*

『ヤバい統計学』他で学ぶ数字のセンス|統計リテラシー入門におすすめの4冊

公開日: : 最終更新日:2020/02/06 Kindle, オススメ書籍

以前にも「『ヤバい統計学』とテーマパーク優先パスの価格付け」で紹介したように、カイザー・ファング著『ヤバい統計学』は、身近な題材をもとにして統計のオモシロさを伝える優れた一冊であり、初学者にぜひ一読をおすすめしたい内容だ。

世の中を知るには、経済学より、まずは統計学です。

●ディズニーランドの行列をなくす方法は?
●宝くじに当たる確率は実際どのくらい?
●テロ対策とドーピング検査の共通点とは?

ディズニーランド、交通渋滞、クレジットカード、感染症、大学入試、災害保険、ドーピング検査、 テロ対策、飛行機事故、宝くじ――。10のエピソードで探求する「統計的思考」の世界。そのウラ側にある数字を知れば、統計学者のように思考し、自分の世界を自分で支配できるようになる。

 

 

 

そして、そんな著者が放った続編が、こちらも「『ヤバい統計学』著者による新作『ナンバーセンス』で知る、アメリカ大学ランキングの舞台裏」で紹介した、『ナンバーセンス』である。こちらも、我々の日常生活に密着したトピックをもとに、その背景にあるカラクリを数字を使ってきれいに解き明かす。数字はいつも事実を写すとは限らない。大学ランキングのように、ルールが分かってしまえばその裏をかくやり方で数字をある程度操作することが可能だ。そんな騙されないための統計リテラシーを身につけるという点でも優れた入門書と言えるだろう。そんなオススメの一冊が、こちらも今だけ20%オフに加えて47%ポイント還元とじつにお買い得となっているので、この機会に読者が増え、統計ってオモシロイの声が増えることを期待したい。

『ヤバい統計学』著者最新刊!世の中おかしな分析だらけ。

*レストランの集客にクーポンは役立つ?
*失業率の増減を実感できないのはなぜ?
*ダイエットできるかどうかは統計次第?

その統計を信じるな!大学ランキング、肥満、クーポン、失業率、フットボール、物価……。身近なエピソードを題材に、複雑な統計をやさしく“解きほぐす”。どれが正しい分析で、どれが間違った分析なのか。ビッグデータ時代に必須の統計リテラシーは、誰にでも身につけられる。

 

 

 

ちなみに、統計数字がウソをつくというのは、何も最近に始まった話ではない。今をさかのぼること100年どころか200年近く前から、「世の中には3種類の嘘がある: 嘘、大嘘、そして統計だ」と言われ続けているのである。だから、それに類いする書籍も数多く存在する。そしてそのような類書の中でも、とくにおすすめできる、今も読み継がれているロングセラーが次の2冊だ。まずは1968年に日本語訳が出版された『統計でウソをつく法』である。

だまされないためには、だます方法を知ることだ!かの有名な英国の政治家ディズレーリは言った――ウソには3種類ある。ウソ、みえすいたウソ、そして統計だ――と。確かに私たちが見たり聞いたり読んだりするものに統計が氾濫しているし、「平均」とか「相関関係」とか「トレンド」とか言って数字を見せられ、グラフを示されると、怪しい話も信じたくなる。しかし、統計数字やグラフは、必ずしも示されている通りのものではない。目に見える以上の意味がある場合もあるし、見かけより内容がないかもしれないのである。私たちにとって、統計が読み書きの能力と同じぐらい必要になっている現在、「統計でだまされない」ためには、まず「統計でだます方法」を本書によって知ることが必要なのである!

