国語の入試問題なぜ原作者は設問に答えられないのか?
僕はもうはるか昔から苦手だったのだ。国語の試験やら入試やらで聞かれる「作者の意図は?」といった問いが。だいたい、なんでお前(問題作成者)が勝手に作者の気持ちを代弁してんねん!? という反発に始まり、設定された「正解」だって、それ作者に許可とったんかい!?という怒りも含め、もうなにからなにまで、相性が合わないんである、あの設問形式に。
長いことそう思っていたんだけど、ついに納得いく理由を見つけたよ!それがこの岸田奈美「難関中学の入試問題の原作者になったけど設問が解けない理由を考えて、編集者にたどり着いた」だ。受験界最難関の筑波大学附属駒場中学校 の入試で自分のエッセイが採用された岸田奈美が、その問いに答えたところ見事に全滅し、なぜこんなことが起きたのを探る実体験が生々しく響く。
しかし、いつものとおり軽妙洒脱に書かれた岸田奈美のこのエントリだが、ここには実に深い教訓が隠されていると思う。とくに今回の結論と言ってよい、「そうか。国語の問題で本当に問われているのは、作者の意図なんかではないのだ。編集者の視点だ。」というメッセージは、こうした国語の問いにまさに向き合う受験生たちこそが知っておくべきことであり、恐らくはほとんどが知らない事実なのではないだろうか。だって、そんなん、僕が受験生だったあの昔に教えて欲しかったわ~、というものなのだから。
いずれにしろ、相変わらず岸田奈美の文章はおもしろい。明るく軽くユーモアに溢れ、それでいて真面目な話題や重たいテーマも自由自在に扱える。さらには、こんなにも気持ちの良い(ときどきライトな大阪弁が入る)文章というのもなかなかないように思う。前にもおすすめしたけど、改めて声を大にして言いたい、僕は岸田奈美の奔放でヤンチャで愛情に満ちた文章が大好きなんだよ!
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