林業男子と林業女子:Wood Jobs!
「少年よ、大木を抱け。WOOD JOB!」で書いたように、『舟を編む』の著者三浦しをんによる『神去なあなあ日常』が面白い。現在公開中の映画「WOOD JOB!」の原作だ。映画公開に合わせて現在Kindle版がセール中の、今おすすめの小説である。
で、『神去なあなあ』をきっかけに、思わず林業というものにさらに興味を持ってしまった僕は、次なる関連書を手にした。それが以下の『林業男子』であり『森ではたらく!』であった。いずれも今月出版されたばかりの、いかにもな映画便乗商品かと思ったのだが、内容は極めてしっかりしており、映画『Wood Job!』を撮った矢口史靖監督や、原作者の三浦しをんのインタビューやコラムも掲載されている。
そして何よりも、日本全国でいまこんなにも林業にアツく取り組んでいる人たちがいると知って、思わずこちらの胸まで熱くなる、そんな内容なのである。
そんな中でもとくに印象深かったのが、本書で紹介されている東京チェンソーズという会社だ。なんと東京都の檜原村で林業の会社を経営している若者たちを紹介したものだ。それも林業男子のみならず林業女子まで!
知らなかった、こんな会社があるなんて。知らなかった、林業がいまこんなにもアツいなんて。その東京チェンソーズは日経新聞の記事「仕事は森、将来見据える林業女子の選択」やテレビ番組でも紹介されるなど、いま注目度の高い会社のようである。実におもしろい。映画『Wood Jobs!』が教えてくれた日本の林業の奥深さ、そしてその伝統的な仕事に現代的なアプローチで取り組む会社と若者たち、注目です。
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