*

ゾクゾクするほどコワい人間のココロ|「怖い絵展」にもう行きましたか?

公開日: : 最終更新日:2017/10/18 アート, オススメ

アートファン待望の「怖い絵展」が、いよいよ上野の森美術館で始まった。既にご覧になった方もいるだろうが、業界大注目の本美術展は、先行して開催された神戸でも大反響となった。ようやくやってきた東京での展覧会は、下記のようなニュースサイトでも大きく取り上げられており、ちょっとでも関心がある人にとっては絶対に見逃せないものになるはずだ。

 

kowai-e

 

 

世界の名画の中でも、おどろおどろしい絵を集め、その背景を解説するという実にユニークな本企画は、中野京子氏の原作によるものであり、本人が今回の企画展の監修も行っている。その中野氏の記念すべき第一作が下記『怖い絵』だ。Kindle 版の文庫がものすごく安価になっているのだけれども、挿絵を見るならやはり紙の書籍の方がおすすめだ。

「特に伝えたかったのは、これまで恐怖と全く無縁と思われていた作品が、思いもよらない怖さを忍ばせているという驚きと知的興奮である」。絵の背景にある歴史を理解してこそ浮き彫りになる暗部。絵画の新しい楽しみ方を提案して大ヒットした「怖い絵」シリーズの原点が、満を持しての文庫化。ドガの『エトワール』、ラ・トゥールの『いかさま師』など全22作の魅力。

 

 

続けて放たれた第二弾がこちらの『死と乙女篇』。このサブタイトルからも予想されるように、怖さはさらに加速する。

全身にみなぎる憤怒と威厳、「皇女ソフィア」―凄絶な姉弟喧嘩の末に、権力を握ったのは?甘やかな香りが漂う、ボッティチェリの最高傑作、「ヴィーナスの誕生」―美の背後に秘められた、血なまぐさい出生の物語とは?自らを死神になぞらえた、「死と乙女」―実際に画家とモデルを襲ったその後の運命は?名画に秘められた人間心理の深層を鋭く読み解く22の物語。文庫書き下ろしも収録したシリーズ第2弾。

 

 

そして待望の第3弾がこの『泣く女篇』である。表紙の絵は、今回の「怖い絵展」ポスターと同じであり、今回の企画を象徴する絵とも言えるだろう。人間心理の奥深いところまで覗いてみませんか?

散る直前の匂いたつ美しさ、「レディ・ジェーン・グレイの処刑」―彼女を死に追いやった陰謀とは?フェルメールの知られざる宗教作品、「エマオの晩餐」―世界の美術市場を震撼させた事件とは?近親結婚くり返しの果て、「カルロス二世」―スペイン・ハプスブルク家断絶の過程は?憎悪、残酷、嫉妬、絶望、狂気、妄想…。名画に秘められた人間心理の深淵を鋭く読み解く22の物語。書き下ろしを加えてついに文庫化。

 

 

そんな中野氏の人気シリーズ最新刊がこの『新・怖い絵』だ。ここでは絵画の歴史に燦然と輝くあの有名画家たちを題材に、従来とは異なる絵画鑑賞の視点を伝授する。

絵の背景にある歴史の闇や人間の暗部に注目し『名画に描かれた「怖さ」を読み解く』という新たな絵画の楽しみ方を提唱し大ヒットした、「怖い絵」シリーズの待望の新刊が満を持して登場!今回取り上げるのは、シャガール、ミレー、モネ、ゴヤ、カラヴァッジョといった有名どころからゲイシー、ブグローなどマニア向けまで多種多彩。中野節炸裂、絵画ファンから歴史ファンまで大満足の解説書。

 

 

というように、「怖い絵」という新しい見方を提案した中野京子氏の一連のシリーズ作はいずれも大変に興味深い。しかしながら、その著作に通底する洞察は、ずばり「やっぱり人間が一番コワい」である。ワレワレ人間誰しもが持っている、そんな醜悪で薄汚い深層心理にじっくり向き合うためにも、上野の森美術館を訪れてみるのがよいのではないだろうか。中野京子氏の著作を事前に目を通しておくこと、そして出来れば一人で訪れること、が大事だと思う。ワタクシ自身もそんな怖いもの見たさで、近々行ってみる予定です。

名画は語る。人間って、怖い……。名匠ベラスケスの手による、一見かわいらしい王子の肖像画。しかし、その絵が生まれた“時代の眼”で見ていくと、人間心理の奥底に眠る「恐怖」の側面が浮かび上がる。悪意、呪縛、嫉妬、猜疑、傲慢、憤怒、淫欲、そして狂気……。カラー掲載の名画33点から見えてくる人間の本性とは??

