*

英語論文の書き方:英文ライティングここから始める必読テキスト4選

公開日: : 最終更新日:2021/01/30 研究・論文, 英語

「あらためて国際大学(IUJ)の紹介:留学生の出身国で書いたように、国際大学の修士学生の多くは、各国政府の各省庁からの派遣留学である。そのため、出身部署の仕事と関連付けたリサーチ・トピックを持っており、それぞれとても興味深い。また既にデータを入手済みのことも多く、それはこちらとしても大変にありがたい。もちろん、必ずしも入学前から持っていたトピックやデータにこだわらなくともよい。

 

さて、そんな留学生の修士論文指導を僕自身も担当しているのだが、彼ら彼女らのリサーチプロポーザルを読んだり、論文ドラフトを読んだりして感じるのは、英語のライティング。人によってそのレベルはまちまちなのは当然なのだが、全体としてみると英語会話力の高さに比べて(英語を流暢に話す学生はとても多い)、英語ライティングのちからはそれほど高くないように思う。もちろん、そもそも僕がエラソーに言うことか、というご意見はもっともなのだが、それでも僕自身としては、英語学習においては、ライティングのちからを付けるのが最も時間がかかるが、最も確実にちからが付くものだと思っており、だからなるべく早いうちからライティングを伸ばす時間を取るようにアドバイスしているのだ。

 

writing and editing Englishphoto credit: AlaskaTeacher via photopin cc

 

例えば英語の発音やスピーキングを今から矯正するのは相当シンドイが、ライティングは今からでもまだまだ伸びる。そう信じて、自分の経験をもとにしながら、論文指導中の学生に幾つか助言しているところなのである。その一つ目のアドバイスが「英語ライティングのルールを守る」ということ。そのためにまず読まなければならないのが、Strunk and White の “The Elements of Style” と、Zinsser の “On Writing Well” だ。

 

この2冊は、Greg Mankiw が自身のブログエントリ “How to Write Well” でも言及している名著であり、My Rules of Thums (PDF) の中でも、Rule No. 5: Write Well と題して、やはりこの2冊を推薦している。英語ネイティブのアメリカ人学生やCEA (Council of Economic Advisers) アナリスト/リサーチャー達が読まされているライティングのテキストなのである。であるならば、英語ノンネイティブの僕たちはもっともっと繰り返して読む必要があるのではないか。その意味でも、ぜひここから始めたい、基本中の基本の2冊なのである。

When I was CEA chair, I sent the following guidelines to my staff as they started drafting the Economic Report of the President. (中略)Buy a copy of Strunk and White’s Elements of Style. Also, William Zinsser’s On Writing Well. Read them—again and again and again.

 

 

ちなみに、”On Writing Well” は次のような構成となっており、英語ライティングにおいて何がNGなのかを事細かく解説する。決しておもしろく読めるものではないが、こうした基本的ルールを覚えて守ることが、王道の第一歩だと思う。

Part I: Principles
Chapter 1. The Transaction
Chapter 2. Simplicity
Chapter 3. Clutter
Chapter 4. Style
Chapter 5. The Audience
Chapter 6. Words
Chapter 7. Usage

Part II: Methods
Chapter 8. Unity
Chapter 9. The Lead and the Ending
Chapter 10. Bits & Pieces

Part III: Forms
Chapter 11. Nonfiction as Literature
Chapter 12. Writing About People: The Interview
Chapter 13. Writing About Places: The Travel Article
Chapter 14. Writing About Yourself: The Memoir
Chapter 15. Science and Technology
Chapter 16. Business Writing
Chapter 17. Sports
Chapter 18. Writing about the Art: Critics and Columnists
Chapter 19. Humor

Part IV: Attitudes
Chapter 20. The Sound of Your Voice
Chapter 21. Enjoyment, Fear and Confidence
Chapter 22. The Tyranny of the Final Product
Chapter 23. A Writers Decisions
Chapter 24. Write as Well as You Can

 

さて、僕が学生に伝えている二つ目のアドバイスは「英語ライティングのスタイルを覚える」ということ。上記のような英作文の基本ルールを踏まえた上で、それでは具体的にどう書けばよいのか、そのために必要になるのが英作文のスタイルだ。こうした実践的な内容を解説するテキストとしては、以下の Trimble の “Writing with Style: Conversations on the Art of Writing” および、Williams and Bizup の “Style: Lessons in Clarity and Grace” の2冊が非常に参考になる。

 

ルールを解説したテキストの次の一歩として、エクササイズを徹底するものと言えるだろう。良い英文と悪い英文を比較分析したり、歴代大統領の言葉を引いたり、そして何より練習問題を通じて実際に書かせることで、英作文のスタイルを読者の体に覚えさせようという意図のテキストだ。スタイルを覚えて書く、そして書いて覚える、そういう使い方が相応しいだろう。

 

