岩波書店がAmazonで電子書籍Kindle版を配信開始:おすすめは『日本人の英語』
岩波書店がいよいよAmazonでも電子書籍を配信開始、というニュース。岩波文庫や岩波現代文庫そして岩波新書のロングセラーやベストセラーが、ぞくぞくとKindle 版で登場となった。
それにしても、今年は間違いなく、電子書籍が一気に普及した一年だったと振り返ることができるだろう。現在のKindleクリスマスセールでも、「クーポンで2,000円割引キャンペーン」により、電子書籍端末Kindleが 4,980円から買えるようになり(12月25日まで)、また今回の岩波書店のように、Kindleへ配信する出版社が一段と増えてきている。
マーク・ピーターセンの『日本人の英語』シリーズ
そんな岩波書店が今回Kindle化した書籍の中でのおすすめは、なんといってもマーク・ピーターセンの『日本人の英語』シリーズであろう。「25年ぶりのマーク・ピーターセン『実践 日本人の英語』は優れた英文ライティング・テキスト」でも書いたように、彼の一連の著作は非常に長いこと読まれ続けている。
日本人の英語学習指導に長けた著者の経験がふんだんにつめ込まれており、今読み返しても大変に参考になる。「英文ライティングおすすめ参考書」としてこれまで何冊もの参考書を紹介してきたが、日本語で書かれた英語テキストの中で、このマーク・ピーターセンの英語本の影響を受けていないものなどは、恐らく存在しないだろう。それくらい日本人の英語学習に大きなインパクトを与えたシリーズだ。Kindle化されたこの機会にぜひ読み返してみてはいかがだろうか。
辞書ブームの今こそ知りたい編集者の仕事『辞書の仕事』
これは「学校で教えて欲しいおすすめ国語辞典の選び方・使い方・遊び方:複数の辞書を比較して使い分けよう」でも紹介した一冊。岩波国語辞典がどうやって作られているのか、その製作過程がじつに興味深い。
原研哉のデザイン論『日本のデザイン』
これも以前に「原研哉『日本のデザイン』と『デザインのデザイン』」でおすすめしたものだが、その『日本のデザイン』もKindle書籍で登場。
海外でも知られている日本人
この三冊は、僕が留学前に再読していったものでもある。日本の紹介をするときなどに知っておくとよいエピソードが豊富。
日清戦争の始まった一八九四年に書かれた本書(『代表的日本人』)は岡倉天心『茶の本』、新渡戸稲造『武士道』と共に、日本人が英語で日本の文化・思想を西欧社会に紹介した代表的な著作である。
Amazon Campaign

関連記事
-
-
クラウド会計「freee」が大型上場|確定申告と研究費管理に役立つ画期的サービス
先日は、クラウド会計サービスを手がける freee (フリー) が東証マザーズに上場し、その規模が今
-
-
ヒマラヤ山脈でイエティの足跡を発見|雪男は向こうからやって来た
ヒマラヤ山中で伝説の雪男「イエティ」の足跡を発見したと、インド軍が公式ツイッターに写真つきで投稿した
-
-
新書『英語独習法』が売れている|認知科学者がおしえる思考と学習
岩波新書の今井むつみ『英語独習法』が売れている。僕自身も大変興味深く読んでおり、これは英語学習者にと
-
-
稀代の絵師・伊藤若冲の作品群が日本に里帰り
ここ数年、日本美術がもの凄いブームと言ってよいほどの盛り上がりを見せているのはご存知の通りだ。そして
-
-
Amazon Student 大学別会員数ランキングが引き続き興味深い
秋の新学期開始に合わせた、Amazon Student のキャンペーンが、かなり手厚くて羨ましい(笑
-
-
囲碁タイトル7冠同時制覇|井山裕太と師匠・石井邦生が創りだした盤上の宇宙・独創の一手
すごいな、井山裕太。大きなニュースとなったことで、囲碁ファン以外にも伝わったであろう、7冠同時制覇へ
-
-
シンガポール建国50周年|エリート開発主義国家の光と影の200年
先日で建国50周年を迎えたシンガポール。Economist や、Wall Street Journa
-
-
世にもおもしろい英語|あなたの知識と感性の領域を広げる英語表現
小泉牧夫の『世にもおもしろい英語』は、サブタイトルにある通り「知識と感性の領域を広げ」、英語という言
-
-
Kindle電子書籍で学ぶ、日本人の知らないワンランク上のビジネス英語術
ドクター・ヴァンスの『日本人の知らないワンランク上のビジネス英語術』がセール中。これまで僕も何度か書
-
-
錦織圭のウィンブルドンテニス2019|好調を維持したままベスト8進出
錦織圭が今年もウィンブルドンでベストエイト進出を決めた。しかも、これまでの試合で失ったセットは一つの