*

将棋王将戦・挑戦者決定リーグが超豪華メンバーでついに開幕

公開日: : 最終更新日:2020/10/02 オススメ, ニュース

やばい、ヤバい、超やばい。というくらい大興奮なのが、ついに始まった第70期王将戦、挑戦者決定リーグである。予選を突破した将棋棋士7人による総当たり戦で、その勝者が先日ついに新名人に就任した渡辺明に挑戦する、というものだ。

 

その対局が以下のスケジュールと顔合わせで設定されているのだが、なんとまあ豪華なメンツが揃いも揃ったことよ。全員が、現在もしくは過去のタイトルホルダーである実力者であり、彼らの挑戦を待ち受けるのが現役最強の渡辺明名人である。つまり、いまの将棋界におけるトップ・オブ・トップの8人が揃い踏みとなったのだ。しかも、である。一発勝負があるトーナメント戦ではなく、総当たりでそれぞれ全6対局による戦いだから、実力が如実に反映されるうえ、先手番・後手番もそれぞれ3回ずつとなり極めてフェアである。

 

 

 

 

そんな大注目のリーグ戦、開幕は藤井聡太二段VS羽生善治九段、というまさにゴールデンカードだったのだ。結果は、後手番の羽生がじわじわと逆転し鮮やかな勝利。藤井はこれまで公式戦で羽生に対し無敗であっただけに、現役にしてレジェンド羽生が一矢を報いた形だ。これで俄然、このリーグの面白さが増した。なにしろ、藤井聡太二段、次の相手は、こんどは藤井がまだ公式戦で一度も勝てていない豊島竜王なのだから。序盤・中盤・終盤、まったくスキがない豊島竜王、まじ強いよね。

 

というわけで、今度は藤井が、前回の羽生と同様に、いままで勝ったことのない相手に対し、後手番で臨まねばならないのだ。ここで負けて二連敗となると、渡辺明への挑戦どころか、このリーグに残留するのも難しくなる、そんな正念場を早くも迎えているのだ。だから、見なきゃダメだよね、その試合を、生中継で。

 

こんなにアツい面々が集まり、すでに熱戦が繰り広げられている今年の王将戦だが、唯一のそして最大の不満は、ABEMA等での無料生中継がないってことなんだよね! でも見たいよな。こんな素晴らしい豪華メンバーが揃うなんて、そうそうないって。これを見逃したら、歴史的瞬間をのがすことにもなる。そう思わざるを得ないほどの展開なのだから、だから僕は課金しちゃったよ(笑)。いまや僕は、本線を生中継をしてくれる「将棋プレミアム」の有料ゴールド会員なんだぜ。

 

 

 

 

 

以前だったら、わざわざお金を払ってまで将棋を観るなんて、僕自身も考えられなかった。でも、やっぱり今の将棋はむちゃくちゃ面白いんだよ。有料でも見たいと思わせるようなコンテンツになったということで、僕はそれはとても喜ばしいことだと思っている。例えば欧州サッカーだって、WOWOWやDAZNとか、有料放送で観たりするわけだよ。メッシやロナウドのスーパープレイを見るのにお金を払うのと同じように、藤井や羽生や豊島の超絶技巧を有料で観戦するわけだ。ぜひそんなスーパースターがこれからも将棋界で次々と誕生して欲しいし、今後も注目される対局を続けて行って欲しいと願っている。

 

ところでこの王将リーグは、メディアの盛り上げ方も上手いなあと思っていて、とくに参戦棋士へのインタビューが素晴らしいのである。昨年は「王将リーグ『才能と努力』」特集として棋士ひとりひとりへのロングインタビュー、そして今年は「王将リーグ『棋士とニューノーマル』」特集として2人ずつの対談インタビューという形で、それぞれの思いや考えそして人となりを、とてもうまく引き出しているのだ。もしも生中継で対局を見ないにしても、ぜひこれらのインタビュー記事は読んでみて欲しい。ますます有料会員になりたくなるはずだから(笑)。

 

そしてもちろん、前回「敗れざる者たち|藤井聡太に失冠したトップ棋士たちの言葉」でも書いたように、爆発的な売り上げを記録した、将棋を大特集したスポーツ雑誌「Number」も改めて読み返して欲しい。今回の王将リーグ、最終節は藤井二冠VS木村九段である。最年長の記録で初タイトルを獲得した木村はしかし、わずか一年で王位を藤井に譲り渡すことになる、しかも四連敗という完敗で。そんな対戦も記憶に新しい両者が、王将リーグ最終節でふたたび相まみえるというのも、今年の王将リーグを歴史的なものとして彩るのに相応しいだろう。というように、見どころ満載の今年の王将リーグ、まずは次の藤井VS豊島の10.5決戦を見逃すな!