Writing with Style: Conversations on the Art of Writing Style: Lessons in Clarity and Grace Plus NEW MyCompLab -- Access Card Package (11th Edition)

 

“Style: Lessons in Clarity and Grace” の構成は次のようになっており、とくに前半部分の Clarity に関して熟読を薦めている。今回リストアップした4冊は、以前にも「英文ライティングおすすめ参考書」で紹介したものである。これらは僕自身が留学中に何とか英語ライティングのちからを伸ばしたいと思い、試行錯誤しながら学んでいった内容だが、いまそれが、学生の論文を指導する側に立ってみて、思いのほか役に立っている。

 

Part I: Style as Choice
Lesson 1. Understanding Style
Lesson 2. Correctness

Part II: Clarity
Lesson 3. Actions
Lesson 4. Characters
Lesson 5. Cohesion and Coherence
Lesson 6. Emphasis

Part III: Clarity of Form
Lesson 7. Motivation
Lesson 8. Global Coherence

Part IV: Grace
Lesson 9. Concision
Lesson 10. Shape
Lesson 11. Elegance

Part V: Ethics
Lesson 12. The Ethics of Style

Amazon Campaign

follow us in feedly

関連記事

Kindle電子書籍で学ぶ、日本人の知らないワンランク上のビジネス英語術

ドクター・ヴァンスの『日本人の知らないワンランク上のビジネス英語術』がセール中。これまで僕も何度か書

記事を読む

待望のシリーズ最新刊|『英熟語図鑑』で学ぶ基本動詞を使った自然で豊かな英語表現

以前に「効果抜群おすすめ英単語超学習法|語源から理解して飛躍的に語彙を広げる」でもおススメした、『英

記事を読む

できる研究者の英語プレゼン術|スライド作成からストーリー展開まで

以前に紹介した、ポール・シルヴィア著の『できる研究者の論文生産術』は素晴らしい一冊である。著者は20

記事を読む

research proposal

科研費採択のお知らせ届く

昨秋に応募した科研費の採択通知が届いていた。大変にありがたい。今後一層がんばっていきたいと思います。

記事を読む

アカデミックライティングにおすすめの英語辞典|コロケーションとシソーラスも一緒に学ぶ

Oxford Learner's Dictionary of Academic English がお

記事を読む

申請者必携のハンドブック『科研費獲得の方法とコツ』に最新第4版が登場|採択率を上げる書き方

今年もまた科学研究費助成事業(科研費)の締切が近づいてきた。多くの研究者が申請するこの科研費だが、も

記事を読む

dinner table

サンフランシスコ発の口コミ情報サイト「Yelp」が日本上陸

米国の口コミ情報サイト「Yelp」(イェルプ)が日本でサービスを開始したというニュース(日経新聞)。

記事を読む

世にもおもしろい英語|あなたの知識と感性の領域を広げる英語表現

小泉牧夫の『世にもおもしろい英語』は、サブタイトルにある通り「知識と感性の領域を広げ」、英語という言

記事を読む

英語論文の書き方:英文ライティングの新定番テキスト “The Sense of Style”

これまで4回連続で紹介してきた、英語アカデミック・ライティングのおすすめテキスト、の続き。

記事を読む

今年度から科研費の締切が早まる|公募スケジュールの前倒しに注意

現在、科学研究費助成事業(科研費)の主な種目については、前年の9月に公募を開始し、翌年4月1日付けで

記事を読む

Amazon Campaign

Amazon Campaign

卒業・入学おめでとうキャンペーン|80年記念の新明解国語辞典で大人の仲間入り

今年もまた合格・卒業、そして進級・進学の季節がやってきた。そう、春は

食の街・新潟県南魚沼|日本一のコシヒカリで作る本気丼いよいよ最終週

さて、昨年10月から始まった2022年「南魚沼、本気丼」キャンペーン

震災で全村避難した山古志村|古志の火まつりファイナルを迎える

新潟県の山古志村という名前を聞いたことのある人の多くは、2004年1

将棋タイトル棋王戦第3局|新潟で歴史に残る名局をライブ観戦してきた

最年少記録を次々と塗り替える規格外のプロ棋士・藤井聡太の活躍ぶりは、

地元密着の優等生|アルビレックス新潟が生まれたサッカーの街とファンの熱狂

J2からJ1に昇格・復帰したアルビレックス新潟が今季絶好調だ。まだ4

【速報】ついに決定|14年ぶりの日本人宇宙飛行士は男女2名

先日のエントリ「選ばれるのは誰だ?夢とロマンの宇宙飛行士誕生の物語」

3年ぶりの開催|シン魚沼国際雪合戦大会で熱くなれ

先週末は、コロナで過去2年間見送られてきた、あの魚沼国際雪合戦大会が

国語の入試問題なぜ原作者は設問に答えられないのか?

僕はもうはるか昔から苦手だったのだ。国語の試験やら入試やらで聞かれる

PAGE TOP ↑