*

越前敏弥の『日本人なら必ず悪訳する英文』は、英語自慢の鼻をへし折る一冊

公開日: : 最終更新日:2018/09/19 英語

ベストセラー『ダ・ヴィンチ・コード』等の翻訳で知られる越前敏弥の『日本人なら必ず悪訳する英文』。本書は僕もこれまで何度かオススメしてきた英語学習書であり、簡単に読めるように思えて、実のところきちんと翻訳するのが難しい事例が並ぶ。それはすなわち、実際には英文をきちんと読めていないのだという、ベテラン翻訳者からの「耳が痛い」指摘なのである。未読ならぜひこの機会にどうぞ。

 

 

medium_3350135154photo credit: Jenn and Tony Bot via photopin cc

 

さて、本書『悪訳』は越前敏弥のシリーズ第二作である。日本中の「英語自慢の鼻をへし折る」というキャッチフレーズで登場し、新鮮な衝撃を与えた第一作の『必ず誤訳する英文』そして近刊続編の『リベンジ編』も合わせて、自分の英語読解がどこまで通じる(通じない)ものなのか、ぜひお試しあれ。

(第一作『誤訳』の内容紹介文抜粋)

対象は、英語に自信のある人なら誰でも。大学受験生、TOEIC学習者、仕事で英語を読む必要のある方々、そしてもちろん翻訳家志望者。「英語に自信のない人」ではないところにご注意いただきたい。相当の英語力がある人でも、そう簡単には正解できない、手応えのある問題がそろっている。とはいえ、難解でひねくれた英文を集めたわけではない。英語としてはあくまで自然だが、日本語の発想や学校で習った文法の誤りなどによって、日本人には誤読しやすい英文が集められているというわけである。

越前氏は「英語自慢の鼻をへし折る」のが本書の目的だと語る。読者はきっと、自分の英語読解力に欠けていた部分を発見し、飛躍的な進歩を遂げることができるに違いない。本書は実力のある人をさらに上へ押し上げる、他に類を見ない学習書なのである。

 

 

Amazon Campaign

follow us in feedly

関連記事

日本人の9割が間違えちゃう英語表現と英語常識

以前にも紹介したキャサリン・A・クラフト著『日本人の9割が間違える英語表現100』は、面白く読めるエ

記事を読む

【TEDトーク】モニカ・ルインスキーとネットいじめ|彼女が見つけた適切な関係

モニカ・ルインスキーという名前を久しぶりに聞いた。といっても、その名を記憶しているのは、ある程度の年

記事を読む

英語論文校正・校閲おすすめサービスの使い方: 世界最大のクラウドソーシング Freelancer.com が早くて安い

クラウドソーシングで英語論文を校正する 過去5回にわたって、英語アカデミック・ライティングのおすす

記事を読む

できる研究者の論文執筆術:Write It Up

前回「できる研究者の論文生産術:How to Write a Lot」で紹介したように、英語ライティ

記事を読む

paper editing

英語アカデミック・ライティング最高の一冊に日本語版が登場

英語のアカデミック・ライティングの書籍は数多くあれど、いやだからこそ、どの一冊を選べばよいか、悩んで

記事を読む

paper editing

英語論文の書き方:アカデミック・ライティングの決定版テキスト

僕が学生の論文を指導するにあたって、まずは徹底的に読み込むようアドバイスしているのが、前回紹介した英

記事を読む

グラデーションマップで類似英単語を効果的に使い分ける

評判のよい英単語帳を新たに買って読んでみた。そしたらこれが期待以上によかったので紹介しておきたい。そ

記事を読む

今年もアメリカの大学卒業シーズンがやってきた|おすすめ歴代スピーチ10選

さて、今年もアメリカの大学では卒業シーズンとなった。コロナ禍で大きく様変わりしてしまったとはいえ、卒

記事を読む

効果抜群おすすめ英単語超学習法|語源から理解して飛躍的に語彙を広げる

今年5月に出版された『英単語の語源図鑑』が、すでに20万部も売れているようだ。英語関連書としてベスト

記事を読む

おすすめ 『カリスマ同時通訳者が教えるビジネスパーソンの英単語帳』がKindleセール中

僕もこれまで何度もおすすめしてきた関谷英里子『カリスマ同時通訳者が教える ビジネスパーソンの英単語帳

記事を読む

Amazon Campaign

Amazon Campaign

卒業・入学おめでとうキャンペーン|80年記念の新明解国語辞典で大人の仲間入り

今年もまた合格・卒業、そして進級・進学の季節がやってきた。そう、春は

食の街・新潟県南魚沼|日本一のコシヒカリで作る本気丼いよいよ最終週

さて、昨年10月から始まった2022年「南魚沼、本気丼」キャンペーン

震災で全村避難した山古志村|古志の火まつりファイナルを迎える

新潟県の山古志村という名前を聞いたことのある人の多くは、2004年1

将棋タイトル棋王戦第3局|新潟で歴史に残る名局をライブ観戦してきた

最年少記録を次々と塗り替える規格外のプロ棋士・藤井聡太の活躍ぶりは、

地元密着の優等生|アルビレックス新潟が生まれたサッカーの街とファンの熱狂

J2からJ1に昇格・復帰したアルビレックス新潟が今季絶好調だ。まだ4

【速報】ついに決定|14年ぶりの日本人宇宙飛行士は男女2名

先日のエントリ「選ばれるのは誰だ?夢とロマンの宇宙飛行士誕生の物語」

3年ぶりの開催|シン魚沼国際雪合戦大会で熱くなれ

先週末は、コロナで過去2年間見送られてきた、あの魚沼国際雪合戦大会が

国語の入試問題なぜ原作者は設問に答えられないのか?

僕はもうはるか昔から苦手だったのだ。国語の試験やら入試やらで聞かれる

PAGE TOP ↑