【おすすめ書籍】ハーバード数学科のデータサイエンティストが明かす恋愛ビッグデータの残酷な現実
アメリカでベストセラーとなった一冊 “Dataclysm” がようやく翻訳出版された。これは人気出会いサイト OK Cupid を立ち上げたハーバード数学科卒の起業家による一冊である。僕自身は本書が出版された当時にとても面白く読んだのを思い出すが、この本がユニークなのは、その出会い系サイトのデータを用いていくつもの興味深い行動を教えてくれるからである。
例えば、恋愛対象について「どんな相手が好きか?」という事前の自己認識と、実際にサイト内でアプローチする相手がどれだけ乖離していることか!より具体的には、相手の女性の年齢は気にしないと紳士的発言をしていたはずの男性陣が、揃いも揃って若い女の子にばかり声をかけているとかね(笑)。
さらには、人種に対してどれだけ偏った行動をしているのかをデータを用いて丸裸にする。アメリカ社会が抱えるタブーを、数字を使ってこれでもかと抉り出すという点で、社会的にもインパクトの大きな内容である。こうしたデータ分析の数々は、OK Cupid のスピンオフサイト OK Trends でも報告されてきたものなので、興味がある人はこちらの原サイトも合わせて読んでみてはどうだろうか。いずれにしろ、データがあぶりだす人間行動の隠された実態は、こんなにも興味深いのである。
秘めた願望、恋愛、性的指向、容姿、偏見、アイデンティティ……
世界最大級の出会いサイトの男女関係データが語りだす!著者は、ハーバード大学の数学科を卒業後、4人の仲間といっしょに出会いサイトを創業。10年後、世界最大級の出会いサイトとなったサービスから生み出された膨大なデータの分析に、著者は満を持して取り組み、書かれたのが本書です。本書は男女関係のビッグデータから見えてくる、普段は目にすることができない人間の本質をあぶり出すことを目的に書かれました。
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