欧州サッカー・マネーリーグ|今年も首位のバルセロナだけれども
毎年、この時期に楽しみなのが、「デロイトフットボールマネーリーグ」である。世界的な監査法人デロイトが毎年発表している、欧州サッカークラブの収入をランキングした報告書であり、今年で24回目を迎える。昨年は「欧州サッカーマネーリーグ2020」で解説したように、スペインのFCバルセロナが収益トップとなり、全クラブで初めて9億ドルを突破するという快挙を見せた。
それを踏まえ、さて今年は、と注目しており、先日発表されたばかりのレポートに目を通してみると、今年もFCバルセロナが堂々の第1位だ! 欧州サッカーもコロナ禍の影響をもろに受け、どのクラブも収入の大幅減となっているなか、それでも首位をキープしたバルセロナの底力は立派なものだ。
と思っていたんだけれども、、、いやあ、そのバルサ自身がいま、とんでもなく大変なことになっているじゃないですか。稀代のスーパースターとは言えメッシひとりに払う金額が4年間で700億円に達し、一方で債務はすでに1,500億円近くに膨れ上がり、財政もガバナンスも崩壊し、破産すら囁かれているようだ(分析コラム)。
というように、今年のデロイトのマネーリーグ報告書は、それはそれで面白く読めるのだけれども、スポーツクラブであっても企業と同様に、やっぱり収入ランキングだけでなく、利益額や利益率も考慮しないと経営ではないよね、という当たり前のことを気づかせてくれるのである。いずれにしろ、本レポートのサマリーであれば以下のスライドをご参照頂き、報告書本体にも関心があれば、ぜひご覧ください。毎年この時期に出版されるので、今回のバルサの諸々のトラブルを踏まえ、次回以降のレポートのまとめ方に何らかの変更があるのか(ないのか)、注目していきたいと思う。
Amazon Campaign

関連記事
-
-
2016年のベストセラー書籍トップ10冊
2016年も残すところあとわずか。それでは今年も本ブログを通じてのベストセラー書籍を上位10点紹介し
-
-
アイデアと問題解決につづく第3弾『独学大全』ついに登場|一家に一冊、学びの百科事典として
さてさて、あの『独学大全』もう読みましたか? 人生100年時代、つねに学び続けアップデートし続けねば
-
-
NHK-ETV特集 将棋電王戦:棋士vsコンピュータの激闘5番勝負
先週末に放送されたNHK-ETV特集の「棋士VS将棋ソフト 激闘5番勝負」をご覧になっただろうか?面
-
-
ハートマウンテン日系人強制収容所の、貴重なプライベート写真集
7月に出版されたエッセイ写真集『コダクロームフィルムで見る ハートマウンテン日系人強制収容所』を読ん
-
-
東京オリンピック野球で導入された変則的決勝トーナメント
東京オリンピックの野球種目は、準々決勝でアメリカを倒し、準決勝で韓国を破った日本が、堂々の決勝進出を
-
-
イェール大学出版局 リトル・ヒストリー|若い読者のための「アメリカ史」のすすめ
以前にも紹介したことのある、「イェール大学出版局 リトル・ヒストリー」のシリーズ。いまのところ5冊が
-
-
Kindle電子書籍で安く読める、経済学および統計学の教科書
電子書籍の普及がますます加速しているが、大学や大学院で使う教科書はまだまだ電子化が遅れている。しかし
-
-
将棋の子|奨励会年齢制限と脱サラ棋士のプロ編入という奇跡の実話
映画『泣き虫しょったんの奇跡』が公開されている。まだ観ていないのだが、もちろんこの実話はとてつもなく
-
-
できる研究者の英語プレゼン術|スライド作成からストーリー展開まで
以前に紹介した、ポール・シルヴィア著の『できる研究者の論文生産術』は素晴らしい一冊である。著者は20
-
-
今年のクリスマスもまたアメリカ現代社会の象徴「メガチャーチ」を思い出す
今年もいよいよクリスマス。そしてこの時期、毎年のように思い出すのがアメリカのメガチャーチである。「現