これは面白いピタゴラス的発想!|「解きたくなる数学」をビジュアルで考える
公開日:
:
最終更新日:2022/01/25
オススメ書籍
以前に「クリエイター佐藤雅彦が好きだ|最新著『ベンチの足』にみるユニークな視点」でも書いたように、僕は佐藤雅彦の著作や作品がとても好きだ。彼の仕事をあまりご存知のにない方であっても、NHKの「ピタゴラスイッチ」と聞けばすぐに思い浮かべることができるのではないだろうか? そう、彼の作品はそれくらい人々の記憶に強烈に残るようなビジュアル的印象を与えるのが抜群にうまい。
そんな佐藤雅彦と、あの「ピタゴラスイッチ」製作チームが出版したのがこちらの本である。なんと、今度は、数学の問題集じゃないですか! といっても、僕らが通常思い浮かべるような問題集とは当然まったく異なる内容だ。これは面白いねぇ~、「ひと目で問題の意味が分かる」「ひと目で問題を解きたくなる」がコンセプトのこの作品は、まさにその通り、ビジュアルを見るだけで何が問われているのかが直観的に分かる、そしてそれを何としても解いてみたいと思わせるような、知的なたくらみに満ちあふれているのだ!
これは数学の授業にわくわく感を得られない中学生に初めてその面白さを伝えたり、数学からしばらく離れてしまった大人にこそ再びあの頃の目の輝くを取り戻すのに相応しい一冊だろう。こんなステキな本はなかなかないよ、プレゼントにもありだ。だから言ったじゃないか、佐藤雅彦の仕事は毎回めちゃくちゃ面白いって。
あの「ピタゴラスイッチ」制作メンバーが、これまでにない数学問題集を作りました。そこには、ひと目で心を奪われる問題ばかり。数学が苦手な人も得意な人も、魅力的な写真とグラフィックで表現された23題に、きっと夢中に。論理の組み立てが学べ、思考のジャンプが身につきます。考える楽しさを求める中学生以上のすべての方へ。
Amazon Campaign
関連記事
-
若き研究者フィギュアスケート町田樹のスポーツ文化論
2022年の冬季北京五輪の開幕も近づいてきた。ウィンタースポーツの代表例のひとつが、フィギュアスケー
-
イェール大学出版局「リトル・ヒストリー」は初学者に優しい各学問分野の歴史解説
以前にもおすすめしたのだが、米国イェール大学出版局の “A Little History” シリーズ
-
シンガポール建国50周年|エリート開発主義国家の光と影の200年
先日で建国50周年を迎えたシンガポール。Economist や、Wall Street Journa
-
国語辞典を選ぶならこの4冊がおすすめ:現代語に強い三省堂・豊かな語釈の新明解・安定と安心の岩波・誤用を正す明鏡
目的と用途に合わせてベストの国語辞典を見つけよう 卒業・入学シーズンを前に、そのお祝いとして国語辞
-
若き冒険家のアメリカ|植村直己『青春を山に賭けて』
NHK-BS で放送されている「ザ・プロファイラー|夢と野望の人生」をご覧になっているだろうか?以前
-
山に登るということ:登山と遭難とそして救助
2008年のマンガ大賞にも選ばれた、山岳漫画『岳』。いまさら言うまでもないが、これものすごく胸を打つ
-
博士号だけでは不十分!研究者として生き残るために
先日懐かしく読み返した Economist 誌の記事 "Doctoral degrees: The
-
ワールドカップで大番狂わせを狙え|サッカー監督の世界級チームマネジメントの極意
2022年という年は、やはりサッカー・ワールドカップでの日本代表の活躍が強烈な印象として残っている人
-
Kindle電子書籍でエキサイティングに読もう、今あらためて宇宙論がおもしろい
僕は大栗博司『重力とは何か』を2年ほど前に読み、「この宇宙論はおもしろいよ!」と書いたのだが、その気
-
英国一家、最後に日本を食べる&お正月スペシャル
コアな人気を博していたNHK深夜アニメ「英国一家、日本を食べる」。ベストセラーとなった原作も素晴らし