2020年、本ブログで人気だった英語論文ライティングの参考書ベスト5冊
先日のエントリ「いま国語辞典がおもしろい|10年ぶりの大幅改訂による最新版あいつぐ」で紹介したように、本ブログでもっとも売れた1冊である新明解国語辞典を筆頭に、国語辞典全体は非常によく購入された。そして、もうひとつの人気ジャンルが英語に関する参考書、とくにアカデミック・ライティングについてだ。それではここで、2020年の一年間で人気のあった英語ライティングのテキストについて、上位5冊に絞って紹介しよう。
本記事の目次
第1位 The Elements of Style
この分野で最も有名な一冊といってよい “The Elements of Style” が堂々のナンバーワンだ。もちろんまったく驚きではなく、本書のAmazonでのレビュー数と高評価を見れば、それも当然のことである。ちなみに紙書籍版は約2,000円なのに対して、Kindle版はなんと311円と信じられないほどお買い得となっています。
第2位 Science Research Writing
先の “The Elements of Style” が英語ライティング全般の基本ルールをまとめているのに対し、本書はそのタイトルのとおり、科学論文の執筆方法について整理したものだ。とはいえ、こうした基本ルールに自然科学も社会科学もない、いやむしろ、自然科学系の論文執筆ガイドブックの方が豊富に揃っているので、誰にとっても大いに参考になるはずだ。最近第2版が出版されたばかりであり、グッドタイミングと言えよう。こちらもKindle版が大幅に安い。
第3位 English for Writing Research Papers
前述の “Science Research Writing” が自然科学よりだとすれば、こちらは社会科学より。また、著者が海外からの留学生を多数教えた経験があるだけに、Non-native 向けのアドバイスが示唆に富む。そうそう、まさにそういうところで悩んでいたんだよ~と、僕も読みながら何度思ったことか。おすすめの一冊です。
第4位 On Writing Well
これは、人気第1位だった”The Elements of Style” と並ぶ古典的名著だ。アメリカでも2冊合わせて学部生必読書にしている大学も多いほど。未読であるならば、まずはここから始めたいところ。
第5位 Academic Writing for Graduate Students
これは、書名のとおり、大学院生に向けたアカデミック・ライティングの定番ガイドブックだ。基本ルールが網羅される形で整理されており、最初の論文として修士論文(や卒論)に取り組む人にとって大いに参考になることだろう。
これらの人気上位5冊は、英語ライティングの基本中の基本テキストと言えるだろう。いずれも版を重ねたロングセラーにしてベストセラーの定番なので、どこかで読んだことがある人も多いだろうし、これから手元に置いておきたいという人も数多いくいることだろう。
一方で、「英語論文アカデミック・ライティング絶対おすすめできる18冊」のなかで言及したように、これら人気5冊以外にも、非常に優れたライティングテキストは豊富にあるので、ぜひそれらも参考にしてみて欲しい。
Amazon Campaign
関連記事
-
-
将棋の子|奨励会年齢制限と脱サラ棋士のプロ編入という奇跡の実話
映画『泣き虫しょったんの奇跡』が公開されている。まだ観ていないのだが、もちろんこの実話はとてつもなく
-
-
事実は小説より奇なり|大人が味わうノンフィクション
先日おすすめした『10代のための読書地図』と同じブックガイドでありながら、そのテイストが大幅に異なる
-
-
アメリカで最もお世話になったあの老夫婦がこの夏日本にやって来る
僕が米国留学で一番お世話になったのは、ひょっとすると大学院の指導教授ではなく、むしろアカデミックとは
-
-
イェール大学出版局 リトル・ヒストリー|若い読者のための「考古学史」のすすめ
以前にも紹介したことのある、「イェール大学出版局 リトル・ヒストリー」のシリーズ。いまのところ5冊が
-
-
西水美恵子著『国をつくるという仕事』が称賛する、ブータン国王のリーダーシップ
ブータン訪問記の続き。 ちょっとブータンまで行ってきた。 ブータンではみんな王室と国王と
-
-
テニスプロはつらいよ|トッププレイヤー錦織圭とその他大勢の超格差社会
2014年の全米オープンテニスで日本人初のグランドスラム決勝進出を果たした錦織圭。その後の凱旋ツアー
-
-
【Kindle特大セール】7月の月替わりセール注目の統計データ分析3冊
Amazonは今月は年に一度の最重要イベント「プライムセール」を実施することもあり、Kindle電子
-
-
機械 vs 人間:チェス、予測、ヒューリスティック
今回もサッカー・ワールドカップ予想をしている、毎度注目の統計家ネイト・シルバー。その彼の著書『シグナ
-
-
Kindle 版がいま大幅値下げ中の、おすすめ英語テキストまとめ
さて前回書いたように、おすすめの一冊『ビジネスパーソンの英単語帳』がKindle 版で大幅値下げセー
-
-
フィナンシャル・タイムズと昼食を
フィナンシャル・タイムズのコラム "Lunch with the FT" を毎週楽しみに読んでいる。
