雪国・南魚沼と、消雪パイプシステム
公開日:
:
最終更新日:2014/11/17
南魚沼・新潟
国際大学のある南魚沼市は新潟県の中越に位置するが、このエリアは長岡や越後湯沢を含め、日本のというか世界でも有数の豪雪地帯である。
大学後方に聳える越後三山(八海山(1,778m)・越後駒ヶ岳(2,003m)・中ノ岳(2,085m) )は、今はもちろん綺麗に雪化粧されている。
近所の公園はこんな感じの白銀世界。まだ誰にも踏まれていない、真白のパウダースノーが美しい。
そういう雪国の暮らしでは、積雪に対しどう除雪・圧雪するかというのが非常に重要な問題となっており、マイホームを持っている人にとっては特に、玄関や駐車場の雪かき、そして屋根の雪下ろしといったものが日々の重労働となっているのも事実である。
一方の市内道路は、消雪パイプというシステムのお陰で、雪が積もったそばから溶かされていき、車の運転で困るということはあまりない。以下の写真が示すように、このシステムは、道路中央から地下水を噴出させ、それによって道路上の雪を「消雪」するというものである。雪を除くという点では、トラック/ブルドーザー等で除雪・圧雪するよりも遥かにこのシステムが活躍している。
そんな消雪パイプシステムを開発したのが、南魚沼市のお隣・長岡市であり、昭和36年のことだ。こういう開発物語は、NHKの「プロジェクトX」でも取り上げて欲しかったなあ。もう番組自体が終わってしまったけど。詳しくは、長岡市の以下のホームページで紹介されているので、ぜひご覧くだされ。
(リンク:長岡市)
ところで、地下水を汲み上げ道路に散水するこの消雪パイプだが、このシステムのポイントは、撒いた水が凍らないという点にあると思う。上の写真を見ても分かるように、道路上の雪を消した水はそのまま水として流れていく。雨が降った時と同じような感じで地面が濡れるだけである。もしもこれが、水が凍ってしまうようなことがあると、今度は道路上の氷で車がスリップするといった事態が発生してしまう。もしくはそれ以前に、ポンプやパイプが凍って水が出なかったり破裂してしまったり、ということもあるだろう。
ここ南魚沼では確かによく雪が降る。しかし思っていたほど寒くはないのである。今年も大寒波が来ていたアメリカ北東部のあの寒さと比べたら、そりゃあもう「暖かい」と言ってしまってイイくらいのものである。雪は降るけど、水が氷になるほど、つまりは零下になるほど気温は下がらない、というのが南魚沼の冬のようだ。
Amazon Campaign
関連記事
-
南魚沼発のコンセプト観光案内「美女旅」が、岩手県遠野・花巻に飛び火
「君は南魚沼の美女を見たか?市の公式観光パンフレット美女旅が話題に」で紹介したから、もうご存知ですよ
-
南魚沼の「雪国まいたけ」が5年ぶりに再上場|その背景で創業者はなんとカナダで再挑戦
新潟県南魚沼に本社を構える企業でもっとも有名なのが、この「雪国まいたけ」ではないだろうか? みなさん
-
新潟県南魚沼市の銘酒「鶴齢」がJALビジネスクラスの機内食日本酒リストに登場
JALが3月1日から、国際線の機内食にて春の新メニューを提供開始したというニュース。今回のメニュー刷
-
裸の男衆がつくる厳寒の異空間|越後浦佐毘沙門堂裸押合大祭に行ってきた
ご存じの方は皆無だと思うが、越後浦佐毘沙門堂裸押合大祭という祭りがある。上半身裸の男衆が「サンヨ!」
-
第69期将棋タイトル王座戦五番勝負最終第5局、新潟県南魚沼市で開幕せず!
さてさて、永瀬拓矢王座に木村一基九段が挑戦する第69期王座戦五番勝負、ご覧になってますか? 現在の四
-
南魚沼の名門老舗旅館「龍言」と将棋タイトル王座戦
軟派な諸兄には「南魚沼といえば美女旅」だが、硬派な諸氏には「南魚沼といえば将棋と龍言」と覚えて頂きた
-
日本のクラフトビールは新潟がアツいんです。ご存じでした?
さて、昨日書いた「アメリカのクラフトビールは実は美味しいんです」の続編。じつは日本のクラフトビールは
-
「工場の祭典」が今年も新潟・燕三条で開催中
さて、今年も「工場の祭典」フェスティバルの時期がやってきましたね。もうご存知ですよね、新潟県燕三条地
-
定点観測して気づいたが、稲の成長速度がものすごく速い
さてご存じの通り、ここ南魚沼一帯はコシヒカリの一大産地である。というわけで、コメの作付けから稲刈りま
-
君は南魚沼の美女を見たか?市の公式観光パンフレット美女旅が話題に
「国際大学(IUJ)の紹介:ロケーション」で書いたように、本学がキャンパスを構えるのが新潟県南魚沼市