*

囲碁マネーリーグ|井山裕太五冠が11年連続の賞金王そして1億円越え

公開日: : 最終更新日:2022/01/26 オススメ書籍, ニュース

囲碁棋士の2021年賞金ランキングが発表され、棋聖、名人、本因坊を防衛し王座、碁聖を奪取した井山裕太五冠が対局料を含め1億3384万円で11年連続の賞金王となった。1億円の大台超えは10年連続であり、井山五冠以降は次のような順位となっている(産経新聞)。

(1)井山裕太五冠 1億3384万9290円

(2)一力遼九段 4428万5702円

(3)芝野虎丸九段 4113万9960円

(4)許家元十段 3742万2211円

(5)藤沢里菜女流本因坊 3199万3482円

(6)上野愛咲美女流棋聖 2350万9352円

(7)河野臨九段 2078万4000円

(8)関航太郎天元 1782万4300円

(9)羽根直樹九段 1360万9000円

(10)本木克弥八段 1128万5600円

 

 

japanese igophoto credit: Ken Reppart via photopin cc

 

 

さて、それでは今回の囲碁の賞金ランキングと、将棋の賞金ランキングを比べてみるとどうだろうか? 最新版はまだ発表されていないが、2020年の順位は「日本将棋マネーリーグ|今年も賞金ランク首位は豊島将之竜王、藤井二冠は?」で紹介したとおりであり、だいたい似通っているといえるのではないだろうか。首位に立つ者のみが1億円越えとなり、10位になるとぐっと下がって1,000万円台となる。

 

以前にも書いたが、個人的には囲碁や将棋のプロ棋士になるほどの頭脳と勝負強さがある人たちには、もっと夢のある賞金を獲得して欲しいと思っている。その世界のトップテンになってようやく1,000万円台というのは、その道に青春時代のすべてを賭け、プロの関門を突破しなければ夢破れ去っていくという、極めてハイリスクの人生なのだから、それに報いてくれるくらいの収入を得て欲しいのだ。

 

もちろん競技人口やファンの数などで、野球やサッカーなど他のプロスポーツと比較しようがないというのも分かる。新聞各社がメインスポンサーという背景を踏まえると、昨今の新聞業界の衰退がそのまま囲碁や将棋に影響を与えているという背景もあるだろう。だが、しかし、囲碁の井山五冠、そして将棋の若き藤井四冠、といった煌めく才能を持った人たちが次世代としてこの世界を担っていけるよう、いつまでも夢のある場所であって欲しいのだ。涙あふれる傑作『将棋の子』を読むと、つくづくそう思わざるを得ないのだ。

 

ベストセラー『聖と青春』著者が放つ感動のドラマ!!夢と挫折の奨励会物語

奨励会……。そこは将棋の天才少年たちがプロ棋士を目指して、しのぎを削る“トラの穴”だ。しかし大多数はわずか一手の差で、青春のすべてをかけた夢が叶わず退会していく。途方もない挫折の先に待ちかまえている厳しく非情な生活を、優しく温かく見守る感動の1冊。第23回講談社ノンフィクション賞受賞作(講談社文庫)

彼らの戦いはなぜこんなにもせつなく胸に迫ってくるのだろう

奨励会の修業は、一般社会に出た瞬間に限りなく無に近くなる。(中略)悩み、戸惑い、何度も何度も価値観の転換を迫られ、諦め、挫折し、また立ち上がっていく。奨励会を戦う物の誰もが、おそらくはその覚悟を胸に秘めている。彼らは社会人を目指しているのではなく、棋士を、そのはるか先にある名人を目指しているからだ。それに挫折した者にも、今立ち向かっている者にも心から拍手を送りたい。勇気を持って壁に挑む若者たちがいるからこそ、聳え立つ山は気高く美しいのだ。――エピローグより

 

 

