*

2015年ことしのベストセラー|電子書籍編

公開日: : 最終更新日:2017/04/08 オススメ書籍

さて2015年も残りわずか。ということで今年も、本ブログ経由でよく読まれた本をランキングしてみよう(昨年のランキングもご参考まで)。まずは電子書籍編から。

第1位 ヤバい統計学

今年一年間の第1位に輝いたのは、なんと『ヤバい統計学』でした!2014年から続く統計学ブームはまだまだ衰えていないようだ。そして、こうした手軽に読める一冊を機にもう少し本格的に統計学を勉強してみようと思ったら、「今からでも遅くない|しっかり学ぶ統計学おすすめ教科書と関連書15選」に挙げた書籍をめくってみてはいかがだろうか。

 

 

第2位 ナンバーセンス

第2位に選ばれたのは、第1位の『ヤバい統計学』と同じ著者による新作『ナンバーセンス』。人気だな、カイザー・ファング。「『ヤバい統計学』著者による新作『ナンバーセンス』で知る、アメリカ大学ランキングの舞台裏」でも紹介したように、大学ランキングをいかに操作するかといった数字にまつわる裏話が大変興味深い一冊だ。まだ読んでいないなら、この冬休みにぜひ。

 

 

第3位 ナナのリテラシー

第3位にランクインしたのは、漫画『ナナのリテラシー』。これは「電子コミックの時代がやってきた:『ナナのリテラシー』が描く漫画業界のビジネスモデル革命」でも書いたように、いまや電子コミック業界の第一人者である漫画家・鈴木みそが、自らの成功体験をもとに、これからの漫画家そして出版社は電子書籍化の大革命の中でどう生き残っていけばよいのかを活写した傑作。全3巻で既に完結しているこの『ナナのリテラシー』は、出版業界関係者だけでなく、ビジネスモデルの変え方・作り方に関心があるビジネスマン等にも、もっと広く読まれるべき内容だろう。

 

 

第4位 学校では教えてくれない!国語辞典の遊び方

第4位に飛び込んできたのは、サンキュータツオの名著『学校では教えてくれない!国語辞典の遊び方』である。本書は、「国語辞典を選ぶならこの3冊がおすすめ:現代語に強い三省堂・豊かな語釈の新明解・安定と安心の岩波」でおすすめした国語辞典等を自分で最初に買うとき時などには、中学生から新社会人まで、絶対に事前に目を通しておいた方がよい。「学校で教えて欲しいおすすめ国語辞典の選び方・使い方・遊び方:複数の辞書を比較して使い分けよう」にも書いた通り、各辞典の特長とクセ、使い方と遊び方まで解説した、じつに辞典愛に満ち溢れた一冊なのである。

 

 

第5位

第5位に登場したのは、連載が続く人気漫画『僕だけがいない街』だった。「大注目コミック『僕だけがいない街』待望の最新巻発売とアニメ化決定」にも書いたが、2016年1月7日からのアニメ放送が決まっている作品でもある。ストーリー展開が巧みで、続きが読みたくて読みたくてたまらない、そんな漫画を最近読んでいるだろうか?それくらい読者を惹きつけているのがこの一作なのである。アニメ作品を見る前にぜひとも原作を読んで頂きたい。

 

 

第6位

第6位となったのは、『その問題、経済学で解決できます』。フィールド実験の第一人者である著者らが、これまでの研究成果を一般読者向けにまとめたもの。大変読みやすいながらも、最先端の経済学研究を知ることが出来る一冊だ。例えば、なぜ人は寄付をするのかと興味を持った著者は、寄付を募る文章をすこしずつ変えた手紙を用意し、どんな文言に人びとが反応するのかを探っていく「チャリティの経済学」また、「教育の経済学」においては、幼児教育の効果を測定するためにわざわざ保育園まで新しく設立してしまうあたりが実にアメリカ的であり、そんなアプローチを知ることもできる。経済学ではこんなこともやっているのかという新鮮な驚きが得られるだろう。

 

 

第7位

第7位の羽生善治『決断力』は、著作の多い羽生の中でも会心の一作。どれか一冊選ぶなら間違いなくコレだ。

 

 

第8位

第8位の苅谷剛彦『知的複眼思考法』も名著。思考法に関する書籍は多々出版されているが、まず読むならこの一冊。

 

 

第9位

第9位の『シグナル&ノイズ』も2014年から引き続き売れている一冊。米国の大統領選挙予測をことごとく的中させて、データ・サイエンティストと言えばネイト・シルバーというほどに時の人となった著者。もちろん今から読んでも面白い内容である。

 

 