 

 

Amazon Campaign

follow us in feedly

関連記事

日本美術展史上最大のフェルメール展ついに始まる|事前に読んでおきたいおすすめ5冊

さて、先週からいよいよ上野の森美術館で「フェルメール展」が始まった。現存する作品は三十数点しかなく、

記事を読む

Evernote と連携した富士通 ScanSnap(スキャンスナップ)がスゴイ:保存すべき紙資料が激減した

昨年着任して以来、少しずつ研究室の設備を充実させてきたのだが、その中でのベスト・アイテムが、最近購入

記事を読む

錦織圭の全豪オープンテニスをデータ観戦しながら応援しよう|IBMのSLAMTRACKERが面白い

現代において、スポーツ選手がデータ活用するのはもはや当たり前と言えよう。そしてそれはもちろん監督やコ

記事を読む

クラウドソーシングを使って優秀なリサーチアシスタントを早く安く簡単に探す

英語論文の校正にかかる費用と時間というのは、多くの研究者を悩ませるところだろう。安くて早くて質のいい

記事を読む

Amazonソムリエが教える美味しいワインのえらび方

いま、Amazonがもっとも力を入れているもの、それは電子書籍、ではないですよね。Kindleはもう

記事を読む

キューバに行くなら今が最後のチャンス:アメリカ人観光客が殺到する前に

今年の「ニューヨーク・タイムズが選ぶ、今年絶対に行きたい世界52ヶ所」でも書いたように、今キューバが

記事を読む

今年買って本当に良かったモノ:暮らしを豊かにするホーム・アイテム5選

先日の「今年買って本当に良かったモノ:仕事の生産性を高めるオフィス・アイテム7選」に続いて、ホーム編

記事を読む

美術大学青春グラフィティーと漫画ブルーピリオド

先日放送されたNHKの番組「ドキュメント72時間」をご覧になっただろうか?個人的に好きな番組のひとつ

記事を読む

将棋タイトル棋王戦第3局|新潟で歴史に残る名局をライブ観戦してきた

最年少記録を次々と塗り替える規格外のプロ棋士・藤井聡太の活躍ぶりは、毎度新聞やニュース等でも大々的

記事を読む

そして誰もいなくなった東京|中野正貴の TOKYO NOBODY の世界

緊急事態宣言が発令され、そして街から人が消えた。以下の写真は新宿駅南口、いつもならどの時間帯でも人混

記事を読む

Amazon Campaign

Amazon Campaign

卒業・入学おめでとうキャンペーン|80年記念の新明解国語辞典で大人の仲間入り

今年もまた合格・卒業、そして進級・進学の季節がやってきた。そう、春は

食の街・新潟県南魚沼|日本一のコシヒカリで作る本気丼いよいよ最終週

さて、昨年10月から始まった2022年「南魚沼、本気丼」キャンペーン

震災で全村避難した山古志村|古志の火まつりファイナルを迎える

新潟県の山古志村という名前を聞いたことのある人の多くは、2004年1

将棋タイトル棋王戦第3局|新潟で歴史に残る名局をライブ観戦してきた

最年少記録を次々と塗り替える規格外のプロ棋士・藤井聡太の活躍ぶりは、

地元密着の優等生|アルビレックス新潟が生まれたサッカーの街とファンの熱狂

J2からJ1に昇格・復帰したアルビレックス新潟が今季絶好調だ。まだ4

【速報】ついに決定|14年ぶりの日本人宇宙飛行士は男女2名

先日のエントリ「選ばれるのは誰だ?夢とロマンの宇宙飛行士誕生の物語」

3年ぶりの開催|シン魚沼国際雪合戦大会で熱くなれ

先週末は、コロナで過去2年間見送られてきた、あの魚沼国際雪合戦大会が

国語の入試問題なぜ原作者は設問に答えられないのか?

僕はもうはるか昔から苦手だったのだ。国語の試験やら入試やらで聞かれる

PAGE TOP ↑