林業男子と林業女子:Wood Jobs!
「少年よ、大木を抱け。WOOD JOB!」で書いたように、『舟を編む』の著者三浦しをんによる『神去なあなあ日常』が面白い。現在公開中の映画「WOOD JOB!」の原作だ。映画公開に合わせて現在Kindle版がセール中の、今おすすめの小説である。
で、『神去なあなあ』をきっかけに、思わず林業というものにさらに興味を持ってしまった僕は、次なる関連書を手にした。それが以下の『林業男子』であり『森ではたらく!』であった。いずれも今月出版されたばかりの、いかにもな映画便乗商品かと思ったのだが、内容は極めてしっかりしており、映画『Wood Job!』を撮った矢口史靖監督や、原作者の三浦しをんのインタビューやコラムも掲載されている。
そして何よりも、日本全国でいまこんなにも林業にアツく取り組んでいる人たちがいると知って、思わずこちらの胸まで熱くなる、そんな内容なのである。
そんな中でもとくに印象深かったのが、本書で紹介されている東京チェンソーズという会社だ。なんと東京都の檜原村で林業の会社を経営している若者たちを紹介したものだ。それも林業男子のみならず林業女子まで!
知らなかった、こんな会社があるなんて。知らなかった、林業がいまこんなにもアツいなんて。その東京チェンソーズは日経新聞の記事「仕事は森、将来見据える林業女子の選択」やテレビ番組でも紹介されるなど、いま注目度の高い会社のようである。実におもしろい。映画『Wood Jobs!』が教えてくれた日本の林業の奥深さ、そしてその伝統的な仕事に現代的なアプローチで取り組む会社と若者たち、注目です。
Amazon Campaign
関連記事
-
盗作と贋作のフェルメール|美術作品にまつわる犯罪史
先日NHK-BS で放送された「アナザーストーリーズ 運命の分岐点『フェルメール盗難事件 史上最大の
-
今からでも遅くない「行動経済学がわかるフェア」
「今年のノーベル経済学賞は『行動経済学』のリチャード・セイラーに」でも書いたように、2017年の受賞
-
日本人の氏名はなぜこんなにも多種多様にして複雑怪奇なのか?
日本人はなぜにこんなにも自分の名前や家族のルーツに興味津々なのだろうか? NHKの番組だけ取り上げて
-
【おすすめ英語テキスト】あの「語源図鑑」に待望の続編が登場|英単語を語源から根こそぎ理解する
ついに出ましたね、あのベストセラー『英単語の語源図鑑』に第二弾の続編が! これ、ものすごくおススメな
-
西水美恵子著『国をつくるという仕事』が称賛する、ブータン国王のリーダーシップ
ブータン訪問記の続き。 ちょっとブータンまで行ってきた。 ブータンではみんな王室と国王と
-
ワールドカップの閉幕、そしてデータドリブン・サッカーの開幕
ドイツ優勝で幕を閉じたサッカー・ワールドカップ。7-1という大差でブラジルを撃破した準決勝の試合に象
-
東大医学部合格者の6割が通う進学塾|受験エリートと塾歴社会
先日、雑誌AERAの特集を読んだ。「東大理III合格者の6割が所属 受験エリートの“秘密結社”」とい
-
華麗な王者モハメド・アリと、そのアリになれなかった男|沢木耕太郎の名著『敗れざる者たち』と『一瞬の夏』を再読する
2016年6月4日、プロボクシングの元世界ヘビー級チャンピオン、モハメド・アリが74歳の人生に幕を閉
-
卒業・入学おめでとうキャンペーン|80年記念の新明解国語辞典で大人の仲間入り
今年もまた合格・卒業、そして進級・進学の季節がやってきた。そう、春はいつだって新しい旅立ちのときで
-
絶対に負けられないサッカー・ワールドカップの舞台裏:スポーツブランドのもう一つの闘い
「絶対に負けられない戦い」に直面しているのは、もちろんサッカー選手だけではない。監督やスタッフ等もそ