事実は小説より奇なり|大人が味わうノンフィクション
公開日:
:
最終更新日:2021/08/03
オススメ書籍
先日おすすめした『10代のための読書地図』と同じブックガイドでありながら、そのテイストが大幅に異なる一冊を今日は紹介したい。それがこちらも出版されたばかりの『決定版 HONZが選んだノンフィクション』だ。ご存知の方も多いと思うが、人気の書評サイトHONZが始まった早10年を迎えるということで、これまで紹介したなかからベスト・オブ・ベストを選んだものだ。
このHONZの素晴らしいところは、なんといってもノンフィクションに限定したことで、サイエンスの最先端研究から、社会を震撼させた犯罪まで、おとなが読むに相応しい重いテーマの書籍がずらりと並んだことだろう。だから、本書でリストアップされた「厳選の100冊」のなかでも、僕自身が実際に読んでみた書籍は「3章 生物・自然」で紹介されたものが多かったし、また今後読んでみたいといつも思う(でも恐ろし気でいつも躊躇してしまう)のは、「第7章 事件・事故」だったりするのだ。
気になるテーマばかりの傑作がずらりと揃ったこのブックガイド、ぜひともチェックし、自分の興味関心の合わせて選書してみて欲しい。ちなみに、容易に想像でき寮に、こうしたノンフィクションの執筆には膨大な時間がかかるわけだが、作家は果たしてどうやって作品を完成させているのか、については、ノンフィクション作家・野村進の『調べる技術・書く技術』がとても興味深かったので、あわせておすすめしておきたい。
2021年7月で開設10周年を迎えるノンフィクションの書評サイト「HONZ」。サイエンス、医学・心理学、生物・自然、教養・雑学、アート・スポーツ、社会、事件・事故、民俗・風俗、歴史、ビジネス……。さまざまなジャンルの中から、選りすぐりの100冊をレビューとともに紹介!
Amazon Campaign
関連記事
-
-
ソーシャルディスタンスのいま最も濃密な人間関係|プロ将棋棋士の師弟愛と絆
この年末年始なにが盛り上がっているかと言えば、もちろん紅白歌合戦に箱根駅伝、ではないですよね。今年は
-
-
日本に残る最後の秘境へようこそ|東京藝術大学のアートでカオスな毎日
いよいよこの書籍が文庫化されましたね。そう、2016年に出版され大きな話題となった一冊『最後の秘境
-
-
「お茶」が教えてくれる日々のしあわせ
10/13(土) から上映が始まった『日日是好日』。樹木希林の遺作となったこの映画、もちろん僕も見に
-
-
アメリカ連邦最高裁、49年前の判断を覆す|今こそ憲法で読むアメリカ史
すでに日本においてもニュースや新聞を始めとする各種メディアで報道・解説されている通り、アメリカ連邦最
-
-
春になり大人になったら辞書を買おう|これがいま日本で最も売れている国語辞典だ
さて今年も4月になり、進級・入学・入社とおめでたいイベントが相次いだ。中学生になったら電車も大人運賃
-
-
イェール大学出版局 リトル・ヒストリー|若い読者のための「アメリカ史」のすすめ
以前にも紹介したことのある、「イェール大学出版局 リトル・ヒストリー」のシリーズ。いまのところ5冊が
-
-
歌舞伎町ホストの帝王・ローランドの言葉にみる至極真面目なプロ意識
現代ホスト界における圧倒的カリスマ、歌舞伎町の夜の帝王、そしてこの世には二種類の男(自分かそれ以外)
-
-
夏休みに素敵な1冊を探そう|知的好奇心旺盛な10代のための読書地図
いまどき新聞なんてほとんど読まない、そんな人が増えてきた現代である。しかしながら、書評欄を楽しみに週
-
-
これは経費で落ちません|経理部が見つめる人間模様
NHKで現在放送中のドラマ「これは経費で落ちません!」が面白い。多部未華子が演じるアラサー独身女子・
-
-
野村克也の頭脳とデータ|戦後初の三冠王そして名監督としての実績と名声
日本のプロ野球界に燦然と輝く実績と名声。戦後初の三冠王の栄誉を手にした名キャッチャーにして、監督とし
