国際大学の新しいアカデミック・イヤー始まる
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大学・授業
「国際大学大学院修了式:卒業おめでとう!」で紹介したように、本学の卒業式は6月。それは秋入学制を採用しているためであり、つまり今月9月から新しい学年度が始まったということなのである。
「あらためて国際大学(IUJ)の紹介:留学生の出身国」でも書いたが、本学へは毎年40-50ヶ国から留学生がやってくる。その大半は政府派遣留学生であり、つまりミッドキャリアの官僚が修士課程の2年間を学ぶというのが、典型的な学生像である。今年も昨年までと同様の学生バックグラウンドとなるが、大きく異なるのが、今年から始まった通称「ABEイニシアティブ」である(「アフリカの若者のための産業人材育成イニシアティブ」(African Business Education〈ABE〉 Initiative))。
ABEイニシアティブは、2013年6月の第5回アフリカ開発会議(TICAD V)において、安倍晋三首相が、官民一体となってアフリカにおける強固で持続可能な経済成長を支援するため、5年間で1,000名のアフリカの若者に、日本の大学院などでの教育と日本企業でのインターンシップの機会を提供すると表明したものです。このABEイニシアティブの下で、JICAは、研修員受け入れ事業の一環として、「修士課程およびインターンシッププログラム」を実施し、2017年まで4回に分けて総計900名を日本に受け入れる予定です。
アフリカの経済成長を持続的なものとするためには、天然資源のみに頼らない産業の多角化や競争力の強化を進めるとともに、特に急激に増加している若年層の雇用機会を拡大することが求められています。こうした中、JICAは、本プログラムを通じて、アフリカの産業発展をけん引する優秀な若者を育成することを目指しています。また、日本企業がアフリカ市場に進出する際に水先案内人として活躍が期待される民間人材を育成するとともに、日本企業がアフリカで事業展開をする際に重要な役割を果たす開発途上国の政府内に日本の技術や経営を理解する人材を増やすことも期待しています。
日本全国の大学院が、アフリカからの留学生を受入れているが、そのうち本学には大学別で最多となる14名がやってくるということで、今年の学生の出身国はさらに多様になりそうだ。国際大学では9月末までは入学オリエンテーション等が続き、10月から授業開始となる。着任2年目となる僕のアカデミック・ライフも、よりエキサイティングなものになるんじゃないだろうかと楽しみにしている。
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