第10位

第10位の『サッカー データ革命』は、データ・サイエンティストたちが今最も熱心に取り組むサッカーのデータ分析である。「スポーツの統計学|データ・サイエンティストたちのゲーム分析」でも紹介したように、よく知られた野球のデータ活用だけでなく、いまやテニスからバレーボールまで、データ戦略は必要不可欠となっている。野球に比べてデータ活用で遅れていたサッカーだが、だからこそ「サッカー・データ革命の時代に読んでおくべきこの5冊」でも書いたように、今もっともデータ利用に熱心なスポーツとも言えるのだ。そんな最先端の現場を紹介する本書は、サッカーファンはもちろん、データ分析に興味がある人にとっても、エキサイティングに読める一冊となっている。

 

 

 

まとめ

というように、今年一年を振り返っても、実に多くの電子書籍を自分自身でも読んだし、おすすめした上記のような書籍はずいぶんと読まれた。現在も以下のような大規模キャンペーンが展開されており、この年末年始休暇そして来年もまたさらに電子書籍市場が拡大し、電子書籍ライフがより一層充実していくことを期待したい。

 

Amazon Campaign

follow us in feedly

関連記事

Kindle電子書籍『クラウドソーシングの衝撃』は、成長著しい市場を概観する希少な業界本

『クラウドソーシングの衝撃』(比嘉・井川著)がKindle電子書籍が大幅に値下げされている。本書は現

記事を読む

ジョジョの奇妙な英語にまさかの続編ガァァァ|あのクールな台詞はこれで学べ

以前に「ジョジョの奇妙な冒険で英語を勉強するなんて、無駄無駄無駄無駄無駄ですか?」でご紹介した英語テ

記事を読む

travel suitcase

留学前に読んでおきたいこの6冊

先日書いた「留学前に。」の続き。留学前にできることは色々とあるだろうが、留学に対するイメージをよりク

記事を読む

寝苦しい今夜も嫁を口説こうか|珠玉の芸人エッセイ3冊

以前にも何度かおすすめしてきたように、お笑い芸人が書くエッセイには、なかなかに読ませる面白いものが多

記事を読む

2022年将棋賞金ランキング発表|藤井聡太5冠が1億円超で堂々の首位

将棋連盟から2022年の獲得賞金・対局料ベスト10が発表されましたね。毎年この時期の恒例であり、名

記事を読む

『ゼロ・トゥ・ワン』のティールと米国社会の変容『綻びゆくアメリカ』

米国の著名投資家ピーター・ティールが著した『ゼロ・トゥ・ワン―君はゼロから何を生み出せるか』が、「今

記事を読む

申請者必携のハンドブック『科研費獲得の方法とコツ』に最新第4版が登場|採択率を上げる書き方

今年もまた科学研究費助成事業(科研費)の締切が近づいてきた。多くの研究者が申請するこの科研費だが、も

記事を読む

国語辞典ベストセラーランキングに見る人気辞書|中学生以上は新明解、小学生はドラえもんかチャレンジか

国語辞典というのは大変におもしろい。実に個性豊かであるにも関わらず、その特徴は必ずしもきちんと伝わっ

記事を読む

君はスポーツとしての将棋をみたか?藤井聡太とナンバー大特集

先日発売された総合スポーツ雑誌『Number』が大変な売れ行きとなっている。その理由はズバリ、藤井聡

記事を読む

海外で研究者になる|知られざる就職活動その舞台裏

日本人が数多く海外留学していることに比べると、海外で就職する例はまだまだ少ないと言えるだろう。とくに

記事を読む

Amazon Campaign

Amazon Campaign

卒業・入学おめでとうキャンペーン|80年記念の新明解国語辞典で大人の仲間入り

今年もまた合格・卒業、そして進級・進学の季節がやってきた。そう、春は

食の街・新潟県南魚沼|日本一のコシヒカリで作る本気丼いよいよ最終週

さて、昨年10月から始まった2022年「南魚沼、本気丼」キャンペーン

震災で全村避難した山古志村|古志の火まつりファイナルを迎える

新潟県の山古志村という名前を聞いたことのある人の多くは、2004年1

将棋タイトル棋王戦第3局|新潟で歴史に残る名局をライブ観戦してきた

最年少記録を次々と塗り替える規格外のプロ棋士・藤井聡太の活躍ぶりは、

地元密着の優等生|アルビレックス新潟が生まれたサッカーの街とファンの熱狂

J2からJ1に昇格・復帰したアルビレックス新潟が今季絶好調だ。まだ4

【速報】ついに決定|14年ぶりの日本人宇宙飛行士は男女2名

先日のエントリ「選ばれるのは誰だ?夢とロマンの宇宙飛行士誕生の物語」

3年ぶりの開催|シン魚沼国際雪合戦大会で熱くなれ

先週末は、コロナで過去2年間見送られてきた、あの魚沼国際雪合戦大会が

国語の入試問題なぜ原作者は設問に答えられないのか?

僕はもうはるか昔から苦手だったのだ。国語の試験やら入試やらで聞かれる

PAGE TOP ↑