英語辞書の決定版|オックスフォード現代英英辞典に最新第10版が登場
オックスフォード現代英英辞典の最新第10版が出版されたのでさっそく購入。これはもう、英語辞書の決定版といってよいだろう。”Oxford Advanced Learner’s Dictionary” と銘打たれているように、英語学習者にもっとも役立つように工夫されている。僕自身、以前から使い続けているものだが、このたびの改版では、1,000を超える新語と語義が追加され、22万以上の見出し語と、10万以上の具体的用例が収録されており、これまでよりもさらによく出来た内容となっていると感じる。実際に、英英辞典の売れ筋ランキングでも、堂々の第一位となっている。
この辞書の具体的な特徴は以下のとおりだ。まず初めに、英語学習者が知っておくべき最重要語彙 Oxford 3,000 keywords が挙げられる。これは、コーパスや専門家の意見等に基づいて厳選された重要語彙であり、とくに英語を母国語としないわれわれ学習者にとっては、まず抑えておくべき単語である。
つづけて、より上級レベルを目指すために必要な 2,000語を加えたものが Oxford 5,000 keywords となる。これはアカデミック・ライティングや、プロフェッショナル・プレゼンテーション等でより豊かな表現を可能にするために必要な、語彙力アップに不可欠の単語である。
くわえて、こうしたライティングやスピーキングでよく用いられる、よりアカデミックな英語において知っておくべき重要語彙が、Oxford Phrasal Academic Lexicon (OPAL) として設定されている。そのほかにも、同義語や同音異義語などが分かりやすくまとめられており、これらの語の差異を学習することで、英語表現の多様性を効率的に吸収していくことができる。
また、現代の辞書らしい新しい仕組みも豊富なことに注目したい。紙の辞典として普段づかいするだけでなく、スマホやタブレット・PC等でも新しい機能を使うことができるなんて、ひと昔前までは考えられなかったことだ。例えば、Oxford Writing Tutor 機能では、英文を書く際にどのように組み立てていくかといったことまで、重要ポイントを詳しく解説しており、英文ライティングの構想、構成、そして見直しにまで役立つ。エッセイ、レポート、記事、eメール、手紙など、具体例も豊富にそろっているのもありがたい。同様に、Oxford Speaking Tutor 機能では、具体例を挙げつつ、スピーキングスキルを向上させるポイントを詳説しており、資格試験対策やプレゼンの準備などに役立てることができる。
それ以外にも、辞書本文の検索をおこなえるほか、辞書本体には収録されていない追加用例も豊富で、紙と電子の両方を使いこなすことで、英語力を大幅に向上させることができるような仕掛けとなっているのだ。というように、新しい単語と機能がもりだくさん、至れり尽くせりの、英語辞典の決定版なのはもう間違いない。いまどれか一冊をお探しであるならば、最新第10版が発売されたばかりの「オックスフォード現代英英辞典」が、タイイミングとしても絶好の機会となるだろう。
英語で論文を書く大学生や院生・研究者から、英語ビジネス文書やプレゼンテーションを担うビジネスパーソンまで、じつに多くの人におすすめできるこの英語辞典。これからも永く愛用され、使われ続けていくことだろう。おすすめです。
世界中で愛用されている中級者から上級者向けの学習英英辞典。待望の第10版では新たに約1,000項目が追加され、228,000以上の見出し語・派生語・成句等を収録。付属のプレミアムアクセスコード(日本版は利用開始から4年間有効)により、お使いのスマートフォンやタブレット、PCでOALD10が利用できます。辞書本文の検索はもちろん、基本フォーマットとモデル英文に従って英語の文章を作成できるOxford iWriterや、発音の練習や会話表現の習得、スピーキング試験対策ができるOxford iSpeakerなど、多彩なコンテンツを利用することができます。また日本版特典として、OALD10の引き方を詳しく解説した「OALD10活用ガイド 辞書編(執筆:山田茂)」や、スマートフォンやタブレット、PCでの使い方がわかる「同 アプリ/Web編」も無料にてダウンロードしていただけます。
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