NHK「浦沢直樹の漫勉neo」|生活保護に向き合う新米ケースワーカー
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NHKの先日の放送「浦沢直樹の漫勉neo」ご覧になりましたか?この番組、僕自身も毎回とても楽しみにしているのだが、そんな高い期待を毎度毎度遥かに超えてくるほど素晴らしい内容なのである。なにしろ、日本が誇る芸術「マンガ」が生まれる、その誕生の瞬間を捉えた、創作のドキュメントなのだから。普段は立ち入ることができない漫画家の仕事場にカメラが密着した、貴重な記録なのである。まだご覧になっていない方、これまでの放送分も含め、ぜひともそんな絵に魂が宿る一瞬を目撃して欲しい。

さて、この素晴らしいドキュメント、今回取り上げたのは、ものすごくクセがあるけど魅力的な女性を描く柏木ハルコである。代表作の多い彼女の漫画を、これまできっとどこかで見たことがある人も多いことだろう。そして一度見たら忘れられない、あの特徴的な絵。浦沢直樹とは同じ雑誌に連載する戦友でもあり、デビュー当時から知っている間柄でもあるという。
▽第10回は柏木ハルコ▽貧困問題に鋭く迫る「健康で文化的な最低限度の生活」の執筆に密着▽登場人物は、あえて「マスク姿」。気持ちが伝わらずに悩む福祉の現場をどう描く?▽執筆部屋には工夫が一杯!漫画家を志したきっかけは、手塚治虫の「あの名作」▽繊細なカラーの扉絵、番組のために描き下ろした絵も必見!柏木が「どこか欠けた」主人公に込めた思いとは?
そんな今回の柏木ハルコへの密着取材も大変興味深いものとなっていた。とくに僕自身が印象に残っているのは、食事のシーンである。現在も零細中の人気漫画『健康で文化的な最低限度の生活』の主人公えみるは、様々な相手と、色々な場面で食事をともにする。職場の同僚との飲み会での愚痴、行く当てのない老人と一緒にすするカップラーメン、ひとりコンビニの前で涙を流しながらほおばる姿。人間はなにかを食べているときに、思わず感情がこぼれ落ちていく、という浦沢の言葉にもあったように、柏木ハルコの絵は、その食事シーンで人の感情の揺れをしっかりと描き切っているように思う。ふつうに漫画を読んでいるだけでは分からない、作者の考えや、創作の苦労や、そして主人公が動き出したときの感動、NHKのこの番組は、漫画の魅力をさらに高めてくれる、そんな素晴らしさを秘めているのだ。ぜひともご覧頂きたいし、それに合わせて取り上げられた作者の作品も読んでみて欲しい。今ならなんと、今回の『健康で文化的な最低限度の生活』が、期間限定で無料で読めちゃいます。この機会にぜひどうぞ。
新卒公務員の義経えみるが配属されたのは福祉事務所。えみるはここでケースワーカーという生活保護に関わる仕事に就くことになったのだが、そこで生活に困窮した人々の暮らしを目の当たりにして――
新聞メディアはもちろん、現職のケースワーカー、医療、福祉関係者の方も注目する本格派ドラマ![生活保護]に向き合う新米ケースワーカーたちの奮闘劇、開幕!
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