 

 

 

そしてもう一冊が、似たようなタイトルだが、『統計はこうしてウソをつく』である。こうして改めて振り返ってみると、どうやら我々はいつの時代も同じような問題に直面し、悩み、そしてだまされてきたようである。今後そうならないためにも、統計リテラシーについて学んでみる良い機会となるのではないだろうか。

ニュース、世論調査、政治家の演説…。なぜインチキな数字がこんなにもはびこるのか。どうすれば見抜けるのか。「その数字はホントなのか?」の疑問への対応法を考える。

 

 

Amazon Campaign

follow us in feedly

関連記事

いまこそ本当の宇宙兄弟を目指す|13年ぶりの宇宙飛行士選抜試験いよいよ始まる

大ヒット漫画『宇宙兄弟』を挙げるまでもなく、僕らはみな子供の頃から宇宙が大好きだった。そして、あの頃

記事を読む

統計学と経済学をまる裸にする

ついにあの "Naked Statistics" に、待望の翻訳が登場。そしてあの "Naked E

記事を読む

正月の風物詩・箱根駅伝が今年もおもしろい

新年明けましておめでとうございます。新型コロナウイルスの感染再拡大を受け、ステイホームの継続と静かな

記事を読む

japanese igo

囲碁タイトル7冠同時制覇|井山裕太と師匠・石井邦生が創りだした盤上の宇宙・独創の一手

すごいな、井山裕太。大きなニュースとなったことで、囲碁ファン以外にも伝わったであろう、7冠同時制覇へ

記事を読む

「貧困不良少年」が経済学のスターになった!

という東洋経済オンラインの記事。取り上げているのはハーバード大学経済学部教授のローランド・フライヤー

記事を読む

adidas

絶対に負けられないサッカー・ワールドカップの舞台裏:スポーツブランドのもう一つの闘い

「絶対に負けられない戦い」に直面しているのは、もちろんサッカー選手だけではない。監督やスタッフ等もそ

記事を読む

都立浅草高校国語教師・神林先生が愛してやまない飲み屋と呑み助と大将と女将

自宅や実家での新年気分も終わり、今週末あたりから町の飲み屋に繰り出すか、という人も多いかも知れない。

記事を読む

あの伝説の一戦「3連勝4連敗」から9年|羽生善治・永世七冠誕生

2017年12月5日、長い将棋の歴史に新たな偉業が刻まれた。羽生善治が竜王位を奪還し永世竜王となり、

記事を読む

若い読者のための経済学史と哲学史

米国イェール大学出版局の "A Little History" は、歴史や文学そして経済学といった学

記事を読む

愉しく美味しく走ろう!南魚沼グルメマラソンを応援してきた

本日のKindleセール商品は、『ウルトラマラソンマン 46時間ノンストップで320kmを走り抜いた

記事を読む

Amazon Campaign

Amazon Campaign

卒業・入学おめでとうキャンペーン|80年記念の新明解国語辞典で大人の仲間入り

今年もまた合格・卒業、そして進級・進学の季節がやってきた。そう、春は

食の街・新潟県南魚沼|日本一のコシヒカリで作る本気丼いよいよ最終週

さて、昨年10月から始まった2022年「南魚沼、本気丼」キャンペーン

震災で全村避難した山古志村|古志の火まつりファイナルを迎える

新潟県の山古志村という名前を聞いたことのある人の多くは、2004年1

将棋タイトル棋王戦第3局|新潟で歴史に残る名局をライブ観戦してきた

最年少記録を次々と塗り替える規格外のプロ棋士・藤井聡太の活躍ぶりは、

地元密着の優等生|アルビレックス新潟が生まれたサッカーの街とファンの熱狂

J2からJ1に昇格・復帰したアルビレックス新潟が今季絶好調だ。まだ4

【速報】ついに決定|14年ぶりの日本人宇宙飛行士は男女2名

先日のエントリ「選ばれるのは誰だ?夢とロマンの宇宙飛行士誕生の物語」

3年ぶりの開催|シン魚沼国際雪合戦大会で熱くなれ

先週末は、コロナで過去2年間見送られてきた、あの魚沼国際雪合戦大会が

国語の入試問題なぜ原作者は設問に答えられないのか?

僕はもうはるか昔から苦手だったのだ。国語の試験やら入試やらで聞かれる

PAGE TOP ↑