経済学を学ぶなら読んでおきたい『若い読者のための経済学史』|イェール大学出版局リトル・ヒストリー
以前にも紹介した、イェール大学出版局のリトル・ヒストリーシリーズ。これはさまざまな学術分野をその道の専門家が、一般に向けて解説した本であり、丁寧な説明に定評がある。すでにシリーズ化されており、日本語の翻訳も相次いでいる。僕自身はシリーズすべて揃えているが、どれも素晴らしい内容だと感じている。
そのなかでも特におすすめしたいのが、こちらの『若い読者のための経済学史』である。学部や大学院で経済学を学ぶ人は多いが、しかしながら、必修科目として「経済学史」を習うことはほとんどないだろう。それどころか、選択科目としても学ばない人が実際には多いのではないだろうか? とはいえ、経済学の歴史についてはひととおり知っておきたい。そんなときの格好の道しるべとなるのがこうした良質のテキストなのである。その意味で本書は、経済学とはまったく無縁の人たちだけでなく、経済学の世界にいるもののその生い立ちや歴史についてもっと知りたい、という知的好奇心にも応えてくれるものなのである。
通常の紙書籍であれば3,520円するので、ちょっとお高い値段なのだが、なんと電子書籍なら、いまだけほぼ半額分がポイント還元されてとてもお買い得。さらに今なら、Amazon初売りセールを実施中だから、最高のタイミングと言えるだろう。こうした機会を通じて、ぜひもっと多くの人にこの経済学史、そしてこのシリーズを知って頂きたいと願っている。
初学者にとって偉大な案内役となる経済学入門。読者に力強く訴えかけて、ワクワクさせる本だ。この世界を理解するうえで、どのような貢献を経済学者がしてきたかが見事に説明されている。
ロバート・J・シラー(イェール大学教授、2013年ノーベル経済学賞受賞)
【日常生活から世界の本質まで、経済学はすべてに通ず】
たとえば、いまそこに建てるべきは病院? それとも電車の駅?あるいは、最新のiPadと時計、そのどちらを買うべきか。経済学は多様な視点から、現実を考えるヒントを与えてくれる。古代ギリシャの哲学者から、スミス、マーシャル、ケインズ……さらにはクルーグマン、セン、ピケティなど現代の賢人まで、多様な経済思想家に出会うことが、その最良の出発点になる。
Amazon Campaign

関連記事
-
-
2020年の夏は2つのバンクシー展が開催
以前に「オークション落札のバンクシー作品をシュレッダーで刻むという現代アート」と紹介したように、常に
-
-
いまこそ本当の宇宙兄弟を目指す|13年ぶりの宇宙飛行士選抜試験いよいよ始まる
大ヒット漫画『宇宙兄弟』を挙げるまでもなく、僕らはみな子供の頃から宇宙が大好きだった。そして、あの頃
-
-
文庫で学ぶ行動経済学
昨年は間違いなく統計学がブームとなった一年だった。「今年続けて読みたい統計学オススメ関連書と教科書1
-
-
夏休みに素敵な1冊を探そう|知的好奇心旺盛な10代のための読書地図
いまどき新聞なんてほとんど読まない、そんな人が増えてきた現代である。しかしながら、書評欄を楽しみに週
-
-
統計学と経済学をまる裸にする
ついにあの "Naked Statistics" に、待望の翻訳が登場。そしてあの "Naked E
-
-
Kindle電子書籍でわくわく読む、角川書店の初心者向け数学シリーズ
今年はますます電子書籍市場の拡大に拍車がかかりそうだ。「2018年には米国と英国で紙書籍を追い抜くか
-
-
ビル・ゲイツが2013年のNo.1書籍に選んだ『コンテナ物語』
ビル・ゲイツ氏が選ぶ「2013年に読んだ記憶に残る7冊の本」が昨年末何かと話題となったが、その中でイ
-
-
サッカー・データ革命の時代に読んでおくべきこの5冊
データ革命が加速する世界最先端の現代サッカー 「ワールドカップの閉幕、そしてデータドリブン・サッカ
-
-
アートは小説よりも奇なり:盗作と贋作の歴史、美術ノンフィクションが面白い
なんと、僕が好んで読む美術ノンフィクションの傑作が2冊も文庫版として再登場しているではないか。『ギャ
-
-
稲垣栄洋の植物論と生き物の死にざま
稲垣栄洋の植物論は大変におもしろい。例えば、『雑草はなぜそこに生えているのか』であれば、そもそも書名