科研費およびその他の研究費管理には、クラウド会計がびっくりするほど超便利
さて先日は、今年度下半期の科研費採択プロジェクトが通達された。経済学をはじめとする社会科学系の分野でもそれなりに大きな研究資金を頂け、これが自然科学系となれば相当大きな額となるわけだ。採択されるかどうかは、研究を進める上で大変に重要な問題なのである。
さて一旦採択された科研費の研究費管理は、大学事務が行うことになるのだが、僕のオススメは全部自分でマネジメントしてしまうこと。そのことでどれくらいの研究費を既に使用したのか、どの費目での支出が多いか、そして残高はどの程度あるのか、といったことが必要なタイミングで全て自分で確認できるのは、非常に大きなメリットと言えよう。ただし、その手間が結構面倒なんだよね・・・、というのはもはや昔の話。
今やクラウド会計の時代。これは銀行口座の出入金や、クレジットカードでの支払い履歴等々が、まとめてクラウドで管理できるという優れもののサービスなのである。詳しくは以前に「クラウド会計 freee(フリー)で、研究費の経費管理がとことんラクになる」で紹介したとおりなのだが、僕が現在使っている freee(フリー)というクラウド会計は、もう本当にびっくりするほど超便利なのである。一度使い始めたらもう戻れない、そういうサービスなのである。
書籍や文具やその他に研究で使用する備品等々は、Amazonや楽天で購入する人も多いだろう。そんな大手ショッピングサイトもこの freee には既にデフォルトで登録されているから、日々の買い物が自動的にどんどんとクラウドに記録されていくのである。複数の銀行口座やクレジットカードを使用している場合に、いちいち個別のアカウントで確認するのがなんて面倒くさいのだろう、と思っている人にとっては、それらが全て一括で管理できるこのクラウド会計は、もう本当にスゴイの一言。
そしてこのクラウド会計がとくに威力を発揮するのは、科研費以外の研究費を自分で管理する必要がある場合だろう。研究助成金によっては大学事務ではなく、研究者個人で費用を管理するよう要請している場合も多い。そんなとき、いちいち購入品のレシートを保存して、Excel に打ち込んで進捗管理して、残高確認して・・・なんてやってるヒマないでしょ?であれば、全部クラウドに丸投げしてしまい、空いた時間で本業の研究に集中する方がいかに効率的か。そんな風にして、このクラウド会計サービスは、研究者の生産性向上にも大きく役立つものとなっているのだ。
僕は既により高機能の有料サービス会員になるほどにハマってしまったのだが、無料で始めることができるので、このスゴさをぜひとも一度試してみてはどうだろうか。その便利さに、間違いなく昔には戻れなくなるとは思うけど。
最後に、今回の科研費に残念ながら採択されず、今年の秋に再度申請する人には、以下の『科研費獲得の方法とコツ』がものすごく役立つガイドブックとなっている。採択された「良い例」だけでなく、不採択となった「悪い実例」までも公開し、なぜダメだったのか反省と分析がすすめられる。ここまで丸裸に公開してくれた著者とその研究チームの好意には感謝してもしきれない。科研費申請者は絶対に読んでおくべきと断言できる、おすすめの一冊なのである。
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