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将棋マネーリーグ|藤井聡太竜王が2021年賞金ランキング3位に

公開日: : 最終更新日:2022/02/04 ニュース

今年もこれまで通り、昨年の将棋棋士の賞金獲得ランキングが発表されたぞ(ランキング表)。上位陣に大きな変化はないものの、渡辺名人の首位は4年ぶり。一方で、昨年のトップだった豊島九段が1億円超の賞金となっていたことを踏まえると、2021年は全体としては藤井竜王にタイトルが集まりつつも、それ以外は偏りなくタイトルや順位戦勝利数が散らばっているということなのだろうか。

ちなみに、その藤井竜王は第3位で、一昨年の4,500万円から大幅アップの約7,000万円とはいえ、あれだけ話題になったのにそれでもまだ三番手であり、かつ1億円にも満たないのか、という感想を持つ人も多いことだろう。それに対するコメントしては、まず第一に、昨年後半に獲得した竜王位については、その賞金額は将棋界最高であるものの、年が明けた就任式をもって賞金獲得と定義されるため、2021年の藤井聡太の賞金額にはカウントされていないのである。つまり、来年はこの分だけ上積みされることが既に確定している、ということだ。

 

もうひとつの疑問、それでもまだ1億円には満たないの?に対しては、残念ながらそうなんです、としか答えようがない。なにしろ、当時七冠全制覇した最盛期の羽生善治をもってしても、ようやく1億円台の後半であり、2億円には到達していないのである。その意味において、野球やサッカーやテニスなどと比べると、ましてや近年の隆盛著しい℮スポーツなどと比べてしまうと、どうしても見劣りしてしまう。

 

若き天才・藤井聡太の登場によって、将棋界が大きな注目を集め、そして藤井の一挙手一投足そして注文する勝負メシやお菓子のひとつひとつに大きな経済効果まで認められるようになったいま、ぜひとも将棋の世界の裾野が広がるとともに、現棋士たちの賞金アップにつながって欲しいと心底願っている。なにしろ、あれだけの頭脳なのである、誰にも見えない景色を見ているのである、そういうトップオブトップには財政的な面でもなにひとつ不自由のないのはもちろんのこと、後塵に憧れとうつるような、そんな圧倒的なポジションにあって欲しいのである。ぜひ今年も熱い将棋の戦いに注目していきましょう!

 

雑誌Numberの今年最新号はまたしても将棋&藤井聡太特集であり、今回もまためちゃくちゃ面白かったです。将棋にあまり縁がなかった人にこそ、そこにある人間ドラマ、究極の勝負術を、ぜひ目の当たりにして欲しいと願っています。

 

 

 

賞金ランキングは以下の通り(【 】内は2020年の獲得額と順位/単位は万円、金額は推定)。

1、渡辺明名人 8194(8043 【2】)

2、豊島将之九段 8145(10645 【1】)

3、藤井聡太四冠 6996(4554 【4】)

4、永瀬拓矢王座 4821(4621 【3】)

5、羽生善治九段 3236(2491 【6】)

6、斎藤慎太郎八段 2567(1338 【16】)

7、木村一基九段 2245(2338 【8】)

8、糸谷哲郎八段 1876(1502 【11】)

9、稲葉陽八段 1703(1395 【14】)

10、菅井竜也八段 1674(1445 【13】)

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