シンガポール初のリベラルアーツ・カレッジYale-NUSが閉校
公開日:
:
ニュース
シンガポール国立大学と米国イェール大学の提携で始まり、2013年に最初の新入生を迎えたYale-NUSだが、残念だが2021年の新入生が最後なることが決まった(参考:The Economist “Yale-NUS, Singapore’s first liberal-arts college, closes its doors”)。
アジアでも数少ない、そしてシンガポール初のリベラルアーツ・カレッジとして鳴り物入りで登場したYale-NUS。米国有力大学がアジア各国にキャンパスを広げるグルーバル・パートナーシップが進む中、イェール大学としては初の試みであることも注目された。僕も個人的に大変興味を持っていたので、2013年に開学するタイミングで、キャンパスを見学したのを懐かしく思い出す。少人数かつ全寮制の米国型の教養教育がアジアに根付くかどうかが試されたわけだが、10年経たずに閉校という残念な結果となってしまった。
シンガポール国立大学の今後の構想は現時点ではまだ不透明だ。これまでのYale-NUSを引き継ぎ吸収する形で New college を立ち上げるとのことだが、その詳細は不明であり、せっかく入学したばかりの現役生はもちろんのこと、まだまだ数が少ない卒業生にとっても不安は尽きないことだろう。このコロナ禍が世界中のビジネスや大学教育を大きく変えつつあるのは間違いないことであり、その中でこうした米国大学の海外提携というモデルも見直しが必要となっているのかも知れない。アジア有数のエリート大学となったシンガポール国立大学の次の一手に、世界中が注目しているはずだ。
Amazon Campaign
関連記事
-
キューバに行くなら今が最後のチャンス:アメリカ人観光客が殺到する前に
今年の「ニューヨーク・タイムズが選ぶ、今年絶対に行きたい世界52ヶ所」でも書いたように、今キューバが
-
The 2015 Daily chart Advent calendar by The Economist
Economist 誌が毎年行っている恒例の "Daily chart Advent calenda
-
【速報】ついに決定|14年ぶりの日本人宇宙飛行士は男女2名
先日のエントリ「選ばれるのは誰だ?夢とロマンの宇宙飛行士誕生の物語」でも紹介していたように、 宇宙
-
今年のM-1優勝はミルクボーイ|松本人志はじめ審査員の採点と評価コメントにこそ大注目
2019年、令和最初のお笑い王座を決める M-1グランプリは、決勝初出場にして史上最高点を叩き出した
-
東京オリンピック野球で導入された変則的決勝トーナメント
東京オリンピックの野球種目は、準々決勝でアメリカを倒し、準決勝で韓国を破った日本が、堂々の決勝進出を
-
ニューヨーク・タイムズが選ぶ、今年絶対に行きたい世界52ヶ所:2015年版
昨年「ニューヨーク・タイムズが選ぶ、今年絶対に行きたい世界52ヶ所」で書いたように、同紙では毎年1月
-
選ばれるのは誰だ?夢とロマンの宇宙飛行士誕生の物語
もうすぐ14年ぶりの宇宙飛行士が決まるって知ってましたか? いや、知っているどころか応募しましたよね
-
パーソナルゲノム時代の医療:米国の予防的手術
本日の Kindle 日替わりセールに『遺伝子医療革命 ―ゲノム科学がわたしたちを変える』が登場。紙
-
海をわたって不可能を可能に|大谷翔平メジャーリーグMVP
大谷翔平、満場一致で最高栄誉のMVPを獲得。投打の二刀流で大活躍のシーズンを見せた大谷、ほんとに漫画
-
論文捏造はなぜ繰り返されるのか?科学者の楽園と、背信の科学者たち
先週は、小保方晴子氏の論文「学位取り消しに当たらず」(NHK)との報道が新たな議論を引き起こしている