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秋学期に担当した統計学の、学生による授業評価が返ってきた

公開日: : 大学・授業, 経済学・統計学

僕が昨年の秋学期(10-12月)に担当していた統計学の授業は、修士課程1年生の必修科目である。その受講生による授業評価が先日発表された。いまどき学生による授業評価といったものは、おそらくは多くの大学で実施されていることだろう。しかし、その結果が誰にどこまでフィードバックされ、その後どう活用されているのかは、大学によって様々ではないだろうか。

 

ちなみに国際大学では、評価結果の詳細が教員それぞれにフィードバックされるのはもちろんなのだが、各授業の総合スコア(10点満点)は、全教員・全学生に対してオープンな情報となる。つまり、どの授業の評価が高くて、逆にどれが低いかということが学内で共有されるということなのである。これは・・・結構エグい(苦笑)。

 

Le Penseurphoto credit: Sigfrid Lundberg via photopin cc

 

以前に「夏期コース統計学の授業評価が返ってきた」で書いたように、アメリカの大学では授業評価と結果公開はふつうに行われれているように思う。また授業の口コミサイト等もあるから、学生にとっては受講前から、授業や教員に対する情報をある程度収集することが可能となっている。

 

しかし、日本の大学でもそれと同じようなエグい仕組みになっているとはよもや思いませんでしたよ!というわけで、着任後最初の授業となった先学期の統計学は、果たして学生にどう評価されるのか、最後まで興味津々(と言いつつ内心ビクビク)だったんだけれども、結果的にはそれなりに高く評価してもらえたようで、ちょっぴり一安心なのでした。

 

せっかくの機会なので、学生から教員への個別コメントをいくつか抜粋してみよう。ちなみに学生はもちろん匿名で回答しており、またこれらの個別コメントは学内では公開されておらず、担当教員のみへのフィードバックとなっている。

 

  • Please explain the lesson slowly.
  • Professor speaks quite fast during the class.

ごめんね、早口で!

 

  • More examples to strengthen student’s understanding.
  • More examples in his lecture notes.

ごめんねごめんね~例題すくなくて!!

 

  • In the midterm exam, there were too many questions.
  • He should give more time for the midterm exam.

ごめんねごめんねごめんね~(中間)試験きびしくて!!!

 

  • His teaching method is very effective.
  • He explained the materials clearly and gave exercises that led to deep understanding.
  • His outstanding teaching skills are based on systematic arrangement of class, caring and encouraging each student.

Thanks!

 

というわけで、来年また同じ授業を教えるに当っては、改善すべきところは改善して臨みたいと思うわけである。ただ、試験問題を簡単にする予定はありません(笑)。

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