クラウド会計「freee」が大型上場|確定申告と研究費管理に役立つ画期的サービス
先日は、クラウド会計サービスを手がける freee (フリー) が東証マザーズに上場し、その規模が今年2番目の大きさになったと話題になった。公開価格を大幅に上回る初値と終値で、この上ないスタートを切ったと言えるだろう(参考:「freee」大型上場、海外投資家が殺到した理由(東洋経済新報社))。
さて、このクラウド会計だが、主な顧客は個人事業主やベンチャー企業そして中小企業といった法人である。つまり、専門の会計士に業務依頼をするほどではない、もしくはその金銭的余裕がないところを相手に、極めて安価でそれでいて高品質の会計ソフトを、クラウドで提供しているのが、この freee なのである。そんな有望なマーケットを見つけたのはもちろん同社だけではなく、競合他社としては「マネーフォワード」や「弥生」が挙げられ、この3社が業界の主要企業となっている。
そんな3社のなかにあっても現在 freee は、ユニークユーザ数およびシェアでトップを占め、業界のリーディングカンパニーの座にある。その理由は、競合他社にはない、「会計がまったく分からなくても自動で帳簿がつくられる」という、じつにユーザフレンドリーな開発思想にあると言えるだろう。
なにしろこの freee では、自分のアカウントを、銀行口座やクレジットカードと連携させることで、利用明細が次々と読み込まれ、自動で仕訳されていくのである。しかも、どんどん学習していくものだから、精度は飛躍的に高まり、ほおっておくだけで年末には帳簿が完成していると言えるほどなのである。これは本当にものすごいサービスですよ。今まで四苦八苦しながら会計帳簿とにらめっこし、細かい数字の確認や修正に追われるという、実に非生産的な時間を過ごしていた人たちにとっては、まさに朗報、じつに神がかったサービスとなっているのだ。
そして、このサービスを利用し活用するのに、とくだん会計の専門知識は必要ない。そんなお手軽で、自動で、直感で利用できるからこそ、これだけ広く普及し、そして今回の上場に至ったというわけである。ちなみに、ここまでの話を聞き、これは法人向けのサービスだと思ったあなたにも、実は役立つシーンがいくつもあるんですよ。
第一に、個人で確定申告する人にとっても、本サービスは実に助かるものなのだ。近年は、ふるさと納税の盛り上がりや、住宅ローン減税などで、確定申告する人が増えている。しかも大学教員が、本務校以外で非常勤講師を勤めることも多いだろうが、そのときは確定申告が欠かせないのである(参考:「他大学で非常勤講師をすると確定申告が必要」)。であるならば、申告手続き前に慌ててばたばたと作業するよりも、一年の最初から日頃の記録を付けておいた方が絶対にラクなのは言うまでもない。でも、小学生のときから、お小遣い帳を書き留めるのが苦手だった人いますよね(笑)、だからこそのクラウド会計サービスであり、徹底した自動化にこだわる freee なのである。むちゃくちゃ便利で、一度使うと絶対にそれまでの暮らしにはもどれない、それくらい画期的なサービスなのだから。
第二に、このクラウド会計は、研究費管理にも大変役立つのである。大学教員であれば、本務校の研究費に加え、科研費等の外部資金等もあり、そのやり繰りに苦労している人も多いことだろう。もちろん僕もその一人だったのである、過去にはね。何かを購入しても、それは消耗品費なのか設備備品費なのか、はたまたその他雑費のように一括りにしちゃってよいのか、そんなことを考えるだけで頭が痛くなるじゃないですか(苦笑)。そんなときも、このクラウド会計サービスがあれば、そしてとくに freee の自動仕訳機能があれば、いったん設定してしまえば、あとは全部おまかせでいいんです。そんなラクなやり方があったなんて、僕自身このサービスを使い始めるまで知りませんでしたよ。
そんな freee は、こんなに優れた機能とサービスを提供しているにも関わらず、お値段の面でもじつにユーザフレンドリーだ、ありがたいね。個人で使うなら下記のスターターで十分だし、いまなら30日間無料でお試し利用ができるので、これを使ってみるのがいいだろう。僕がここまでアツくクドく、力説してオススメしても、いまひとつピンと来ないでしょ(笑)。そうなのだ、こういうサービスって、まずは使ってみることが一番大事なんだよね。使えば分かる、その素晴らしさが。そして一度使うと絶対に離れられなくなる、その優秀な機能に。ぜひそれをご自身で体験し、いままでの無駄な会計・精算作業から自らを開放してはどうでしょうか。本当にこの freee は、おすすめですよ。
Amazon Campaign

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