言葉にできない、そんな夜。|その気持ち、言葉のプロならどう表現する?
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最終更新日:2023/01/05
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気持ちが揺れ動いたあの瞬間。表現したいのにボキャブラリーが追いつかない!言葉のプロの脳内を通したら、どんな言葉が生まれるのか? 日常の日本語をちょっぴり豊かにする、新感覚国語エンターテインメント、NHKの番組「言葉にできない、そんな夜。」を見てますか?そして、番組を見ながら一緒に自分の言葉を紡ぎ出していますか?

先日はNHKでまとめて再放送があったのだが、この番組がじつにユニークで知的で素晴らしいエンターテインメントとなっているのだ。ゲストに迎えるのは、作家や作詞家や作曲家などなど、言葉を扱うプロたちである。そんな人たちに考えてもらうのは、こんな気持ちをどう表現したらいいんだろう?という率直な思い、なのである。それをゲストの表現だけでなく、洋の東西を問わず文豪による古典的名著や、歴史的名曲にある歌詞からも引用しながら閑雅ていく、という番組なのだ。
例えば、「夏の終わりを感じるあの気持ち」や「恋に落ちた瞬間」など、誰もが経験したことがある気持ちを自分ならどう表現するだろうか。または、「キラキラしたSNSを見たとき」のもやっとした思いや、「昔の親友といつの間にか話が合わなくなっていたとき」、そして「同期のライバルの活躍を素直に喜べない」あのときの思い、などなど、極めて個人的でありながらも、誰もが感じる複雑な気持ちとしての普遍性もあり、正解がないなかで自分の表現を探り深めていくゲストの人たちの姿勢がとても純粋なものとして、見ているこちらもいつの間にか真剣に考えている、そんな稀有な番組なのである。
自分のいまの気持ちにぴったりの言葉を探すというのは、極めて知的な営みである。そしてこんなとき、いつだって欠かせないのが、国語辞典である。しかし、「気持ち」に絞って言葉選びをするときに役立つのが、じつはつぎのような「感情ことば選び辞典」なのである。ついつい「めっちゃスゴイ」と言っておけば取り合えずOKみたいな現代に生きる僕たちにとって、もう少し豊かな語彙、柔らかな言葉づかい、そして今の自分の正直な気持ちに寄り添う適切な言葉選びのためにも、こうした遊びゴコロあふれる辞書を眺めてみることは、何よりの心の栄養になるものと思う。
しっくりくる表現が出てこないときに頼れる「ことば選び実用辞典」に、ついに仲間ができました!
気持ちや人物の特性を表現するための「感情ことば選び辞典」が登場。創作者はもちろん、ことばを使う人なら誰もが一度は経験する「この思いが伝わらない」もどかしさを解消するための辞典です。こちらも薄い、軽い、小さいの三拍子でいつでもどこでも使えます。
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