Kindle電子書籍で(不)真面目に読める、おすすめ英語テキスト19冊
Kindleで安く手軽に読める英語テキスト。まずオススメしたいのは、何と言っても越前敏弥の『日本人なら必ず間違う』シリーズ。これ、実にコンパクトにまとめられているものだから、あっさり簡単な内容なのではないかと思うかも知れないが、実は恐ろしくレベルが高い。だからこそ書籍の帯にある「英語自慢の鼻をへし折る」のコピーが光るのである(参考「越前敏弥の『日本人なら必ず悪訳する英文』は、英語自慢の鼻をへし折る一冊」)。もし英語に自信がないなら、まだ読まない方がいいだろう。もしそれなりに自信があるのなら、まずは最初の一問か二問に挑戦してみてはどうだろか。多分、かなりの確率で鼻をへし折られると思うから。というわけで本シリーズ3冊、大キャンペーン中の今こそ取り組んでみて欲しいものだ。
続いておすすめしたいのは、これも過去何度も推薦してきたドクター・ヴァンスの著作。「ワンランク上の英語を目指したおすすめテキストで、英語の思考法とパワー単語を学ぶ」でも紹介したように、僕が本書およびその他の彼の一連の著書から学んだことは、1点目は、リズム・トーン・メロディの強弱と切替であり、そして2点目が、その強弱の強にさらに力を加えるということ。とてもタメになった一冊として推薦したい。まだKindle化されていない彼の著書『パワー英単語』も、非常に使える単語集として紹介しておきたい。
次に紹介したいのは、関谷英里子の英単語シリーズ。「リズム・トーン・メロディの強弱と切替で考える英語スピーキング」にも書いたように、上記ヴァンスの『パワー英単語』と同様に、ちょっと言い換えるだけで英語の文章が見違えるように力強く変貌する、そんな英単語を紹介した単語帳なのである。これはスピーキングでもライティングでも使えるものばかりなので、本書シリーズで紹介されている英単語を、全部おさえておくとよいと思う。
そんな単語の「言い換え」が出来るようになると、今度は微妙な「ニュアンスの違い」にまで気を配りたくなるだろう。つまり、単純に自動的に英単語を置き換えるのではなく、時と場合に応じてぴったりの英単語を自ら選び取るということ。その word choice の際に極めて参考になるのが、以下の『類語使い分け辞典』である。似たような英単語は多々存在するが、それらにどんな違いがあってどのように使い分けるべきなのか、そういうことを解説してくれるユニークにして実にプラクティカルな辞書なのである。
英文ライティングに関しては、「日本語で書かれたおすすめテキスト『発信型英語スーパーレベルライティング』が待望のKindle版で登場」でも紹介したように、植田一三の『発信型英語スーパーレベルライティング』がイチオシだ。僕自身、留学前にはこの本に大変お世話になった。「英文ライティングの新定番テキスト」等でも書いてきた通り、洋書ではライティングのテキストは良質のものが多々あるが、日本語で書かれたクオリティの高いものは驚くほど少ない。だからこそ本書はそんな希少な一冊としておすすめできるものなのである。
それ以外のライティング書でおすすめしたいのが、いまや古典的名著といえる『理科系のための英文作法』。そしてブルーバックスで出版されている「英語ライティング」シリーズ。いずれも「理科系のため」と銘打たれているが、もちろん英作文の本質に理系・文系の違いはない。理科系の分野の方がより研究の作法が世界で共通化されているからこそ、英語ライティングにおいてもこれらのテキストがとても役立つのである。
斎藤兆史の『英語達人塾』と『英語達人列伝』も面白く読めて参考になる書籍だ。とくに達人として登場するのが岡倉天心や白洲次郎なのだが、彼らのエピソードを読むたびに、「英語を話す」ではなく、英語で「何を話す」かが大事だと改めて思わさせる。
英単語や英文法の単純なナゼに明快に応えてくれるのが以下の二冊。「世にもおもしろい英語|あなたの知識と感性の領域を広げる英語表現」でも紹介したように、小泉牧夫の『世にもおもしろい英語』は読んでいて、へぇ~となるほど~の連続で、英語という言語の奥深さを感じさせてくれる。里中哲夫の『英語の質問箱』も同様に、英語を勉強する上での素朴な疑問に回答する形で、英語の豊かさや面白さをさらに教えてくれる優れた一冊となっている。
最後に極めてユニークな3冊を紹介しよう。まずは、「ジョジョの奇妙な冒険で英語を勉強するなんて、無駄無駄無駄無駄無駄ですか?」でも紹介したキレッキレのJOJO英語。人生で一度だった使うことのないあんな台詞を英語で学べるなんてッ!そして二冊目は、「学校では教えてくれない、正しいFUCKの使い方」で紹介した f-word 英語。人生で一度も使わないだろうあの表現をきちんと勉強できるなんてッ!最後の三冊目は極めつけ、『出ない順 試験に出ない英単語』である。こんなに非実用的な英語テキストが続々と出版される日本の英語学習マーケットというのは、ある意味ものすごく成熟したものだよね。
以上が手軽に楽しく、でも真面目に読めるKindleおすすめの英語テキスト19選。
Amazon Campaign
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