米国Amazonの第2本社候補地選びがついに決着
1年以上に渡って注目を集めてきた、米国アマゾンの第2本社候補地選び。5万人以上の雇用を生むというこの巨大プロジェクトに対し、北米238都市が応募してラブコールを送った。そして最終選考に残っていた20都市のなかから、ついに最後の判断がくだされた。それが、ニューヨークとバージニアの2都市選択という結論である(New York Times “Amazon Chooses Queens and a Washington Suburb for ‘Second Headquarters’”)。
この都市が選ばれたということに対してはあまり驚きはないだろう。結局のところ、大都市ニューヨークと、首都ワシントンDC近郊のバージニアが勝者であり、もしからしたらという可能性に賭けていたその他数多くの田舎都市は、残念ながらまったく勝算がなかった。そしてもちろん、最大の勝者は、誘致自治体を競争させ、巨額の優遇措置を手にしたアマゾンとそのCEOジョフ・ベゾスである(WIRED「アマゾン第2本社の候補地選び、“勝者”は巨額の補助金を手にしたベゾスだった」)。
今回の本社候補地選びでは、最終的な誘致自治体から合計で20億ドルもの補助金を引き出すことに成功したわけだが、そのやり方については批判の声も大きい。特にアマゾンはこれまでにも、国や地方自治体からの支援を最大限に利用し、一方ではなるべく税金を収めずに済むような方策をとってきただけに、今回もまたそのタフネゴシエーターぶりが目に余るという反応だ(WIRED「アマゾンの高収益は「公的支援」が支える? 税優遇をフル活用、倉庫従業員は生活保護という実情」)。
しかし、そんな反論にも動じない極めてクレバーなCEOが率いるこの会社は、この先もまだまだ、その果てしない欲望をもとにして成長し続けるのだろうか。であるならば、いまの株価なんて安いものかも知れないね、値下がりしたこのタイミングで買っとく??
Amazon Campaign
![follow us in feedly](http://s3.feedly.com/img/follows/feedly-follow-rectangle-volume-big_2x.png)
関連記事
-
-
岩波書店がAmazonで電子書籍Kindle版を配信開始:おすすめは『日本人の英語』
岩波書店がいよいよAmazonでも電子書籍を配信開始、というニュース。岩波文庫や岩波現代文庫そして岩
-
-
六本木ウィスキーヒルズに行ってきた。
昨年末、六本木ヒルズで開催されたイベント「Whisky Hills」に行ってきた。なにしろ「マッサン
-
-
シンガポール建国50周年|エリート開発主義国家の光と影の200年
先日で建国50周年を迎えたシンガポール。Economist や、Wall Street Journa
-
-
ゲーム理論とサッカーW杯そしてPK戦:なぜネイマールは右へ蹴ったのか?
ブラジルで開催中のサッカーW杯もいよいよベスト8。ますます眠れない夜が続く。さて、今回のワールドカッ
-
-
Wall Street Journal 125周年と、アメリカ現代史
ちょうど昨年、「フィナンシャル・タイムズ(FT)とウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)」で書い
-
-
地元密着の優等生|アルビレックス新潟が生まれたサッカーの街とファンの熱狂
J2からJ1に昇格・復帰したアルビレックス新潟が今季絶好調だ。まだ4戦を終えたばかりとはいえ現在負
-
-
科学と度量衡の歴史|キログラムの定義が130年ぶりに変更
さて、先日のニュースでも大きく報道された通り、来年から「キログラム」の定義が変更されることとなった。
-
-
【速報】ついに決定|14年ぶりの日本人宇宙飛行士は男女2名
先日のエントリ「選ばれるのは誰だ?夢とロマンの宇宙飛行士誕生の物語」でも紹介していたように、 宇宙
-
-
米国一番人気アメリカン・フットボールの経営学:戦力均衡のリーグ運営
アメリカで最も人気のあるスポーツと言えば、アメフト(NFL)がナンバーワンなのである。野球(MLB)