*

今年のクリスマスもまたアメリカ現代社会の象徴「メガチャーチ」を思い出す

公開日: : 最終更新日:2015/12/24 アメリカ, オススメ書籍

今年もいよいよクリスマス。そしてこの時期、毎年のように思い出すのがアメリカのメガチャーチである。「現代アメリカ社会の象徴:メガチャーチの誕生と新たなコミュニティの創造」にも書いたように、僕のアメリカ留学生活の中で最も衝撃的だったのが、このメガチャーチである。

 

過去にはNHKクローズアップ現代「巨大教会が政治を動かす~アメリカからの報告~」でも特集されたことがあるものの、それ以降日本でニュースになることはほとんどない。もちろんその教会を訪れる機会など滅多にないのだが、偶然にも僕がアメリカ人の友人家族に連れられてその内部に潜入した記録は以下にまとめた通りだ。いま思い出しても強烈な体験であったと思う。

  1. メガチャーチの衝撃
  2. 神をも消費するアメリカ
  3. メガチャーチ信者の特性
  4. 日本とアメリカに見る郊外
  5. 日本の正月とチャーチの未来
  6. メガチャーチのメガ化が止まらない

 

 

しかも、僕が訪れたメガチャーチなぞは、米国全体で見ればごくごく小さい教会に過ぎないのである。例えばアメリカ最大のメガチャーチは、テキサス州ヒューストンにある Lakewood Church であり、以下の写真のように毎週40,000人を超える信者が集う。

Lakewood_interior

(Photo by ToBeDaniel)

 

ドーム球場かコンサート会場かと見紛うような広大な教会に、以下の写真のように非常にカジュアルな格好をした若い人たちが集まる。それがメガチャーチの大きな特徴だ。

1280px-Hillsong01

(Photo by Matt Malone

 

こうした新しいタイプの教会は極めて現代的な経営手法とマーケティング戦略を駆使し、新たな信者を獲得し続けている。そしてより多くの信者から寄付金を集めることを可能にしたこの巨大な集金マシンは、政治との関係もいっそう深めつつある。

 

しかしそもそも、なぜこうしたメガチャーチが近年のアメリカで発生し急速に浸透してきているのか?それをコミュニティ側の視点に立って解説するのが、アメリカを専門とする社会学者・渡辺靖であり、その著作は日本語で読める唯一のメガチャーチ関連書として極めて価値が高い。アメリカにはこういうクリスマスもあるのだと知る意味でも、興味がある人にはこの時期に一読をおすすめしたい。

 

 

Amazon Campaign

follow us in feedly

関連記事

誰も教えてくれない、科研費に採択されるコツを公開|研究費獲得に向けた戦略的視点2019年版

今年もまた、科学研究費助成事業(科研費)の締切が近づいてきた。自然科学系の研究者にとってはもちろんの

記事を読む

2022年将棋賞金ランキング発表|藤井聡太5冠が1億円超で堂々の首位

将棋連盟から2022年の獲得賞金・対局料ベスト10が発表されましたね。毎年この時期の恒例であり、名

記事を読む

Amazonソムリエが教える美味しいワインのえらび方

いま、Amazonがもっとも力を入れているもの、それは電子書籍、ではないですよね。Kindleはもう

記事を読む

【TEDトーク】モニカ・ルインスキーとネットいじめ|彼女が見つけた適切な関係

モニカ・ルインスキーという名前を久しぶりに聞いた。といっても、その名を記憶しているのは、ある程度の年

記事を読む

japanese dictionaries 1

国語辞典業界最大の謎がいま明らかにされる|辞書になった男ケンボー先生と山田先生

近年まれにみるほどの傑作ノンフィクション『辞書になった男 ケンボー先生と山田先生』が、待望の文庫化・

記事を読む

稲垣栄洋の植物論と生き物の死にざま

稲垣栄洋の植物論は大変におもしろい。例えば、『雑草はなぜそこに生えているのか』であれば、そもそも書名

記事を読む

海外で研究者になる|知られざる就職活動その舞台裏

日本人が数多く海外留学していることに比べると、海外で就職する例はまだまだ少ないと言えるだろう。とくに

記事を読む

【おすすめ経営書】ゼロ・トゥ・ワン:君はゼロから何を生み出せるか

話題の経営書『ゼロ・トゥ・ワン:君はゼロから何を生み出せるか』を、とても興味深く読んだ。著者はピータ

記事を読む

岡崎所属のレスターシティ奇跡の優勝と、これからのサッカー・データ革命

プレミアリーグ大番狂わせのレスターシティ優勝 ご存知のように、今年の英国プレミアリーグでは、岡崎が

記事を読む

連邦最高裁判事9人が形づくるアメリカの歴史

下の写真がアメリカ連邦最高裁判所だ。各種ニュース等での報道の通り、今回はこの最高裁が、これまで人工妊

記事を読む

Amazon Campaign

Amazon Campaign

卒業・入学おめでとうキャンペーン|80年記念の新明解国語辞典で大人の仲間入り

今年もまた合格・卒業、そして進級・進学の季節がやってきた。そう、春は

食の街・新潟県南魚沼|日本一のコシヒカリで作る本気丼いよいよ最終週

さて、昨年10月から始まった2022年「南魚沼、本気丼」キャンペーン

震災で全村避難した山古志村|古志の火まつりファイナルを迎える

新潟県の山古志村という名前を聞いたことのある人の多くは、2004年1

将棋タイトル棋王戦第3局|新潟で歴史に残る名局をライブ観戦してきた

最年少記録を次々と塗り替える規格外のプロ棋士・藤井聡太の活躍ぶりは、

地元密着の優等生|アルビレックス新潟が生まれたサッカーの街とファンの熱狂

J2からJ1に昇格・復帰したアルビレックス新潟が今季絶好調だ。まだ4

【速報】ついに決定|14年ぶりの日本人宇宙飛行士は男女2名

先日のエントリ「選ばれるのは誰だ?夢とロマンの宇宙飛行士誕生の物語」

3年ぶりの開催|シン魚沼国際雪合戦大会で熱くなれ

先週末は、コロナで過去2年間見送られてきた、あの魚沼国際雪合戦大会が

国語の入試問題なぜ原作者は設問に答えられないのか?

僕はもうはるか昔から苦手だったのだ。国語の試験やら入試やらで聞かれる

PAGE TOP ↑