欧州サッカークラブ収益ランキング|マネーリーグ2023発表
今年もまたこの時期がやってきた。そう、 監査法人Deloitteが毎年発表している、サッカークラブの長者番付“Deloitte Football Money League 2023” であり、今回発表された収益ランキングの上位20クラブは以下の通りだ(カッコ内は昨年順位)。
1位(1):マンチェスター・C 7億3100万ユーロ(約1014億7000万円)
2位(2):レアル・マドリード 7億1380万ユーロ(約990億円)
3位(7):リヴァプール 7億170万ユーロ(約973億円4000万円)
4位(5):マンチェスター・U 6億8860万ユーロ(約955億円2000万円)
5位(6):パリ・サンジェルマン(PSG) 6億5420万ユーロ(約907億円5000万円)
6位(3):バイエルン 6億5360万ユーロ(約906億円5000万円)
7位(4):バルセロナ 6億3820万ユーロ(約885億2000万円)
8位(8):チェルシー 5億6830万ユーロ(約788億2000万円)
9位(10):トッテナム 5億2300万ユーロ(約725億4000万円)
10位(11):アーセナル 4億3350万ユーロ(約601億3000万円)
11位(9):ユヴェントス 4億60万ユーロ(約555億6000万円)
12位(13):アトレティコ・マドリード 3億9390万ユーロ(約546億3000万円)
13位(12):ドルトムント 3億5690万ユーロ(約494億9000万円)
14位(14):インテル 3億840万ユーロ(約427億7000万円)
15位(16):ウェストハム 3億120万ユーロ(約417億7000万円)
16位(19):ミラン 2億6490万ユーロ(約367億4000万円)
17位(15):レスター 2億5220万ユーロ(約353億9000万円)
18位(-):リーズ 2億2340万ユーロ(約309億8000万円)
19位(18):エヴァートン 2億1370万ユーロ(約296億3000万円)
20位(-):ニューカッスル 2億1230万ユーロ(約294億4000万円)
さて、今回のランキングを総評すると、次のようなことが言えると思う。まず初めに、コロナ禍からの回復である。以下のグラフが示すように、コロナによる大打撃で各チームそれぞれ大きく収益を減らした2021年シーズンに比べ、昨2022年シーズンはスタジアムに観客も戻り、そしてまた自宅での視聴やその他ビジネスも復活し、コロナ前のシーズンとほぼ同様、もしくは微増、というくらいまで指標が戻ってきたのが分かる。

続いて、2年連続で首位となったマンチェスター・シティ。スタジアム観戦料、視聴料、そしてその他ビジネスと、すべてにおいて過去最高を記録した。国内リーグでの活躍はもちろんのこと、欧州チャンピオンズリーグ等の主要大会も含め、強いチームだからこそ収益もついてくる、という極めて好循環が続いているといえよう。

もうひとつ、今回のランキングで注目したいのが、上位20チームのうち、英国プレミアリーグが11チームと過半数を超えた。これは26年続く同ランキングにおいても初めてのことであり、チーム間競争だけでなく、リーグ間競争でいえば、英国プレミアリーグの圧勝ということだ。これは、ドイツにおいてバイエルンが圧倒していたり、フランスでエムバペが無双しているからといって、だからなに?っていうサッカーファンの実感に表れていると言えるだろう。
そう、結局のところ、レベルの高いリーグで、レベルの高いパフォーマンスと結果を出さない限りは、世界中のファンからは、世界ナンバーワンと認められることはないわけだ。
とくに、レアル・マドリードこそランキング2位を死守しているとはいえ、パリ・サンジェルマンも、バイエルンも、バルセロナも、それぞれ少しずつランクを落としている。こうしたところにも、いまやプレミア一強、そしてそこに集う精鋭たちと、ここで活躍してこそ一流という認識がますます強まっているように思う。
Amazon Campaign

関連記事
-
-
華麗な舞台の裏にあるプロテニス選手の過酷な生活|ランキングシステムが生んだ世界的超格差社会
2018年の全豪オープンテニスがフェデラーの優勝で幕を閉じた。自身が持つ四大大会最多優勝記録を20勝
-
-
キューバに行くなら今が最後のチャンス:アメリカ人観光客が殺到する前に
今年の「ニューヨーク・タイムズが選ぶ、今年絶対に行きたい世界52ヶ所」でも書いたように、今キューバが
-
-
サッカー日本代表W杯開幕戦:日本のサッカーを強くする25の視点
あと数時間で、日本対コートジボワール戦のキックオフ。おそらく今回も相当大勢の日本人が、このときばかり
-
-
今年も箱根駅伝の季節がやってきた
さて、今年もまた箱根駅伝の季節がやってきた。毎回手に汗握るドラマを見せてくれるこの大学スポーツは、始
-
-
Amazon Student 会員数、第1位早稲田・第2位東大に続き、第3位に放送大学がランクイン
Amazon Student の春の新学期キャンペーンで、面白いランキングが掲載されていた。Amaz
-
-
ミャンマーの歴史と地政学|アジアの超大国・中国とインドをつなぐ十字路
ミャンマーがいま政治的に揺れている。日本との歴史的関係も長いこの国は、僕自身も何度か訪れたことがある
-
-
シンガポール建国50周年|エリート開発主義国家の光と影の200年
先日で建国50周年を迎えたシンガポール。Economist や、Wall Street Journa
-
-
ゲーム理論とサッカーW杯そしてPK戦:なぜネイマールは右へ蹴ったのか?
ブラジルで開催中のサッカーW杯もいよいよベスト8。ますます眠れない夜が続く。さて、今回のワールドカッ
-
-
最強のトイレがアメリカに上陸。一方の日本では「トイレとうんち」展が大人気
僕はトイレに並々ならぬ関心を持っている。本当に。だから、国連が「11月19日は世界トイレの日」と定め
-
-
データで考える|史上最高の女子テニスプレイヤーは誰だ?
「データで考える|史上最高の男子テニスプレイヤーは誰だ?」で紹介したように、Financial Ti