 

 

 

Amazon Campaign

follow us in feedly

関連記事

今年買って本当に良かったモノ:暮らしを豊かにするホーム・アイテム5選

先日の「今年買って本当に良かったモノ:仕事の生産性を高めるオフィス・アイテム7選」に続いて、ホーム編

記事を読む

出版不況なのに「TikTok売れ」で緊急重版|あの実験的小説の新しい売り方・売れ方

先日紹介した書籍『10代のための読書地図』は、本当におすすめなので、ぜひまだの方には読んでみて欲しい

記事を読む

南魚沼の「雪国まいたけ」が5年ぶりに再上場|その背景で創業者はなんとカナダで再挑戦

新潟県南魚沼に本社を構える企業でもっとも有名なのが、この「雪国まいたけ」ではないだろうか? みなさん

記事を読む

米国Amazon.com が公表する、アメリカとカナダの Most Well-Read Cities

毎年恒例となった、Amazon.com (および Amazon.ca)が発表する "Most Wel

記事を読む

地元密着の優等生|アルビレックス新潟が生まれたサッカーの街とファンの熱狂

J2からJ1に昇格・復帰したアルビレックス新潟が今季絶好調だ。まだ4戦を終えたばかりとはいえ現在負

記事を読む

TSUTAYA運営の市立図書館に続き、今度は学習塾ノウハウを公教育に導入:いま話題の佐賀県武雄市に行ってきた

佐賀県武雄市がまた新しい取り組みを始めたようだ。 (NHKニュース)佐賀県武雄市は、来年の春から公

記事を読む

中央アジア訪問記:シルクロードの要衝ウズベキスタン

報道の通り、先週から安倍首相がモンゴルおよび中央アジア5ヶ国を訪問している(NHKニュース)。しかし

記事を読む

そして誰もいなくなった東京|中野正貴の TOKYO NOBODY の世界

緊急事態宣言が発令され、そして街から人が消えた。以下の写真は新宿駅南口、いつもならどの時間帯でも人混

記事を読む

japanese dictionaries 1

春の入学・進学・進級にあわせて最適な国語辞典を選ぼう

小中学校の生徒にとっての春は入学・進学・進級の季節であり、大学や大学院を卒業した学生にとっては就職の

記事を読む

錦織圭の全豪オープンテニスをデータ観戦しながら応援しよう|IBMのSLAMTRACKERが面白い

現代において、スポーツ選手がデータ活用するのはもはや当たり前と言えよう。そしてそれはもちろん監督やコ

記事を読む

Amazon Campaign

Amazon Campaign

卒業・入学おめでとうキャンペーン|80年記念の新明解国語辞典で大人の仲間入り

今年もまた合格・卒業、そして進級・進学の季節がやってきた。そう、春は

食の街・新潟県南魚沼|日本一のコシヒカリで作る本気丼いよいよ最終週

さて、昨年10月から始まった2022年「南魚沼、本気丼」キャンペーン

震災で全村避難した山古志村|古志の火まつりファイナルを迎える

新潟県の山古志村という名前を聞いたことのある人の多くは、2004年1

将棋タイトル棋王戦第3局|新潟で歴史に残る名局をライブ観戦してきた

最年少記録を次々と塗り替える規格外のプロ棋士・藤井聡太の活躍ぶりは、

地元密着の優等生|アルビレックス新潟が生まれたサッカーの街とファンの熱狂

J2からJ1に昇格・復帰したアルビレックス新潟が今季絶好調だ。まだ4

【速報】ついに決定|14年ぶりの日本人宇宙飛行士は男女2名

先日のエントリ「選ばれるのは誰だ?夢とロマンの宇宙飛行士誕生の物語」

3年ぶりの開催|シン魚沼国際雪合戦大会で熱くなれ

先週末は、コロナで過去2年間見送られてきた、あの魚沼国際雪合戦大会が

国語の入試問題なぜ原作者は設問に答えられないのか?

僕はもうはるか昔から苦手だったのだ。国語の試験やら入試やらで聞かれる

PAGE TOP ↑