*

絶対に負けられないサッカー・ワールドカップの舞台裏:スポーツブランドのもう一つの闘い

公開日: : 最終更新日:2016/10/27 オススメ書籍, ニュース

「絶対に負けられない戦い」に直面しているのは、もちろんサッカー選手だけではない。監督やスタッフ等もそうなのだが、もっと言えば、ある意味最も熾烈な闘争をしているのが、世界のグローバルスポーツブランドではないだろうか。

 

sport brand

 

上記のように産経新聞の記事にあるように、各ブランドのワールドカップにかける意気込みは選手と同等かそれ以上と言ってもよいだろう。近年ではナイキの進出が著しいが、伝統的にヨーロッパが中心のサッカー界においては、アディダスとプーマという、2つのドイツメーカーがビッグブランドであり続けた。また、日本においても、サッカーと言えばアディダスかプーマ、という認識が長く続いていたように思う。

 


 

adidasphoto credit: fave 🙂 via photopin cc

 

そんなアディダスとプーマだが、実は両社は元々は同じ会社だったのである。ご存知でした?「ユニクロとスポーツビジネスの舞台裏」で書いたように、なにしろドイツ人兄弟が仲違いした結果、別々のメーカーを立ち上げ、そのどちらもがグローバルブランドとなったという因縁の歴史があるのだ。だから今も、アディダス対プーマというのは、一般のサッカーファンには到底想像もできないほどの凄まじいライバル意識が剥き出しになり、選手・チーム・スポーツイベントの契約獲得、そしてファンの獲得合戦が繰り広げられているのである。

 

pumaphoto credit: Dawn Huczek via photopin cc

 

こうしたスポーツ界の裏事情を生々しく描いた『アディダスVSプーマ もうひとつの代理戦争』は現在絶版となっているのが残念であるが、大変に面白く読めるスポーツ(ブランド)ノンフィクション。その復刊とともに期待したいのがその続編。ナイキやミズノそしてユニクロといった新興ブランドも含め、そしてサッカー以外の競技も含めた現在のスポーツ界におけるブランド同士の熾烈な闘いについて、アップデートした内容をぜひ上梓して欲しいと願ってやまない。

 

 

Amazon Campaign

follow us in feedly

関連記事

shougi denou sen

「われ敗れたり」:完敗だったが名勝負もあった第3回将棋・電王戦

今夜11時放送のTBS「情熱大陸」は、将棋・電王戦。  将棋のプロ棋士とコンピューター将棋ソフトが

記事を読む

寝苦しい今夜も嫁を口説こうか|珠玉の芸人エッセイ3冊

以前にも何度かおすすめしてきたように、お笑い芸人が書くエッセイには、なかなかに読ませる面白いものが多

記事を読む

three main dictionaries

国語辞典を選ぶならこの4冊がおすすめ:現代語に強い三省堂・豊かな語釈の新明解・安定と安心の岩波・誤用を正す明鏡

目的と用途に合わせてベストの国語辞典を見つけよう 卒業・入学シーズンを前に、そのお祝いとして国語辞

記事を読む

中央アジア訪問記:シルクロードの要衝ウズベキスタン

報道の通り、先週から安倍首相がモンゴルおよび中央アジア5ヶ国を訪問している(NHKニュース)。しかし

記事を読む

travel suitcase

留学前に読んでおきたいこの6冊

先日書いた「留学前に。」の続き。留学前にできることは色々とあるだろうが、留学に対するイメージをよりク

記事を読む

東京オリンピック野球で導入された変則的決勝トーナメント

東京オリンピックの野球種目は、準々決勝でアメリカを倒し、準決勝で韓国を破った日本が、堂々の決勝進出を

記事を読む

地元密着の優等生|アルビレックス新潟が生まれたサッカーの街とファンの熱狂

J2からJ1に昇格・復帰したアルビレックス新潟が今季絶好調だ。まだ4戦を終えたばかりとはいえ現在負

記事を読む

山に登るということ:登山と遭難とそして救助

2008年のマンガ大賞にも選ばれた、山岳漫画『岳』。いまさら言うまでもないが、これものすごく胸を打つ

記事を読む

日本人の9割が間違えちゃう英語表現と英語常識

以前にも紹介したキャサリン・A・クラフト著『日本人の9割が間違える英語表現100』は、面白く読めるエ

記事を読む

スコット・ジュレク『EAT & RUN』は、世界各地を走り尽くし、食べ尽くし、そして語り尽くした名著

ベストセラー『EAT & RUN 100マイルを走る僕の旅』は、とくにランナーにはおすすめ。

記事を読む

Amazon Campaign

Amazon Campaign

卒業・入学おめでとうキャンペーン|80年記念の新明解国語辞典で大人の仲間入り

今年もまた合格・卒業、そして進級・進学の季節がやってきた。そう、春は

食の街・新潟県南魚沼|日本一のコシヒカリで作る本気丼いよいよ最終週

さて、昨年10月から始まった2022年「南魚沼、本気丼」キャンペーン

震災で全村避難した山古志村|古志の火まつりファイナルを迎える

新潟県の山古志村という名前を聞いたことのある人の多くは、2004年1

将棋タイトル棋王戦第3局|新潟で歴史に残る名局をライブ観戦してきた

最年少記録を次々と塗り替える規格外のプロ棋士・藤井聡太の活躍ぶりは、

地元密着の優等生|アルビレックス新潟が生まれたサッカーの街とファンの熱狂

J2からJ1に昇格・復帰したアルビレックス新潟が今季絶好調だ。まだ4

【速報】ついに決定|14年ぶりの日本人宇宙飛行士は男女2名

先日のエントリ「選ばれるのは誰だ?夢とロマンの宇宙飛行士誕生の物語」

3年ぶりの開催|シン魚沼国際雪合戦大会で熱くなれ

先週末は、コロナで過去2年間見送られてきた、あの魚沼国際雪合戦大会が

国語の入試問題なぜ原作者は設問に答えられないのか?

僕はもうはるか昔から苦手だったのだ。国語の試験やら入試やらで聞かれる

PAGE TOP ↑