*

スノーピーク初のグランピング施設が三浦半島にオープン

公開日: : 最終更新日:2017/07/05 オススメ書籍, ニュース

いよいよ夏が近づき、今年はまたキャンプにでも行こうかという話があちこちで聞こえそうなこの時期を狙って、人気アウトドアブランドのスノーピークが初めての常設グランピング施設を京急観音崎にオープンした(同社プレスリリース)。1泊2食付きで2万5,000円からというお値段はもちろん決して安くはないが、それにもかかわらず、すでに100件以上の予約が入っているなど、まずは上々の滑り出しのようだ。

 

auroras-1203288_640

 

 

さて、このスノーピークという会社だが、ご存知のように数多くの熱狂的ファン「スノーピーカー」に支えられた、極めてブランド力のある企業なのだ。同社が世に送り出す高品質の製品は「品質に、情熱を。」というモットーに相応しいものばかりであり、それが真剣にアウトドアを楽しむ層の共感・共鳴を呼ぶのである。

 

実際に、Amazon のスノーピーク・ストアを見ても分かるように、マグもペグもテントも、ひとつひとつの製品は競合他社の類似品と比較してずいぶんとお高いのは一目瞭然だ。それなのに、利用者からこれだけ高い評価を得ているというのは、まさに同社のブランド価値を裏付けていると言えるだろう。

 

snowpeak-amazon

 

 

そんな他社を圧倒するスノーピークという会社が、新潟県三条市に本社を構える企業というのはご存じだっただろうか?歴史的には金物の町として知られる燕・三条地域において、ビジネスモデルの大転換を図り、アウトドアに活路を見出したのが、現在の山井太社長だ。

 

snowpeak1

 

 

本社はいまも三条にあり、しかも2011年に完成した新社屋はミュージアムかと見まごうほどに美しい全面ガラス張りの瀟洒な建物なのである。

 

snowpeak2

 

 

さらには、新社屋内に併設されている工場の一部を見学することまでできるし(写真撮影禁止)、もちろんショップも併設されおり、このヘッド・クオーターでしかかえないオリジナル・グッズも用意されているので、ファンには堪らない場所だ。

 

snowpeak3

 

 

さらには、本社裏手には広大なキャンプ場が用意されており、夏の間中、全国のスノーピーカー達が集結する聖地となっており、キャンプ・ファイヤーを前に山井社長がファンの人たちに語りかえる時間はもはや伝説となっている。

 

snowpeak4

 

 

そんな、地方にあって実にユニークな経営で世界的にも注目を集める企業の一つがこのスノーピークであり、その会社のヒミツを社長自ら語り明かしたのが本書『「好きなことだけ」を仕事にする経営』である。たいへん個性的な社長に率いられた、実に特徴のあるこの企業をぜひとも、もっとよく知ってもらいたいものだ。そしてぜひ本社見学も楽しんでみて下さい。おすすめです。

熱狂的なファンのいるアウトドア用品メーカー、スノーピークの山井太社長による初の著書です。スノーピークは世界に先駆け、SUVで自然の中に出かける「オートキャンプ」のスタイルを生んだ会社として知られます。「自分たちが本当にほしい製品」だけを作ることで、それまでなかった「自然の中で豊かで贅沢な時間をすごすアウトドアの楽しみ方」を確立してきました。山井社長は年間30~60泊をキャンプのテントですごし、星空の下で五感を研ぎ澄ませながら、スノーピークのビジネスモデルを磨きます。燕三条発で世界ブランドとなった今も、キャンプ場でユーザーと焚火を囲んで語り合います。本書はスノーピークが培ってきた開発から販売までの具体的な手法とそれを支える考え方、ブランドづくりの歩みまでを一気に公開。「新しい会社の姿やワークスタイル」が浮かび上がります。

 

 

 

それにしても、アウトドア・ブランドというのは、スノーピーク以外にもクセのある社長に率いられた会社であることが多いような気がする。たとえば、世界的にはパタゴニアがそうだし、もう一つの日本のトップ・ブランドであるモンベルもそうと言えるだろう。これらを読み比べてみるのも大変興味深い。

