*

フェイスブックのパーソナルデータが明らかにする、米国スポーツチームのファン境界線はココだ。

公開日: : 最終更新日:2015/06/16 アメリカ, スポーツ, データ

これまで何度か書いてきたが、フェイスブックのデータサイエンスチームというのは、いつも興味深いデータを、さらに興味深く見せてくれる。例えば「フェイスブックから愛を込めて」や、「バレンタインの統計学と経済学」で紹介したように、男女関係の悲喜こもごもを面白おかしく分析できるのは、パーソナルデータを持っているフェイスブックならではの強みだ。

 

フェイスブックデータではないものの、「独身男女はドコにいる?データで見るデートガイド」では、米国センサス(国勢調査)の郵便番号データから都市および地区によって独身男女が住んでいる場所がどのように偏っているかを示しており、それはそれで大変に興味深かった。でも、国勢調査のデータを使って、地区レベルで視覚化できるデータというのは、年齢や性別といったあたりまでなんだろう。だからこそ、フェイスブックのパーソナルデータを用いて、ニューヨーク・タイムズ紙が先日見せてくれた以下のデータは、衝撃的な面白さとして受け止めた。これはもう・・・、ステキ過ぎるよね。

 

テーマはズバリ、米国大リーグのファンの境目はどこか?ニューヨーク・タイムズ紙上で詳しく紹介されているように、フェイスブックの個人データ(「いいね」)を利用して、各チームのファンが住んでいる場所を地図上で視覚化したものだ。

 

baseball_border

 

 

これの何が面白いって、そりゃあもう、今まで漠然としか認識されてこなかった境界線をはっきりと描いているところだ。例えばニューヨークの名門ヤンキースと、ボストンの強豪レッドソックス。その都市に住んでいれば地元のチームを応援するのが自然だ。じゃあ、ニューヨークとボストンの間に位置する町々の人たちは一体どちらを応援しているのよ?っていう疑問だ。それは、東京から西に向かって行った時、どこからエスカレーターの立ち位置が逆になるの?という素朴な疑問ととてもよく似ている。

 

で、その答えがくっきり見えるでしょ?下図が示すように、Yale 大学がある New Haven はヤンキースのテリトリーだし、コネチカット州の州都 Hartford も、ギリギリでヤンキース領なんだねー、っていうのが「見える」のがすごい。実に面白い。

 

redsox_yankees

 

それ以外でも、シカゴにおけるカブスとホワイトソックス、ロサンゼルスにおけるドジャースとエンゼルス等々、主要都市を二分するチームのファンの分布を明確に切り分けて視覚化している。この地図データを見たらいっそう地元対決の試合が盛り上がるかも知れないね。

 

で、予想通りというか、この地図は大変な反響を呼びそれに応える形でニューヨーク・タイムズ紙が続けて掲載したのが、今度はバスケットボールNBAのファン分布だった。

 

basketball_border

 

 

そしてこれがまた相当に面白いのである。ただ単に野球でやったことをバスケでもやってみました、っていうだけじゃないのだ。野球と同様にニューヨークとボストンの二都市で考えた場合、バスケットボールではニックスとセルティクスのどちらを応援するのか、という疑問なのだが、その答えは必ずしも野球の時と同じではない、というのがポイントだ。

 

以下の図が示すように、なんとなんと、大リーグのときはニューヨーク側のヤンキースを応援していた New Haven と Hartford にお住まいの人たちが、話がバスケになったとたん、今度はボストン側のセルティクスを応援しているじゃあないですか!