Amazon Campaign

follow us in feedly

関連記事

科研費獲得の方法とコツ|戦略的な申請書執筆ノウハウ

さて、今年もまた科研費の応募締切が近づいてきた。採択された場合に翌年4月から経費使用ができるようにと

記事を読む

将棋の子|奨励会年齢制限と脱サラ棋士のプロ編入という奇跡の実話

映画『泣き虫しょったんの奇跡』が公開されている。まだ観ていないのだが、もちろんこの実話はとてつもなく

記事を読む

アメリカ連邦最高裁判事9人<ザ・ナイン>が歴史をつくる「この国のかたち」

米連邦最高裁判事ギンズバーグの死去とその後任選びで、目前に控える米国大統領選挙がさらに混沌としてきた

記事を読む

kuzushi shougi

ついに将棋界の頂点に|渡辺明・新名人のあまりにも遅かった到達

「魔王」渡辺、将棋界頂点に 縁遠かった名人位、36歳でついに(毎日新聞)等の報道にあるように、ようや

記事を読む

2022年将棋賞金ランキング発表|藤井聡太5冠が1億円超で堂々の首位

将棋連盟から2022年の獲得賞金・対局料ベスト10が発表されましたね。毎年この時期の恒例であり、名

記事を読む

大ヒット『英国一家、日本を食べる』がなんとNHKでアニメ化|初回放送が予想以上におもしろかった

ちょっと前に『英国一家、日本を食べる』という本が、その続編「ますます食べる」も含めて大きな話題となっ

記事を読む

若き冒険家のアメリカ|植村直己『青春を山に賭けて』

NHK-BS で放送されている「ザ・プロファイラー|夢と野望の人生」をご覧になっているだろうか?以前

記事を読む

japanese dictionaries 1

2016年のベストセラー書籍トップ5冊【国語辞典編】

先日まとめた「2016年のベストセラー書籍トップ10冊【一般書籍】」および【英語編】に続き、本ブログ

記事を読む

【超おすすめ】サンキュータツオの名著『学校では教えてくれない!国語辞典の遊び方』がキャンペーン中

あのサンキュータツオをご存知だろうか?早稲田大学大学院文学研究科の博士課程に学び、一橋大学で非常勤講

記事を読む

卒業・進級・入学おめでとう|大人になったら自分にベストの国語辞典を自ら選ぼう

桜満開・春爛漫のこの時期、これほどまでに卒業・入学に相応しいシーズンがあるだろうか。日本では今後も秋

記事を読む

Amazon Campaign

Amazon Campaign

卒業・入学おめでとうキャンペーン|80年記念の新明解国語辞典で大人の仲間入り

今年もまた合格・卒業、そして進級・進学の季節がやってきた。そう、春は

食の街・新潟県南魚沼|日本一のコシヒカリで作る本気丼いよいよ最終週

さて、昨年10月から始まった2022年「南魚沼、本気丼」キャンペーン

震災で全村避難した山古志村|古志の火まつりファイナルを迎える

新潟県の山古志村という名前を聞いたことのある人の多くは、2004年1

将棋タイトル棋王戦第3局|新潟で歴史に残る名局をライブ観戦してきた

最年少記録を次々と塗り替える規格外のプロ棋士・藤井聡太の活躍ぶりは、

地元密着の優等生|アルビレックス新潟が生まれたサッカーの街とファンの熱狂

J2からJ1に昇格・復帰したアルビレックス新潟が今季絶好調だ。まだ4

【速報】ついに決定|14年ぶりの日本人宇宙飛行士は男女2名

先日のエントリ「選ばれるのは誰だ?夢とロマンの宇宙飛行士誕生の物語」

3年ぶりの開催|シン魚沼国際雪合戦大会で熱くなれ

先週末は、コロナで過去2年間見送られてきた、あの魚沼国際雪合戦大会が

国語の入試問題なぜ原作者は設問に答えられないのか?

僕はもうはるか昔から苦手だったのだ。国語の試験やら入試やらで聞かれる

PAGE TOP ↑