起業家視点の戦略的ボードゲーム「カタンの開拓者たち」|世界的ベストセラーがシリコンバレーで盛り上がる
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今年の冬休みこそボードゲームを楽しもう
ことしもまた冬休みが近づいてきた。クリスマスや正月休暇を、実家の集まりや友人宅のホームパーティで過ごす人も多いことだろう。だからこそ、この時期はボードゲームが楽しんですよね。以前にも「冬休みにおすすめの人気ボードゲーム」で詳しく紹介したが、ボードゲームやるならこれでしょ、という作品を再度ここでおすすめしたい。それが、世界中でベストセラーとなっている「カタンの開拓者たち」だ。それではなぜこのボードゲームがこんなにも人気なのか、以下でちょっと解説してみよう。
photo credit: Kevin Dinkel via photopin cc
ドイツボードゲームが世界の最高峰
毎年次々と新作が発表されるボードゲーム市場だが、どれがすぐれた作品なのか迷うことも多いだろう。そんなときに参考になる指針の一つが、ボードゲームの世界での受賞作品を見てみることだろう。具体的にはボードゲームにおいては、「ドイツゲーム大賞」と「ドイツ年間ゲーム大賞」という2つの名誉ある賞が存在する。
とても紛らわしいネーミングなのだが、ドイツゲーム大賞は一般のファンが選定するもの、それに対しドイツ年間ゲーム大賞は専門家が選定するもの、という違いがる。つまり、遊んで楽しいとファンが感じる作品なのか、優れたアイデアで構成されていると専門家が判断するか、の違いと言えるだろう。そしてもちろん、ユーザーからも専門家からも評価が高いボードゲームこそが、どの意味でも素晴らしい作品と言えるわけだ。
そんな二つの賞をかつてダブル受賞したのは、長い歴史の中でも以下の表にまとめたように、6作品しかないのである。それらはどれも素晴らしく、以前に「冬休みにおすすめの人気ボードゲーム」でもおすすめしたように、とくに「カタンの開拓者たち」「カルカソンヌ」「ドミニオン」は日本でも人気の定番ボードゲームだ。しかし、それでもなお、やはりキング・オブ・ボードゲームに輝くべきなのは、「カタンの開拓者たち」をおいてほかにはないのだと断言したい。
ドイツゲーム大賞 | ドイツ年間ゲーム大賞 | |
(一般のゲームファンが選定) | (専門家による委員会が選定) | |
2017年 | テラフォーミング・マーズ | キングドミノ |
2016年 | モンバサ | コードネーム |
2015年 | マルコポーロの足あと | コルト・エクスプレス |
2014年 | ロシアンレールロード | キャメルアップ |
2013年 | テラミスティカ | 花火 |
2012年 | 村の人生 | キングダムビルダー |
2011年 | 世界の七不思議 | クゥワークル |
2010年 | フレスコ | ディクシット |
2009年 | ドミニオン | ドミニオン |
2008年 | アグリコラ | ケルト |
2007年 | 大聖堂 | ズーロレット |
2006年 | ケイラス | 郵便馬車 |
2005年 | ルイ14世 | ナイアガラ |
2004年 | サンクトペテルブルク | チケット・トゥ・ライド |
2003年 | アメン・ラー | アルハンブラ |
2002年 | プエルトリコ | ヴィラパレッティ |
2001年 | カルカソンヌ | カルカソンヌ |
2000年 | タージマハル | トーレス |
1999年 | ティカル | ティカル |
1998年 | チグリス・ユーフラテス | エルフェンランド |
1997年 | レーベンヘルツ | ミシシッピクイーン |
1996年 | エルグランデ | エルグランデ |
1995年 | カタンの開拓者たち | カタンの開拓者たち |
1994年 | 6ニムト! | マンハッタン |
1993年 | モダンアート | ブラフ |
1992年 | さまよえるオランダ人 | ホーマスツアー |
1991年 | マスターラビリンス | ドルンター&ドルーバー |
1990年 | 貴族の務め | 貴族の務め |
全世界で2,200万個も売れた実力
なにしろこの「カタンの開拓者たち」、2015年時点ですでに全世界で2,200万セットも販売されている、超ベストセラーにしてロングセラーの、大人気ボードゲームなのである。ミリオンセラーどころじゃないのである。半端ないほどに売れているのである。だって、それくらい面白いのだから!
