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春になり大人になったら辞書を買おう|これがいま日本で最も売れている国語辞典だ

公開日: : 最終更新日:2021/01/09 オススメ書籍

さて今年も4月になり、進級・入学・入社とおめでたいイベントが相次いだ。中学生になったら電車も大人運賃だし、大学入学の頃にはもう選挙で投票できるし、そして社会人になったら誰がどこからどう見たって大人である。であるならば、もちろん国語辞典の一冊くらい、いや二冊か三冊は持っていますよね?

 

もしも持っていない、もしくは小中学校に買った子供用のものしかない、なんてことになったら大変に恥ずかしい。財布や定期券入れに鞄に靴、そしてスーツにネクタイといったアイテムは、誰しもが大人の必需品だと考えるだろう。しかし、どれだけの人が国語辞典もまた大人必携だと考えているだろうか。ぜひこの機会に国語辞典を見て触って比べて、そして複数そろえてみてはどうだろうか。言葉遣いというのは間違いなく、すべての大人がもっているべき社会的マナーなのだから。

 

そんな国語辞典の選び方については、これまでにも何回かにわたって解説してきたので、以下のようなエントリを参考にしていただきたい。

 

ここで一番お伝えしたかったメッセージは、数多くの種類がある国語辞典だが、その内容は驚くほど多様で、決して同じではないということだ。だからこそ、一冊一冊の個性を理解した上で、自分にとってもっとも相性がよい辞書を選ぶべきだし、できるならば複数の辞書を用意して、比較しながら使うと言葉の理解がもっと深まる、効果的な使い方となるのだ。それでは一体、それぞれの国語辞典が持つクセとはどのようなものなのだろうか?それを明快に教えてくれるのがこちらの名著『学校では教えてくれない!国語辞典の遊び方』である。日本国内で現在出版されている数多の国語辞典を取り上げ、それぞれどんな視点で編纂されているのか、出版の背景にある思想と哲学と視点について、これだけ分かりやすく教えてくれる本はこれ以外にはない。本書はもう、中学校や高校の必読図書として指定してもよいくらいだ。国語辞典を買おうと思い立ったら、まずは本書でどの一冊にしようか考えてみることを強くおすすめしたい。

 

 

それでは各国語辞典の個性とクセを抑えた上で買うべき最初の一冊はなにか?理想をいうならば最初から複数の辞書をそろえたいところなのだが、そういうわけにもいかない事情もあることだろう。であるならば、いま日本で一番売れているというセールストークは非常に効果のあるメッセージとなる。それがこの三省堂『新明解国語辞典』だ。待望の改訂第8版が出たばかりであり、間違いなく学習と勉強の素晴らしいパートナーとなってくれる一冊だ。

 

 

 

この新明解がなぜここまで、国民的支持を集める国語辞典となったのか、その経緯は実に興味深いのでぜひこの辞書が誕生した物語にも注目して頂きたい。そもそもこの国語辞典の人気が出始めたきっかけは、赤瀬川原平の『新解さんの謎』でこの辞書が持つユニークな味わいが紹介されたことに遡る。この書籍はもう20年以上も前のものだが、近年になってなぜこのような辞書が誕生したのかを明らかにしたノンフィクション『辞書になった男ケンボー先生と山田先生』が上梓され、いまは国民的辞書となったこの一冊が生まれるまでに、このようなドラマティックな人間物語があったのかと、読んだ者を驚愕させたのである。このような経緯については「赤瀬川原平『新解さんの謎』と『辞書になった男』:いま日本で最も売れている「新明解国語辞典」の誕生秘話」でも紹介したの、ぜひ読んでみて頂きたい。

 

 

そんなノンフィクションも実に興味深いのだが、フィクションの世界で国語辞典に着目した名作が『舟を編む』である。映画化もされ、松田龍平演じる個性的な辞書編纂者が強く印象に残る傑作だ。というように、国語辞典というのは、辞書そのものの面白さだけでなく、その辞書を生み出す編纂者の物語も内包しており、だからこそその言葉と教養と歴史の積み重ねが、大人としての嗜みとなっているのである。ぜひともこうした関連書にも触れながら、自分だけのステキな国語辞典を探してみてください。

 

 

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