおすすめ名著が大幅値引きキャンペーン

Amazon Kindle のセールというと、毎日3冊の書籍がリストア

『将棋の渡辺くん』のヨメが書く名人の日常ノンフィクション漫画

将棋・渡辺明名人のオク様は漫画家である。僕は彼女がブログを書いていた頃

君はスポーツとしての将棋をみたか?藤井聡太とナンバー大特集

先日発売された総合スポーツ雑誌『Number』が大変な売れ行きとなって

PAGE TOP ↑