「貧困不良少年」が経済学のスターになった!
という東洋経済オンラインの記事。取り上げているのはハーバード大学経済学部教授のローランド・フライヤー。

アメリカにおける黒人差別や、白人と黒人の子供の間にある教育格差等の研究で、今年のジョン・ベイツ・クラーク賞を受賞。日本ではノーベル賞と比べると同賞のニュースは極めて少ないが、海外では毎年 Economist 誌や Wall Street Journal 紙を始めとする各種メディアが大きく報道する、非常に注目度の高い賞となっている。
それもそのはず、過去の受賞者リストを見れば分かるように、錚々たる経済学者の名前が並ぶ。しかも40歳以下のみが対象となる制限があり、かつ2009年までは二年に一回の授与、さらには複数人同時受賞があるノーベル賞と異なり毎回一人のみの受賞といったこともあって、同賞がノーベル賞よりも獲るのが難しいとさえ言われてきた所以だ。
今年の Roland Fryerを始め、昨年受賞の Matthew Gentzkow は media economics、2013年の Raj Chetty は public economics, 2012年の Amy Finkelstein は health economics と、実証ミクロ経済学の分野での受賞が続いているのは、現在の米国経済学会の趨勢が色濃く反映された結果と言えるだろう。そんな今年の受賞者ローランド・フライヤーの、人種や教育に関する研究テーマやその成果については、世界中でベストセラーとなった『ヤバい経済学』や『その問題、経済学で解決できます』の中でも詳しく紹介されている。
Amazon Campaign
関連記事
-
-
待望のシリーズ最新刊|『英熟語図鑑』で学ぶ基本動詞を使った自然で豊かな英語表現
以前に「効果抜群おすすめ英単語超学習法|語源から理解して飛躍的に語彙を広げる」でもおススメした、『英
-
-
「ヘンな論文」を書き続ける動機と勇気
高学歴の芸人と言えば? という問いに、ロザンの宇治原と応えるのではあまりにもフツー過ぎる。もう少しツ
-
-
【おすすめ書籍】ハーバード数学科のデータサイエンティストが明かす恋愛ビッグデータの残酷な現実
アメリカでベストセラーとなった一冊 "Dataclysm" がようやく翻訳出版された。これは人気出会
-
-
食べログ評価とレストランオーナーの憂鬱
東洋経済ONLINE「食べログに勝訴でも飲食店が抱く『後味の悪さ』」等でも報じられているように、グル
-
-
春の卒業・入学シーズンを前に国語辞典をしっかり選ぼう|やはりオススメの定番4冊
さていよいよ3月となり、入試の合格発表から卒業式・入学式の季節となった。素敵なサクラが咲くよう期待し
-
-
プレゼンを準備する前に繰り返し読みたいおすすめの一冊『TED TALKS』
話題の一冊『TED TALKS』を読んだ。ご存知いまや圧倒的なプレゼンスを獲得したTEDカンファレン
-
-
越後妻有アートトリエンナーレ「大地の芸術祭」|おすすめの読むべき4冊と訪れるべき5ヶ所
「今年の夏は「大地の芸術祭」越後妻有アートトリエンナーレへようこそ!」で紹介したように、今年は3年に
-
-
寝苦しい今夜も嫁を口説こうか|珠玉の芸人エッセイ3冊
以前にも何度かおすすめしてきたように、お笑い芸人が書くエッセイには、なかなかに読ませる面白いものが多
-
-
機械 vs 人間:チェス、予測、ヒューリスティック
今回もサッカー・ワールドカップ予想をしている、毎度注目の統計家ネイト・シルバー。その彼の著書『シグナ
-
-
欧州サッカー「データ革命」|スポーツを科学する最前線ドイツからの現地レポート
先日書いた「錦織圭の全豪オープンテニスをデータ観戦しながら応援しよう|IBMのSLAMTRACKER


