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人の想いこそが永遠に不滅|キャラクター論で読み解く『鬼滅の刃』

漫画発行部数は一億冊を優に超え、まさに国民的ドラマとなった『鬼滅の刃』。その原作自体は23巻をもって既に堂々の終幕を迎えているが、そのレビューもまた凄まじい記録となっている。Amazonで、合計31,000を超えるほどのレビューがある作品や商品が他にあるだろうか? そしてまた、圧倒的に高評価だという点も注目である。

 

 
 
そんな『鬼滅の刃』は、映画編もまた記録を塗り替える興行成績であったのはご存知の通りである。しかしながら、原作を読んだ方はよくよくご存じだろうが、物語としてはまだまだ序盤、これからが鬼との対決本番なのである。その意味でも、現在始まった新たなテレビアニメ『鬼滅の刃』遊廓編そしてその先の展開へと、ファンの興味もますます加速しているのだ。

 

さて、こうした『鬼滅の刃』ブームがまだまだ根強く残る中、注目の一冊が出版された。それが今回おすすめしたい以下の書籍「鬼滅夜話 キャラクター論で読み解く『鬼滅の刃』」である。これは、民俗学を専門とする研究者による一冊であり、登場人物ひとりひとりを深く考察した内容となっている。それも主人公だけでなく、その友人や家族、そして「柱」と呼ばれる鬼退治のエリート、さらには鬼一匹一匹に至るまで、丁寧に掘り下げ、それぞれの存在意義や物語における位置づけを分析していく。

 

あのときのあの台詞にどんな意味があったのか、人物像の生い立ちや経験や思想にまで立ち返り、読者になるほどと思わせるような筋を提案する本書は、さすが研究者による執筆と言えるだろう。すでにファンブックや解説本などは複数出版されているが、それとは別のアプローチで登場人物の魅力を描写した本書は、原作やアニメや映画をすべて観たという人にとっては新たな視点や読み方を提示してくれるものとして、そしてまだあまり『鬼滅の刃』に詳しくないという人にとってはなおさら、なぜこの漫画がこれほどまでに記録的な大ヒットとなったのかを理解する一助となることだろう。なぜ我々は、『鬼滅の刃』の主人公や隊士たちにこれほどまでに心を揺さぶられるのだろうか。そして我々はなぜ、敵である鬼にさえも感情移入してしまうのか。そんなわれわれの永遠に不滅の想いを、きちんと言語化し文章として残してくれた本書と著者に、ありがとう。

 

民間伝承・比較民俗学の視点から神戸大学の研究員が『鬼滅の刃』を紐解く! ニュースサイト「AERAdot.」の人気連載・『鬼滅の刃』のキャラクター分析記事を大幅に加筆した待望の書。2020年12月から始まった神戸大学研究員の植朗子氏による分析記事は、同サイトで何度も100万PV以上を叩き出し、配信されるたびにSNSで話題となり鬼滅ファンからも認知されているようになった人気連載。SNSでの「単行本で読みたい」という声にお応えし、大幅加筆&キャラクターも追加! 炭治郎や禰豆子、鬼殺隊の「柱」メンバー、鬼たちのセリフや行動の裏にあるものとは!? 全352ページで読み応えもたっぷり。鬼滅ファン必携の書

 

 

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