 

celtics_knicks

 

 

行政区分上の境界線と、スポーツファン心理に現れるような地元意識とが、必ずしも一致していないというのは実感としてもよく分かる。でもそれだけではなく、スポーツによってもそのボーダーラインが変わってくるというデータを、僕らは今まで見たことがあっただろうか。フェイスブックにはプライバシーの問題が常に付きまとうわけだが、一方で、どのスポーツチームを応援しているのかといった個々人のプライベートな情報が入手できるからこそ、このように興味深くデータを視覚化することもできるのだ。

 

そんなユニークなデータを、毎度ユニークな視点で目の前に見せてくれるのが、フェイスブックのデータサイエンスチームであり、そして今回のニューヨーク・タイムズ紙のデータサイエンティスト達だ。彼らのユニークな仕事ぶりには、今後もぜひ注目していきたい。

 

Amazon Campaign

follow us in feedly

関連記事

サッカーチームの経済学|デロイト・フットボール・マネーリーグ2016年版

今年もまたこの時期がやってきた。そう、デロイト社によるレポート "Football Money Le

記事を読む

ハートマウンテン日系人強制収容所の、貴重なプライベート写真集

7月に出版されたエッセイ写真集『コダクロームフィルムで見る ハートマウンテン日系人強制収容所』を読ん

記事を読む

フェイスブック・データでみるバレンタインデー|世界中が愛を込めて

いつの間にかバレンタインじゃないですか、諸兄の皆様方、心の準備はOK? さて、昨年のこの時期にも「バ

記事を読む

最強のトイレがアメリカに上陸。一方の日本では「トイレとうんち」展が大人気

僕はトイレに並々ならぬ関心を持っている。本当に。だから、国連が「11月19日は世界トイレの日」と定め

記事を読む

emotional highs and lows in facebook

『ヤバい予測学』とフェイスブックデータが示す感情の起伏

フェイスブックのデータ・サイエンティストたちは毎度興味深いデータを見せてくれる。それは「フェイスブッ

記事を読む

ウィンブルドン決勝ジョコビッチの優勝をデータで振り返る

さて先日の「テニス・ウィンブルドン決勝|ビッグ・データを制するのは誰だ?」にも書いたように、僕は今年

記事を読む

アメリカの歴史をつくる9人の連邦最高裁判事

就任以来すでにいくつもの声明を発表し、そのたびに世界が最大限の注目を払ってきた米国トランプ大統領が、

記事を読む

昨年の米国で “the Most Well-Read City” に輝いたのはシアトル

昨年も「米国Amazon.com が公表する、アメリカとカナダの Most Well-Read Ci

記事を読む

人はなぜ走るのか?を問う『Born to Run~走るために生まれた』は、米国ランナーのバイブル

米国で異例のベストセラーとなり、何度目かのランニング・ブームを引き起こした一冊『Born to Ru

記事を読む

football studium

フットボールの経営学:欧州サッカー・マネーリーグ2014

以前「フットボール・マネーリーグ2013」で紹介した、"Deloitte Football Mone

記事を読む

Amazon Campaign

Amazon Campaign

他大学で非常勤講師をすると確定申告が必要|提出締切は3月15日

毎年1月から3月にかけては確定申告の季節。一般的には2/16から受付開

【Kindleセール】「カリスマ同時通訳者が教えるビジネスパーソンの英単語帳」と「日本人なら必ず誤訳する英文」

現在実施中の「ディスカヴァー・トゥエンティワン書籍キャンペーン」のおか

メジャーリーグ新時代|アストロズ優勝が示す鮮やか過ぎるデータ革命

先日 NHK-BS で放送された「アストロズ革命~MLBデータ新時代~

打倒青山学院|来年の箱根駅伝をもっと面白くするこの5冊

青山学院の3連覇に沸いた今年の箱根駅伝、ご覧になった方も多いことだろう

起業家視点の戦略的ボードゲーム「カタンの開拓者たち」|世界的ベストセラーがシリコンバレーで盛り上がる

今年の冬休みこそボードゲームを楽しもう ことしもまた冬休みが近づいて

2017年ふるさと納税|大人気のおすすめ返礼品7選

ふるさと納税の人気が止まらない。2017年4月には、総務省から過剰な返

2017年のベストセラー書籍トップ25冊

2017年も残すところあとわずか。それでは今年も本ブログを通じてのベス

Amazon.com の勢いが止まらない|サイバーマンデーで過去最高売上を記録

株価上昇が続くアメリカ経済の中でも、Amazon.com の勢いはひと

PAGE TOP ↑