*

経済学を学ぶなら読んでおきたい『若い読者のための経済学史』|イェール大学出版局リトル・ヒストリー

公開日: : 最終更新日:2022/01/05 オススメ書籍, 経済学・統計学

以前にも紹介した、イェール大学出版局のリトル・ヒストリーシリーズ。これはさまざまな学術分野をその道の専門家が、一般に向けて解説した本であり、丁寧な説明に定評がある。すでにシリーズ化されており、日本語の翻訳も相次いでいる。僕自身はシリーズすべて揃えているが、どれも素晴らしい内容だと感じている。

 

そのなかでも特におすすめしたいのが、こちらの『若い読者のための経済学史』である。学部や大学院で経済学を学ぶ人は多いが、しかしながら、必修科目として「経済学史」を習うことはほとんどないだろう。それどころか、選択科目としても学ばない人が実際には多いのではないだろうか? とはいえ、経済学の歴史についてはひととおり知っておきたい。そんなときの格好の道しるべとなるのがこうした良質のテキストなのである。その意味で本書は、経済学とはまったく無縁の人たちだけでなく、経済学の世界にいるもののその生い立ちや歴史についてもっと知りたい、という知的好奇心にも応えてくれるものなのである。

 

通常の紙書籍であれば3,520円するので、ちょっとお高い値段なのだが、なんと電子書籍なら、いまだけほぼ半額分がポイント還元されてとてもお買い得。さらに今なら、Amazon初売りセールを実施中だから、最高のタイミングと言えるだろう。こうした機会を通じて、ぜひもっと多くの人にこの経済学史、そしてこのシリーズを知って頂きたいと願っている。

 

初学者にとって偉大な案内役となる経済学入門。読者に力強く訴えかけて、ワクワクさせる本だ。この世界を理解するうえで、どのような貢献を経済学者がしてきたかが見事に説明されている。

ロバート・J・シラー(イェール大学教授、2013年ノーベル経済学賞受賞)

【日常生活から世界の本質まで、経済学はすべてに通ず】
たとえば、いまそこに建てるべきは病院? それとも電車の駅?あるいは、最新のiPadと時計、そのどちらを買うべきか。経済学は多様な視点から、現実を考えるヒントを与えてくれる。古代ギリシャの哲学者から、スミス、マーシャル、ケインズ……さらにはクルーグマン、セン、ピケティなど現代の賢人まで、多様な経済思想家に出会うことが、その最良の出発点になる。

Amazon Campaign

follow us in feedly

関連記事

欧州サッカー・マネーリーグ|今年も首位のバルセロナだけれども

毎年、この時期に楽しみなのが、「デロイトフットボールマネーリーグ」である。世界的な監査法人デロイトが

記事を読む

ビル・ゲイツが2013年のNo.1書籍に選んだ『コンテナ物語』

ビル・ゲイツ氏が選ぶ「2013年に読んだ記憶に残る7冊の本」が昨年末何かと話題となったが、その中でイ

記事を読む

若き昆虫学者のアフリカ|いまこそ昆虫が面白い

もうご存知と思うが、いま昆虫が熱い。ちょっと前から大ブームだ、とまでは言えなくとも、プチブームなのは

記事を読む

正月の風物詩・箱根駅伝が今年もおもしろい

新年明けましておめでとうございます。新型コロナウイルスの感染再拡大を受け、ステイホームの継続と静かな

記事を読む

寝苦しい今夜も嫁を口説こうか|珠玉の芸人エッセイ3冊

以前にも何度かおすすめしてきたように、お笑い芸人が書くエッセイには、なかなかに読ませる面白いものが多

記事を読む

Kindle電子書籍で手に汗握って読む、箱根駅伝をより面白くするこの3冊

いまや国民的イベントにまで人気が拡大した、正月の風物詩・箱根駅伝。僕も含めて毎年楽しみにしている人は

記事を読む

NHK探検バクモン「激闘!将棋会館」が面白かった|人工知能時代の天才棋士たち

先日NHKで放送された「探検バクモン」をご覧になっただろうか?「激闘!将棋会館」と題された今回は、東

記事を読む

事実は小説より奇なり|大人が味わうノンフィクション

先日おすすめした『10代のための読書地図』と同じブックガイドでありながら、そのテイストが大幅に異なる

記事を読む

夏休みに素敵な1冊を探そう|知的好奇心旺盛な10代のための読書地図

いまどき新聞なんてほとんど読まない、そんな人が増えてきた現代である。しかしながら、書評欄を楽しみに週

記事を読む

経済学Ph.D.のアカデミック・ジョブマーケット|AEA年次総会がシカゴで閉幕

1月の最初の週末、日本ではまだお正月気分が残っている頃に開催されるのが The American E

記事を読む

Amazon Campaign

Amazon Campaign

卒業・入学おめでとうキャンペーン|80年記念の新明解国語辞典で大人の仲間入り

今年もまた合格・卒業、そして進級・進学の季節がやってきた。そう、春は

食の街・新潟県南魚沼|日本一のコシヒカリで作る本気丼いよいよ最終週

さて、昨年10月から始まった2022年「南魚沼、本気丼」キャンペーン

震災で全村避難した山古志村|古志の火まつりファイナルを迎える

新潟県の山古志村という名前を聞いたことのある人の多くは、2004年1

将棋タイトル棋王戦第3局|新潟で歴史に残る名局をライブ観戦してきた

最年少記録を次々と塗り替える規格外のプロ棋士・藤井聡太の活躍ぶりは、

地元密着の優等生|アルビレックス新潟が生まれたサッカーの街とファンの熱狂

J2からJ1に昇格・復帰したアルビレックス新潟が今季絶好調だ。まだ4

【速報】ついに決定|14年ぶりの日本人宇宙飛行士は男女2名

先日のエントリ「選ばれるのは誰だ?夢とロマンの宇宙飛行士誕生の物語」

3年ぶりの開催|シン魚沼国際雪合戦大会で熱くなれ

先週末は、コロナで過去2年間見送られてきた、あの魚沼国際雪合戦大会が

国語の入試問題なぜ原作者は設問に答えられないのか?

僕はもうはるか昔から苦手だったのだ。国語の試験やら入試やらで聞かれる

PAGE TOP ↑