ルールは簡単で小学生くらいから十分に遊ぶことができる。それでいて実に奥深いのである。その理由は、運と戦略がちょうどよくブレンドされている点にあると言えるだろう。例えば、「人生ゲーム」のようなスゴロク型のボードゲームの場合、基本的にはサイコロの出た目で順位が大きくされてしまう。つまり運の要素が強すぎて、あまり面白みを感じないのである。
一方でこのカタンは、もちろんサイコロの出た目も重要なのだが、それ以上に大切になってくるのは、それぞれのプレーヤーの戦略なのである。サイコロの出た目によって得た資源をどう活用するか、他のプレーヤーと交渉してどう資源を交換するか、そういう会話を通じて自分の競争優位性を築いていくという視点が十分に反映できるからこそ、じつに内容の濃い大人向けのゲームとして成立するのである。
世界のボードゲームの中で2000万個以上の販売数を誇る超大ヒットゲーム! シリーズの基本となるスタンダード版です。カタンという無人島を舞台に、拠点となる開拓地(家)を建ててそこから島全体を開拓していきます。対戦相手との開拓競争で、最初に10点取った人が勝者になります。 具体的には、サイコロによって獲得した資源で開拓地を建てていきます。必要な資源が集まらない時は対戦相手と資源の交換をしましょう。積極的にコミュニケーションでゲームを有利に進めることができます。小学生から遊べるほど簡単なルールでありながら、大人もハマるボードゲームの決定版です!【特徴1】 このゲームはマップを変えることができるので、毎回違う展開が楽しめます。【特徴2】 資源の交換を通して会話を楽しむことができます。この会話はアナログゲームだからこそ味わえることの1つで、相手との新密度が深まりゲームが盛り上がります。【特徴3】 資源を交換してもらうためには自分も協調する必要があります。相手とのバランスを見ながら物事(ここではゲーム)を進めていくことは、教育の重要な要素の1つです。またサイコロやポイントの計算などで簡単な計算力も養うことができます。
photo credit: Japanexperterna
シリコンバレーの起業家に必要な視点を育む
この世界的ボードゲーム「カタンの開拓者たち」で必要とされる戦略的視点は、もちろん大人の楽しみだけのものではない。実はこの視点こそがシリコンバレーの起業家たちにとって必要不可欠のものだと考える人たちも大勢いるほどなのだから。例えば、Financial Times のこの記事 “LinkedIn founder Reid Hoffman: ‘Board games inspired my business strategy’” では、このボードゲーム「カタンの開拓者たち」が、シリコンバレーの起業家にとって必要なビジネス上の戦略立案に大いに役立っていると紹介されている。もちろん遊びのゲームの世界と、実際のビジネスの世界では大きく異なることが多数ある。しかし、LinkedIn の創業者ホフマンは、この「カタンの開拓者たち」では、他のプレーヤーとの交渉なしには勝てないことが、同様にビジネスにも当てはまると指摘する。
そしてここで重要なのはなんといっても、このボードゲームが子供から大人まで、そしてシリコンバレーで新しいサービスで世の中を変えていこうとする起業家まで、実に多くの人たちを惹きつけて止まないことである。こんなにも世界中で愛されているボードゲームが他にあるだろうか?その唯一にして絶対の作品がこの「カタンの開拓者たち」なのである。そんなボードゲームがどのようにして生まれたのかその背景を知りたければ、New Yorkers の記事 “The Man Who Built Catan” をおすすめしたい。
あとはもうプレイするだけ。どうぞこの冬休みはご家族・ご友人で、とことん夜を徹してハマってください。一度遊べば絶対に分かるこの面白さとゲームの世界観。なぜこれが大人にとっても魅力的な、そしてビジネス戦略にも応用できるゲームなのか、しかと実感することだろう。圧倒的におすすめのこのボードゲーム、3-4人でプレイするのが定番だが、どうせならより大きな土地を舞台として5-6人で遊んだほうが盛り上がります。なので、最初から「拡張版」を買っておくのがよいですぞ。どうぞお楽しみください!
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