今年のM-1優勝はミルクボーイ|松本人志はじめ審査員の採点と評価コメントにこそ大注目
公開日:
:
最終更新日:2019/12/27
ニュース
2019年、令和最初のお笑い王座を決める M-1グランプリは、決勝初出場にして史上最高点を叩き出した、ミルクボーイの二人の優勝で幕を閉じた。ご覧になりましたか?僕は以前に「関東芸人はなぜM-1で勝てないのか」と問う、ナイツ塙の新著を読み、なるほどと唸る場面が多々あった。だからこそ今回は、塙を含めた7人の審査員の採点とそのコメントに注目しながら、今回のお笑い最大イベントをテレビ観戦していたのだ。
そしてやはり今回も、塙のコメントを大変興味深く追いかけていた。それは彼が著書で明らかにしたように、M-1とはどのような大会なのかという原点と、新しいお笑いを提案するコンビこそが勝者だという哲学に依拠しているように思う。だから、塙の昨日のコメントでも、新しい型にチャレンジしたその姿勢にプラス1点、というような評価があったときに、改めてなるほどと思ったものだ。もう一つ印象の残るのが、今年もまた松本人志が優勝コンビを推していなかったという事実だ。これも塙は著書の中で、松本の視点は常に新しいお笑いを見せてくれたかどうかでブレがないと評価している点だ。その意味では、優勝したミルクボーイの技術の高さは抜きんでていたものの、2回ある漫才では出来れば異なるアプローチをして欲しかったというのが、松本の率直な気持ちだったのかも知れない。
というように、お笑いに興味があってもなくても、というか僕のように、あまりお笑いに詳しくない人にこそ、ナイツ塙のこの著書は大変おもしろく読めるはずなのだ。この年末年始休暇で、ぜひ読んでみてはいかがだろうか。お笑いに対する見方が変わる一冊となるだろう。おすすめです。
2018年、M-1審査員として名を轟かせた芸人が漫才を徹底解剖。M-1チャンピオンになれなかった塙だからこそ分かる歴代王者のストロングポイント、M-1必勝法とは?「ツッコミ全盛時代」「関東芸人の強み」「フリートーク」などのトピックから「ヤホー漫才」誕生秘話まで、”絶対漫才感”の持ち主が存分に吠える。どうしてウケるのかだけを40年以上考え続けてきた、「笑い脳」に侵された男がたどりついた現代漫才論とは?漫才師の聖典とも呼ばれるDVD『紳竜の研究』に続く令和時代の漫才バイブル、ここに誕生!
Amazon Campaign

関連記事
-
-
食肉偽装とWOWOW連続ドラマW『震える牛』のリアル
中国の工場で発生した期限切れ鶏肉の事件だが、これは別に、同工場もしくは同国の衛生管理技術の水準が低か
-
-
錦織圭のウィンブルドンテニス2019|好調を維持したままベスト8進出
錦織圭が今年もウィンブルドンでベストエイト進出を決めた。しかも、これまでの試合で失ったセットは一つの
-
-
シンガポール初のリベラルアーツ・カレッジYale-NUSが閉校
シンガポール国立大学と米国イェール大学の提携で始まり、2013年に最初の新入生を迎えたYale-NU
-
-
「われ敗れたり」:完敗だったが名勝負もあった第3回将棋・電王戦
今夜11時放送のTBS「情熱大陸」は、将棋・電王戦。 将棋のプロ棋士とコンピューター将棋ソフトが
-
-
強く美しく華やかに|藤井聡太・新王位が生まれた盤上の宇宙
将棋タイトル王位戦、藤井聡太棋聖が木村一基王位に開幕から3連勝で迎えた第4局、しびれたねぇ。テレビや
-
-
中学生プロ棋士・藤井聡太四段の新たな歴史的偉業
快進撃を続けていた若干14歳のプロ棋士・藤井聡太四段が、ついに、なんと、歴代連勝記録の単独トップとい
-
-
廃棄カツ横流し事件でよみがえる『震える牛』と食品・外食産業への不信
先日からニュースで大きく報道されている冷凍カツの横流し事件(NHKニュース「カツ横流しで業者 廃棄食
-
-
100年目の国勢調査|本日の締切おわすれなく
現在実施中の国勢調査は、5年に一度実施される最も重要な統計調査である。日本国内に住んでいるすべての人
-
-
ニューヨーク・タイムズが選ぶ、今年絶対に行きたい世界52ヶ所:2016年版
さて今年もこのシーズンがやってきましたね。ニューヨーク・タイムズ紙が発表する「今年絶対に行きたい世界
-
-
サッカーチームの経済学|デロイト・フットボール・マネーリーグ2016年版
今年もまたこの時期がやってきた。そう、デロイト社によるレポート "Football Money Le