艶やかに美しく|魅惑の文房具ガラスペンの世界
ガラスペンってご存知ですか? 僕自身つい最近まで知らなかったし、ましてや使ったことはおろか、触ったことさえなかったのである。だがしかし、これは美しく素晴らしいじゃありませんか。それだけじゃない、そう写真を見て分かる通り、実に美しいのである。
そんなガラスペンについては、文房具マニア御用達の雑誌『趣味の文房具』などでも特集され、次第に認知度が高まっていたように思う。とはいえ、しょせんは一部のコアなファン向けの文具だと思っていたんだけど、ここにきてぐっと人気があがり、さらに普及しそうな予感が。
ガラスペンの世界が多様に広がっています。ガラス工芸作家が続々とペンを作り始め、先達の人気工房も負けじと機能的で美しい1本を追求。そのせめぎ合いとインク人気が相まって、ガラスペンは空前のブームを迎えています。今号はそんなブームのど真ん中にいる注目の工房探訪、ときめき最新作、ガラスペン作りを本格始動したニューカマー、書きやすさの秘密、ガラスペンだからこそ使いたいインク、読者のみなさんのガラスペンスタイル拝見などなど、盛りだくさんでお届けします。もちろん高級筆記具や、趣味の文具箱的な視点で選んだ文具の新製品情報も満載しています。ぜひご覧ください!
そう、つい最近になって、あの武田健による最新作『はじめてのガラスペン』が上梓されたのだ。本書では、そもそもガラスペンとは何か? 万年筆と同じようにインクを使うけれども、その構造的な違いとは? くわえて、今では全国各地にガラスペンをつくる職人の工房がどんどん増えており、本書はそのカタログとしても有用だ。いずれにしろ、こんなに素敵な文房具があったなんて!という驚きに満ちており、あなたの書斎がぐっと格調高くなること間違いなし。文房具とは機能性はもちろんのこと、そのデザインの美しさや技術的工夫や装飾にまで思いを馳せ、今の時代に珍しく物欲・所有欲を刺激するものだと改めて感じた次第だ。
こちらのエントリ「きっと今すぐ欲しくなる!『ガラスペン』の魅力と楽しさに迫る」も、ガラスペンについて存分に熱く語った内容なので、ぜひご覧頂きたい。こんな今だからこそ、手書きの魅力が再認識され、そしてガラスペンのようなアイテムがもっと注目されるのかも知れない。
1968年東京都生まれ。大学卒業後、サラリーマンを経て2010年に万年筆と出合い、文具ライターとして活動。これまでに集めた万年筆インクは3000色を数える。2019年に、著名なテレビ番組にて「万年筆インクの世界」を紹介したほか、万年筆・インク双方のプロデュースやワークショップ、文具トークショーなどインクの魅力を伝える活動を積極的に行う。著書に『美しい万年筆のインク辞典』『和の色を楽しむ万年筆のインク辞典』(以上グラフィック社)がある。
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