 

 

Amazon Campaign

follow us in feedly

関連記事

数学ミステリー白熱教室|数学と物理学の驚異のつながり

「NHK『数学ミステリー白熱教室』本日最終回をお見逃しなく」でも書いたように、先週末でNHKの「白熱

記事を読む

三浦しをんのマニアックな職業視点がいちいち面白い:今度の舞台は社史編纂室

次々と面白い小説を発表し続ける三浦しをん。そんな彼女のモチベーションは、世の中にこんな仕事があったな

記事を読む

華麗な王者モハメド・アリと、そのアリになれなかった男|沢木耕太郎の名著『敗れざる者たち』と『一瞬の夏』を再読する

2016年6月4日、プロボクシングの元世界ヘビー級チャンピオン、モハメド・アリが74歳の人生に幕を閉

記事を読む

2022年将棋賞金ランキング発表|藤井聡太5冠が1億円超で堂々の首位

将棋連盟から2022年の獲得賞金・対局料ベスト10が発表されましたね。毎年この時期の恒例であり、名

記事を読む

新書『英語独習法』が売れている|認知科学者がおしえる思考と学習

岩波新書の今井むつみ『英語独習法』が売れている。僕自身も大変興味深く読んでおり、これは英語学習者にと

記事を読む

gated community 1

アメリカ地方自治体の分断:富裕層による独立運動

先日のNHKクローズアップ現代を興味深く視た。「“独立”する富裕層 ~アメリカ 深まる社会の分断~」

記事を読む

日本人の氏名はなぜこんなにも多種多様にして複雑怪奇なのか?

日本人はなぜにこんなにも自分の名前や家族のルーツに興味津々なのだろうか? NHKの番組だけ取り上げて

記事を読む

東京オリンピック野球で導入された変則的決勝トーナメント

東京オリンピックの野球種目は、準々決勝でアメリカを倒し、準決勝で韓国を破った日本が、堂々の決勝進出を

記事を読む

container boxes

プロフェッショナルのコンテナ物語

昨晩ひさしぶりにNHKの『プロフェッショナル 仕事の流儀 』を見た。「港のエース、ガンマンの絆」と題

記事を読む

世界を変えた密約と帳簿・会計の世界史

Amazon Kindle の「文春の翻訳本・政治経済編」キャンペーンでは、おすすめ書籍が期間限定で

記事を読む

Amazon Campaign

Amazon Campaign

卒業・入学おめでとうキャンペーン|80年記念の新明解国語辞典で大人の仲間入り

今年もまた合格・卒業、そして進級・進学の季節がやってきた。そう、春は

食の街・新潟県南魚沼|日本一のコシヒカリで作る本気丼いよいよ最終週

さて、昨年10月から始まった2022年「南魚沼、本気丼」キャンペーン

震災で全村避難した山古志村|古志の火まつりファイナルを迎える

新潟県の山古志村という名前を聞いたことのある人の多くは、2004年1

将棋タイトル棋王戦第3局|新潟で歴史に残る名局をライブ観戦してきた

最年少記録を次々と塗り替える規格外のプロ棋士・藤井聡太の活躍ぶりは、

地元密着の優等生|アルビレックス新潟が生まれたサッカーの街とファンの熱狂

J2からJ1に昇格・復帰したアルビレックス新潟が今季絶好調だ。まだ4

【速報】ついに決定|14年ぶりの日本人宇宙飛行士は男女2名

先日のエントリ「選ばれるのは誰だ?夢とロマンの宇宙飛行士誕生の物語」

3年ぶりの開催|シン魚沼国際雪合戦大会で熱くなれ

先週末は、コロナで過去2年間見送られてきた、あの魚沼国際雪合戦大会が

国語の入試問題なぜ原作者は設問に答えられないのか?

僕はもうはるか昔から苦手だったのだ。国語の試験やら入試やらで聞かれる

PAGE TOP ↑