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国語辞典を選ぶならこの3冊がおすすめ:現代語に強い三省堂・豊かな語釈の新明解・安定と安心の岩波

公開日: : 最終更新日:2017/12/11 オススメ書籍

目的と用途に合わせてベストの国語辞典を見つけよう

国語辞典というのはとても面白い。どの家庭にも一冊はあるはずだし、誰しも小中高校を通してどこかのタイミングで自分の辞書を買ったことがあるはずだ。さらには、世の中には数多くの辞書が出版されており「広辞苑」などは辞書の代名詞としてよく使われる言葉ですらある。

 

それなのに、「辞書の選び方」についての適切なアドバイスは、親からも学校の先生からも受けたことがない場合が多い。それは恐らくは、「国語辞典はどれも同じ」つまり「言葉の定義はどの辞典にも同じように書かれている」という大きな誤解からくるのだろう。しかしながら、自分で複数の辞書を見比べてみればすぐに気づくように、各種辞書の間にはこんなにも違うものなのかと驚くほどの、新鮮かつ衝撃なまでの個性があるのだ。

 

そう、まず最初に申し上げたいのが、国語辞典を買う際の最初の一冊として推薦したい次の三つはいずれも個性がある、ということなのである。それぞれの辞書に特徴と個性があるからこそ、これらの辞書を比較し、目的と用途に合わせて適切な一冊 “マイ・ベスト” を選ぶことが何よりも大事なのである。それでは以下簡単に、その三冊を紹介していこう。中学生から社会人まで、日本語をきちんと勉強したい人に対して、自信を持っておすすめできるものばかりである。

 

three main dictionaries

 

 

現代語を多数収録した『三省堂国語辞典』

まずは天才ケンボー先生こと見坊豪紀が編纂した三省堂国語辞典(通称「三国(サンコク)」)。新語収集に命をかけたケンボーの情熱が詰まりに詰まった辞書であり、いまなお「新語に強い」というのがこの辞書の最大の特徴となっている。具体的に言えば、6年ぶりに全面改訂され2013年に発売された最新第7版では、「スマホ」や「ゆるキャラ」、「婚活」に「TPP」、そして「ゲリラ豪雨」や「深堀り」といった用語が新たに掲載されているのである。

 

新語を辞書に載せることに眉をひそめる人もあるだろう。しかし上記のような用語は実際のところ、ニュースや新聞でも今では毎日のように使われているものばかりだ。そして何よりも、辞書とはそもそも、言葉を正す「鑑」の性格と、言葉の実態を映す「鏡」の性格を併せ持ったものであると考え、そして後者を重要視したのが、他ならぬ三省堂国語辞典の初代編纂者・見坊豪紀だったのである。

 

その哲学は現在においても三省堂国語辞典の中心を成しており、こうした現代語を丹念に拾い集め、生きのよい国語辞典となっているのが、この辞典の最大の特色だと言える。つまりこの辞書は、上記のように最近になって使われ始めた新しい言葉の意味を知りたい人に対して、もっとも強くおすすめできる一冊なのである。

 

 

生き生きとした語釈が特徴の『新明解国語辞典』

続いて紹介したいのは、同じ三省堂から出版されている、山田忠雄編纂の新明解国語辞典(通称「新解(しんかい)さん」)である。上記三省堂の見坊と新明解の山田は、実は東大の同級生であり、もともとは同じ辞書づくりに情熱を傾けていた。しかしその後、辞書編纂方針を巡って仲違いし、見坊は三国を、山田は新明解をと、全く別の2つの辞書が生まれることとなったのである。

 

この新明解国語辞典は、昨年亡くなった赤瀬川原平が著書『新解さんの謎』の中でおもしろおかしく紹介したことで注目され、いまでは日本で一番売れている国語辞典なのである。実際に Amazon 書籍ランキング でも、楽天ブックス ランキングでも、広辞苑や岩波国語辞典といったライバル国語辞典を抑え、現在堂々のベストセラー第1位となっているのだ。

 

そんな新明解の最大の魅力は、ときにあまりにも人間的な語釈にある。言葉のドライな定義よりも、その言葉が実社会の中でどのようなニュアンスを伴って使われるのか、ということにまで配慮した国語辞典というのは、この新明解でしかあり得ないだろう。

 

例えば、「実社会」の語釈として、「実際の社会。美化・様式化されたものとは違って複雑で、虚偽と欺瞞とが充満し、毎日が試練の連続であると言える、きびしい社会を指す」と堂々と皮肉交じりに定義してしまうのが、この辞書の流儀なのである。だから、「恋愛」や「正義」といった言葉がどのように定義されているのかを確認するだけでも非常に楽しめる。つまり「読む辞書」として国語辞典を再定義した記念碑的辞書でもあり、だからこそ、言葉の意味をじっくりと考え味わいたい人にとって最適の一冊となっているのである。

 

 

オーソドックスな安心感が売りの『岩波国語辞典』

おすすめしたい辞書の三冊目は、最もオーソドックスな岩波国語辞典(通称「岩国(イワコク)」)である。新語に強い「三国」や、語釈に特徴ある「新解さん」と比べると、この「岩国」がとても地味なものに思えるかも知れない。しかし、辞書に派手さはいらない、なるべく多くの人が疑問なく納得できるような定義を知りたい、そう考える人はもちろんたくさんいる。だからこそ、上記の Amazonベストセラー・ランキングでも、第3位に挙がっているのだ。

 

その意味で、堅実な内容のこの岩国は実に辞書らしい辞書と言えるだろう。だからといって、その語釈に特徴がないわけでは決してない。例えば、辞書編纂作業に光を当てた映画『舟を編む』の中で、松田龍平演じる主人公が「国語辞典では『右』という言葉をどう定義したらよいか」と考える印象的なシーンがある。これは予想以上に難しい問題であり、「左の逆」とは言えないし、「箸を持つ側」と言うのも正確ではない。じつは岩波国語辞典の「右」の語釈は、極めて秀逸なものと評価されているのである。ぜひ自分自身の目で確かめて頂きたいし、他の辞典とどう異なっているのかと比較してみるのも面白い。

 

というように、この堅実な岩波国語辞典は、現代の言葉は乱れていると嘆きがちな人や、歴史的に正しい言葉づかいを知りたい人にとっての、素晴らしい伴侶となり得る一冊なのである。

 

 

上記の定番3冊以外の国語辞典を知るには

以上紹介したのが、最初の一冊としておすすめできる定番の国語辞典3冊である。しかし、世の中には、これ以外にも多数の辞書が存在する。

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もしも、そんな多種多様な辞書にも関心があるのなら、一読をすすめたいのがこの『学校では教えてくれない!国語辞典の遊び方』だ。個性的でクセのある一冊まで、実に詳しくそして楽しく解説されている。国語辞典にもっと興味を持つこと間違いなしの、おすすめの一冊なのである。

 

 

国語辞典の選び方まとめ

というように、以上紹介してきたのが、最初の一冊としておすすめできる定番の国語辞典3冊である。しかし今見たように、この3冊の辞書は実に異なった視点で編纂されており、それぞれ特有の強みを持っている。総括するならば、

と言えるだろう。

最後に、ここに挙げた3冊の国語辞典はいずれも歴史と伝統あるロングセラーであり、どれを買っても間違いがない。いずれの辞典も、最初の一冊としてとくにおすすめできるものばかりなのである。どれを選んでも、どうぞ素敵な辞書ライフを。

 

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