*

Kindle電子書籍『クラウドソーシングの衝撃』は、成長著しい市場を概観する希少な業界本

公開日: : 最終更新日:2015/06/16 Kindle, オススメ書籍, ビジネス・経営者

『クラウドソーシングの衝撃』(比嘉・井川著)がKindle電子書籍が大幅に値下げされている。本書は現在成長が著しいクラウドソーシング市場を概観した良書であり、この分野に興味がある人にとっての必読書と言えるだろう。

 

日本のランサーズやクラウドワークス、海外ではFreelancer.com や Elance 等々の企業がひしめくこの業界だが、新しい市場だけに業界や企業特性を整理した書籍はいまのところ本書しか見当たらない。以前に「クラウドソーシングの衝撃:世界最大手Freelancer.comの上場と業界再編」の中でもおすすめしたように、この業界について知ろうと思ったら、ベストにして唯一の一冊と言えるだろう。

 

クラウドソーシング(Crowdsourcing)とは、インターネットを通してワーカー(働き手)と仕事の発注側をダイナミックに結ぶシステムで、米国ではその仲介サービスに2000万人以上が登録しており、日本でも新たなプラットフォームサービスが立ち上がりつつあります。終身雇用が崩壊し、個人は自らのスキルをもとに会社にとらわれない働き方を目指し、企業側は柔軟な人材活用にもとづいた組織の再構築にせまられている今、クラウドソーシングはそのひとつの解として注目されています。本書は今後の社会に大きなインパクトを与えるであろうクラウドソーシングについて、その市場、具体的なサービス、個人・企業に対する影響を解説します。クラウドソーシングの全体像を学ぶのに最適な一冊です。

 

本書の具体的な読みどころは以下の3点。詳しくは以前に書いたとおりだ。

  1. 従来の方法では達成できないコストダウン(50-90%)や開発スピードアップ(4-10倍)が可能となる
  2. 最低限の英語力があれば海外からの受注が簡単に実現可能で、市場が世界に広がる
  3. クラウドソーシング時代には、これまでと異なるマネジメント能力が必要となる

 

medium_5440728466photo credit: daniel_iversen via photopin cc

 

このクラウドソーシングというのは、自分で使ってみないと「何が衝撃」なのかよく分からないと思う。そこで、僕が実際に世界最大のクラウドソーシング・サービスである Freelancer.com (フリーランサー・ドットコム)を使ってみた経験を以下で紹介したとおりだ。論文の校正サービスとして利用したのだが、そのスピードの早さ、その品質の高さ、そしてその価格の安さ、すべてにおいて目眩がするほどの衝撃を受けたのはご存知のとおりだ。

 

是非一度その「スゴさ」と「衝撃」を実体験してみて欲しい。仕事に対する考え方が間違いなく変わる瞬間だと思う。その意味でも、本書のサブタイトル「雇用激動化時代の働き方・雇い方革命」というサブタイトルも、「会社は消えても、プロは生き残る。」というキャッチコピーも、まさにその通りだと思えるのだ。

 

 

また、僕自身は未読であるが、以下の3冊は日本のクラウドソーシング最大手2社(クラウドワークスおよびランサーズ)に関連したものである。

 

Amazon Campaign

follow us in feedly

関連記事

クラフトビール業界ナンバーワン・ヤッホーブルーイング自慢のIPA「インドの青鬼」の苦みが最高に旨い

今年もまたビールが旨い季節がやって来た。もちろん、クラフトビール飲んでますよね?数年前から盛り上がり

記事を読む

箱根駅伝「幻の区間賞」と関東学連チーム出場の是非

来年もまた正月から箱根駅伝にくぎ付けとなってしまう、そんな人も多くいることだろう。二日間に渡るこれだ

記事を読む

宗教と科学の壮大な人間ドラマ|漫画『チ。―地球の運動について―』がめちゃくちゃ面白い

第1集が出版されたときから異色の傑作漫画になると思って注目してきた『チ。ー地球の運動についてー』が、

記事を読む

いま国語辞典がおもしろい|10年ぶりの大幅改訂による最新版あいつぐ

さて、「2020年、本ブログで最も売れたこの1冊」でも紹介したように、昨年の一年間でもっとも売れたの

記事を読む

5月25日は「広辞苑の日」って知ってましたか?

「ことばは、自由だ。」というキャッチフレーズでも知られる、岩波書店の「広辞苑」は、国語辞典の代表格と

記事を読む

あの伝説の一戦「3連勝4連敗」から9年|羽生善治・永世七冠誕生

2017年12月5日、長い将棋の歴史に新たな偉業が刻まれた。羽生善治が竜王位を奪還し永世竜王となり、

記事を読む

捏造と背信の科学者:繰り返される不正と、研究者の責任ある行動

STAP細胞の件で改めて考えさせられたのは、なぜこの一件だけではなく、研究不正・論文捏造がこれほどま

記事を読む

日本でいちばん売れている国語辞典『新明解』に待望の最新第8版が登場

日本でもっとも売れている国語辞典といえばなんでしょう? それはもう圧倒的に三省堂の『新明解国語辞典』

記事を読む

できる研究者の英語プレゼン術|スライド作成からストーリー展開まで

以前に紹介した、ポール・シルヴィア著の『できる研究者の論文生産術』は素晴らしい一冊である。著者は20

記事を読む

町山智浩『知ってても偉くないUSA語録』は秀逸な現代アメリカ社会批評

映画評論家の町山智浩をご存知だろうか?そして、彼の秀逸な現代アメリカ観察記をご存知だろうか?そんな週

記事を読む

Amazon Campaign

Amazon Campaign

卒業・入学おめでとうキャンペーン|80年記念の新明解国語辞典で大人の仲間入り

今年もまた合格・卒業、そして進級・進学の季節がやってきた。そう、春は

食の街・新潟県南魚沼|日本一のコシヒカリで作る本気丼いよいよ最終週

さて、昨年10月から始まった2022年「南魚沼、本気丼」キャンペーン

震災で全村避難した山古志村|古志の火まつりファイナルを迎える

新潟県の山古志村という名前を聞いたことのある人の多くは、2004年1

将棋タイトル棋王戦第3局|新潟で歴史に残る名局をライブ観戦してきた

最年少記録を次々と塗り替える規格外のプロ棋士・藤井聡太の活躍ぶりは、

地元密着の優等生|アルビレックス新潟が生まれたサッカーの街とファンの熱狂

J2からJ1に昇格・復帰したアルビレックス新潟が今季絶好調だ。まだ4

【速報】ついに決定|14年ぶりの日本人宇宙飛行士は男女2名

先日のエントリ「選ばれるのは誰だ?夢とロマンの宇宙飛行士誕生の物語」

3年ぶりの開催|シン魚沼国際雪合戦大会で熱くなれ

先週末は、コロナで過去2年間見送られてきた、あの魚沼国際雪合戦大会が

国語の入試問題なぜ原作者は設問に答えられないのか?

僕はもうはるか昔から苦手だったのだ。国語の試験やら入試やらで聞かれる

PAGE TOP ↑