『ヤバい統計学』他で学ぶ数字のセンス|統計リテラシー入門におすすめの4冊
以前にも「『ヤバい統計学』とテーマパーク優先パスの価格付け」で紹介したように、カイザー・ファング著『ヤバい統計学』は、身近な題材をもとにして統計のオモシロさを伝える優れた一冊であり、初学者にぜひ一読をおすすめしたい内容だ。
世の中を知るには、経済学より、まずは統計学です。
●ディズニーランドの行列をなくす方法は?
●宝くじに当たる確率は実際どのくらい?
●テロ対策とドーピング検査の共通点とは?ディズニーランド、交通渋滞、クレジットカード、感染症、大学入試、災害保険、ドーピング検査、 テロ対策、飛行機事故、宝くじ――。10のエピソードで探求する「統計的思考」の世界。そのウラ側にある数字を知れば、統計学者のように思考し、自分の世界を自分で支配できるようになる。
そして、そんな著者が放った続編が、こちらも「『ヤバい統計学』著者による新作『ナンバーセンス』で知る、アメリカ大学ランキングの舞台裏」で紹介した、『ナンバーセンス』である。こちらも、我々の日常生活に密着したトピックをもとに、その背景にあるカラクリを数字を使ってきれいに解き明かす。数字はいつも事実を写すとは限らない。大学ランキングのように、ルールが分かってしまえばその裏をかくやり方で数字をある程度操作することが可能だ。そんな騙されないための統計リテラシーを身につけるという点でも優れた入門書と言えるだろう。そんなオススメの一冊が、こちらも今だけ20%オフに加えて47%ポイント還元とじつにお買い得となっているので、この機会に読者が増え、統計ってオモシロイの声が増えることを期待したい。
『ヤバい統計学』著者最新刊!世の中おかしな分析だらけ。
*レストランの集客にクーポンは役立つ?
*失業率の増減を実感できないのはなぜ?
*ダイエットできるかどうかは統計次第?その統計を信じるな!大学ランキング、肥満、クーポン、失業率、フットボール、物価……。身近なエピソードを題材に、複雑な統計をやさしく“解きほぐす”。どれが正しい分析で、どれが間違った分析なのか。ビッグデータ時代に必須の統計リテラシーは、誰にでも身につけられる。
ちなみに、統計数字がウソをつくというのは、何も最近に始まった話ではない。今をさかのぼること100年どころか200年近く前から、「世の中には3種類の嘘がある: 嘘、大嘘、そして統計だ」と言われ続けているのである。だから、それに類いする書籍も数多く存在する。そしてそのような類書の中でも、とくにおすすめできる、今も読み継がれているロングセラーが次の2冊だ。まずは1968年に日本語訳が出版された『統計でウソをつく法』である。
だまされないためには、だます方法を知ることだ!かの有名な英国の政治家ディズレーリは言った――ウソには3種類ある。ウソ、みえすいたウソ、そして統計だ――と。確かに私たちが見たり聞いたり読んだりするものに統計が氾濫しているし、「平均」とか「相関関係」とか「トレンド」とか言って数字を見せられ、グラフを示されると、怪しい話も信じたくなる。しかし、統計数字やグラフは、必ずしも示されている通りのものではない。目に見える以上の意味がある場合もあるし、見かけより内容がないかもしれないのである。私たちにとって、統計が読み書きの能力と同じぐらい必要になっている現在、「統計でだまされない」ためには、まず「統計でだます方法」を本書によって知ることが必要なのである!
そしてもう一冊が、似たようなタイトルだが、『統計はこうしてウソをつく』である。こうして改めて振り返ってみると、どうやら我々はいつの時代も同じような問題に直面し、悩み、そしてだまされてきたようである。今後そうならないためにも、統計リテラシーについて学んでみる良い機会となるのではないだろうか。
ニュース、世論調査、政治家の演説…。なぜインチキな数字がこんなにもはびこるのか。どうすれば見抜けるのか。「その数字はホントなのか?」の疑問への対応法を考える。
Amazon Campaign

関連記事
-
-
博士号だけでは不十分!研究者として生き残るために
先日懐かしく読み返した Economist 誌の記事 "Doctoral degrees: The
-
-
2020年、本ブログで最も売れたこの1冊
さて、2020年、本ブログ経由でもっとも購入数が多かったのは、なんと、なんと、新明解国語辞典でした!
-
-
人はなぜ走るのか?を問う『Born to Run~走るために生まれた』は、米国ランナーのバイブル
米国で異例のベストセラーとなり、何度目かのランニング・ブームを引き起こした一冊『Born to Ru
-
-
海外で研究者になる|知られざる就職活動その舞台裏
日本人が数多く海外留学していることに比べると、海外で就職する例はまだまだ少ないと言えるだろう。とくに
-
-
都立浅草高校国語教師・神林先生が愛してやまない飲み屋と呑み助と大将と女将
自宅や実家での新年気分も終わり、今週末あたりから町の飲み屋に繰り出すか、という人も多いかも知れない。
-
-
NHKの異色数学番組『笑わない数学』第2回は「無限」の魅力と魔力に迫る
さて、初回が放送されたばかりのNHK『笑わない数学』、ご覧になりましたか? 第1回では「素数」の謎に
-
-
史上最年少プロ棋士・藤井聡太の初勝利と『将棋の子』たち
史上最年少のプロ棋士が誕生したと話題となったのが2016年9月のこと。それから3か月が経ち、今度は若
-
-
戦略アナリストが支える全日本女子バレー|世界と互角に戦うデータ分析術
女子バレーボールのワールドカップもいよいよ終盤戦。リオデジャネイロ五輪への出場権をかけて瀬戸際のニッ
-
-
タイトル戦相次ぐ藤井聡太の夏|今こそ将棋が熱く面白い
プロ棋士・藤井2冠の夏がやってきた。昨年はタイトル棋聖と王位を獲得し、その初防衛戦が始まっているのだ
-
-
ハートマウンテン日系人強制収容所の、貴重なプライベート写真集
7月に出版されたエッセイ写真集『コダクロームフィルムで見る ハートマウンテン日系人強制収容所』を読ん