大学入試数学 不朽の名問100|大人のための「数学腕試し」
世に数多といる数学のファンと猛者のみなさま、この1冊はもうすでに読みましたか? 科学もので知られる人気ブルーバックスのシリーズにまたひとつ傑作が登場したぞ。大学入試問題を題材にして、思わずうなってしまうようなユニークな名問を100問厳選した、最高の問題集である。出題者の意図や遊び心を感じる問題を通して数学の奥深さとおもしろさを体感せよ! というキャッチコピーは伊達じゃない。
個人的にとても面白く解いたのは、円周率が3.05よりも大きくなることを証明せよ、という問題だ。みんな、何となく知っているわけじゃないですか、円周率の近似の出し方を。そう、あの内接円・外接円を考えるというアプローチだ。しかし、その方針でちゃんと、この問題が解けますか? というのが、出題者から受験者への挑戦状なのである。
ちなみにこの問題は、2003年の東大入試に登場したもので、いまや伝説的名問として名を馳せているらしい。いやあ、全然知らなかったよ、そんなこと。もちろん、20年近く前に受験した人は鮮明に覚えていることだろう。そんな風に、この問題を知っていても知らなくても、「大人の腕試し」として再度取り組む価値のある優れた問題が、この一冊にはずらりと勢ぞろいしているのだ。ぜひ腕自慢の皆さんこそ、お試し頂き、その鼻へし折られてください!
(1)「一般角θに対してsinθ,cosθの定義を述べよ」
(2)「(1)の定義に基づきsin,cosの加法定理を証明せよ」これは1999年に出題された東京大学の入試問題です。たんに加法定理を暗記しているだけでは答えることができない名出題として、いまなお語り継がれる問題です。このように、大学入試の数学の問題には、解答者への「数学の本質的理解」を問う問題が多く、また解にたどり着いた瞬間に気づく、出題者の遊び心も満載されています。
数学出題の中でも人気の高い「整数」をはじめに、「整式の剰余」「記数法・N進法」「場合の数・確率」「指数・対数」「微分積分」「不等式・絶対値」「複素数」「数列・漸化式」「三角関数」「図形融合問題」「グラフでの考察」と高校数学の分野別に問題を厳選、さらに最後には「数学オリンピック予選問題」を収録しています。
著者はyoutubeでの数学解説でしられる鈴木貫太郎。講義形式の動画では、日本で最初に1本での100万回再生された記録を樹立。1問1問楽しく腕試しをしながら、数学のおもしろさ、そして本質を理解できる1冊です!
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