*

大学受験間近|なぜ東京藝大は東大よりも難関なのか?

公開日: : 最終更新日:2023/02/05 オススメ書籍, オススメ漫画

今年も受験シーズンの真っただ中となった。 国公立大入試の2次試験の出願もしめ切れらたところで、全国大学の倍率が出そろったところだ(文科省報道資料)。受験生としては、自分が受ける大学にどれくらい出願があったのか、気になるのは当然だ。そして、今年の倍率が高い大学・学部は次のようになっている。

朝日新聞)前期で倍率が高い大学・学部等は、国立は東京芸術大・美術(12・2倍)▽鹿児島大・共同獣医(10・3倍)▽東京工業大・情報理工学院(9・6倍)、公立は周南公立大・福祉情報(27・0倍)▽同・経済(12・1倍)▽尾道市立大・芸術文化(10・1倍)など。

ご存知の方も多いかも知れないが、そう、毎年のように受験高倍率で注目されるのが、この東京藝術大学なのである。東京大学が3倍前後であるのと比べると、東京藝大の12.2倍が極めて高い数字であることが分かるだろう。もちろん倍率だけが難関度合いを決める訳ではないが、これゆえにしばしば、藝大は東大よりも入るのが難しいと言われたりするわけなのである。

そんな高倍率の藝大受検を勝ち抜くためには、どんなスキルやマインドが必要なのか。こうした知られざる実態を、作者みずからの実体験ももとにして活き活きと描いたのが、傑作漫画『ブルーピリオド』である。確かにこんなマンガ、今までになかったものであり、それが極めて新鮮な衝撃を与えてくれるのだ。

成績優秀かつスクールカースト上位の充実した毎日を送りつつ、どこか空虚な焦燥感を感じて生きる高校生・矢口八虎(やぐち やとら)は、ある日、一枚の絵に心奪われる。その衝撃は八虎を駆り立て、美しくも厳しい美術の世界へ身を投じていく。美術のノウハウうんちく満載、美大を目指して青春を燃やすスポ根受験物語、八虎と仲間たちは「好きなこと」を支えに未来を目指す!

そしてまた、こんな激戦の受験を勝ち抜いてくる奴なんて、だいたいタダモノではないのだ。こうした藝大生のキャンパスライフいやサバイバル生活を確かめるために潜入した記録が、こちらの傑作ノンフィクション『最後の秘境 東京藝大: 天才たちのカオスな日常』だ。漫画化もされているのでぜひ読んでみて、めっちゃ面白いから!

やはり彼らは、只者ではなかった。入試倍率は東大のなんと約 3 倍。しかし卒業後は行方不明者多発との噂も流れる東京藝術大学。楽器のせいで体が歪んで一人前という器楽科のある音楽学部、四十時間ぶっ続けで絵を描いて幸せという日本画科のある美術学部。各学部学科生たちへのインタビューから見えてくるのはカオスか、桃源郷か? 天才たちの日常に迫る、前人未到、抱腹絶倒の藝大探訪記。

Amazon Campaign

follow us in feedly

関連記事

今年の卒業・入学のお祝いに|おすすめの国語辞典・人気ランキング

今年もまた3月の卒業式、そして4月の入学式が近づいて来た。昨年はコロナによりことごとく中止となってし

記事を読む

永世竜王・渡辺明の『勝負心』と、あきらめたらそこで試合終了だよ

渡辺明の新著『勝負心』を読み終えたところなのだが、これが実に面白かった。「羽生世代」に続く、将棋界の

記事を読む

箱根駅伝「幻の区間賞」と関東学連チーム出場の是非

来年もまた正月から箱根駅伝にくぎ付けとなってしまう、そんな人も多くいることだろう。二日間に渡るこれだ

記事を読む

刑務所の医師不足と漫画『ムショ医』

先日のNHK News Web でも報道された通り、現在日本の刑務所における医者不足が極めて深刻な問

記事を読む

dinner table

サンフランシスコ発の口コミ情報サイト「Yelp」が日本上陸

米国の口コミ情報サイト「Yelp」(イェルプ)が日本でサービスを開始したというニュース(日経新聞)。

記事を読む

japanese igo

いま囲碁がとんでもなく面白い:弱冠24歳の6冠井山裕太

先月のNHKプロフェッショナル「盤上の宇宙、独創の一手。囲碁棋士・井山裕太」を見た。あまりにも面白く

記事を読む

japanese dictionaries 1

卒業・進級・入学のお祝いに|今も昔も定番の国語辞書をプレゼント

いよいよ春も近い。それはすなわち、卒業シーズンを迎え、そして進級・入学・入社といった新たな始まりを意

記事を読む

クリエイター佐藤雅彦が好きだ|最新著『ベンチの足』にみるユニークな視点

佐藤雅彦ほど「クリエイター」という表現が似合う人はいないのでは、と個人的に思っている。アーティストで

記事を読む

人間はアンドロイドになれるか|ロボット工学者・石黒浩の最後の講義

大学教授が定年退官の前に行う授業、それがこれまでの「最後の講義」だった。しかしそれを文字通り、自分が

記事を読む

中世キリスト教世界の絶対真理「天動説」に挑んだ意欲的漫画『チ。―地球の運動について』が面白い

『鬼滅の刃』で全国盛り上がっているところ申し訳ないんだけど、ものすごい新作漫画が登場しましたね。それ

記事を読む

Amazon Campaign

Amazon Campaign

卒業・入学おめでとうキャンペーン|80年記念の新明解国語辞典で大人の仲間入り

今年もまた合格・卒業、そして進級・進学の季節がやってきた。そう、春は

食の街・新潟県南魚沼|日本一のコシヒカリで作る本気丼いよいよ最終週

さて、昨年10月から始まった2022年「南魚沼、本気丼」キャンペーン

震災で全村避難した山古志村|古志の火まつりファイナルを迎える

新潟県の山古志村という名前を聞いたことのある人の多くは、2004年1

将棋タイトル棋王戦第3局|新潟で歴史に残る名局をライブ観戦してきた

最年少記録を次々と塗り替える規格外のプロ棋士・藤井聡太の活躍ぶりは、

地元密着の優等生|アルビレックス新潟が生まれたサッカーの街とファンの熱狂

J2からJ1に昇格・復帰したアルビレックス新潟が今季絶好調だ。まだ4

【速報】ついに決定|14年ぶりの日本人宇宙飛行士は男女2名

先日のエントリ「選ばれるのは誰だ?夢とロマンの宇宙飛行士誕生の物語」

3年ぶりの開催|シン魚沼国際雪合戦大会で熱くなれ

先週末は、コロナで過去2年間見送られてきた、あの魚沼国際雪合戦大会が

国語の入試問題なぜ原作者は設問に答えられないのか?

僕はもうはるか昔から苦手だったのだ。国語の試験やら入試やらで聞かれる

PAGE TOP ↑