*

超ヤバい経済学者のゼロベース思考—どんな難問もシンプルに解決できる

公開日: : 最終更新日:2018/09/19 オススメ書籍, 経済学・統計学

『ヤバい経済学』が世界中で大ベストセラーとなったばかりか、その続編『超ヤバい経済学』もヒットさせた売れっ子コンビ、シカゴ大学経済学部教授の Steven Levitt と ジャーナリストの Stephen Dubner。その彼らが放った最新作が、先日発売されたこちらの『0ベース思考ーどんな難問もシンプルに解決できる』である。

 

世界でいま最も注目すべき気鋭の経済学者が、
すごい「答え」を次々と見つけだせる秘密を惜しげもなく
公開した本書、何をおいてもぜひ読んでほしい一冊だ。

 

 

原題 “Think Like a Freak: The Authors of Freakonomics Offer to Retrain Your Brain” が示すように、本書は著者たちがどのようにして問題に取り組んできたのか、その考え方を綴ったものだ。前作の『ヤバい経済学』と『超ヤバい経済学』を読んだ方なら既にご存知のトピックが並ぶが、こうした多種多様な問いに答えを出すのは簡単なことではない。著者らはそんな困難を、ユニークなアプローチとデータで解決していったわけなのだが、果たしてその具体的な思考法とは何なのか?それが本書の主題である。

 

credit: BrownGuacamole via FindCC

credit: BrownGuacamole via FindCC

 

個人的にはすでに原書でおもしろく読んでいたものであり、とくにこの世で最も言いづらい台詞 “I don’t know” という一言を認め口に出す大切さを訴えていたのが今も強く印象に残っている。前作のメガヒットを考えるならば、もっと早くに翻訳されてもよかったのではないかと思っているが、ようやく出版の機会を得たのである、これまでのシリーズを楽しんだ人はもちろんのこと今回始めて本書を手にする人も、ぜひとも面白可笑しくでも真摯に真面目に読んでみてはどうだろうか。おすすめです。

 

またさらに関心がある人には、著者のブログ Freakonomics や、2004年とちょっぴり古いけど、Steven Levitt のTEDトークも合わせてどうぞ。

 

 

Amazon Campaign

follow us in feedly

関連記事

英文法再入門|高校の先生がこの本を読んでいれば

中公新書の『英文法再入門』は、直接的なタイトルに見られるように、英語学習者向けに文法を学ぶポイントを

記事を読む

将棋棋士初の栄冠|『Number MVP賞』は 藤井聡太二冠に決定

先日は以下のエントリでも書いたように、2020年は間違いなく藤井聡太の一年でもあり、将棋棋士がアスリ

記事を読む

夏休みに素敵な1冊を探そう|知的好奇心旺盛な10代のための読書地図

いまどき新聞なんてほとんど読まない、そんな人が増えてきた現代である。しかしながら、書評欄を楽しみに週

記事を読む

タイトル戦相次ぐ藤井聡太の夏|今こそ将棋が熱く面白い

プロ棋士・藤井2冠の夏がやってきた。昨年はタイトル棋聖と王位を獲得し、その初防衛戦が始まっているのだ

記事を読む

most popular sport in the U.S. is NFL

アスリートとお金|有望産業としてのプロスポーツビジネス

いよいよ東京五輪が始まり、改めて注目されるのが今後のスポーツとお金の関係だ。とくにプロスポーツビジネ

記事を読む

海外で研究者になる|知られざる就職活動その舞台裏

日本人が数多く海外留学していることに比べると、海外で就職する例はまだまだ少ないと言えるだろう。とくに

記事を読む

Kindle電子書籍で安く読める、経済学および統計学の教科書

電子書籍の普及がますます加速しているが、大学や大学院で使う教科書はまだまだ電子化が遅れている。しかし

記事を読む

介護士からプロ棋士へ、今泉健司四段「3度目の逆転人生」

Yahoo! ニュースにも掲載された記事「藤井聡太七段を撃破!介護士からプロ棋士へ、今泉健司四段『3

記事を読む

「伊藤若冲と京の美術」展を観に行ってきた:奇想の画家が発見された背景

相変わらずの伊藤若冲の人気ぶりと言えよう。先日は新潟県立万代島美術館まで「伊藤若冲と京の美術」展を観

記事を読む

大ヒット『英国一家、日本を食べる』がなんとNHKでアニメ化|初回放送が予想以上におもしろかった

ちょっと前に『英国一家、日本を食べる』という本が、その続編「ますます食べる」も含めて大きな話題となっ

記事を読む

Amazon Campaign

Amazon Campaign

卒業・入学おめでとうキャンペーン|80年記念の新明解国語辞典で大人の仲間入り

今年もまた合格・卒業、そして進級・進学の季節がやってきた。そう、春は

食の街・新潟県南魚沼|日本一のコシヒカリで作る本気丼いよいよ最終週

さて、昨年10月から始まった2022年「南魚沼、本気丼」キャンペーン

震災で全村避難した山古志村|古志の火まつりファイナルを迎える

新潟県の山古志村という名前を聞いたことのある人の多くは、2004年1

将棋タイトル棋王戦第3局|新潟で歴史に残る名局をライブ観戦してきた

最年少記録を次々と塗り替える規格外のプロ棋士・藤井聡太の活躍ぶりは、

地元密着の優等生|アルビレックス新潟が生まれたサッカーの街とファンの熱狂

J2からJ1に昇格・復帰したアルビレックス新潟が今季絶好調だ。まだ4

【速報】ついに決定|14年ぶりの日本人宇宙飛行士は男女2名

先日のエントリ「選ばれるのは誰だ?夢とロマンの宇宙飛行士誕生の物語」

3年ぶりの開催|シン魚沼国際雪合戦大会で熱くなれ

先週末は、コロナで過去2年間見送られてきた、あの魚沼国際雪合戦大会が

国語の入試問題なぜ原作者は設問に答えられないのか?

僕はもうはるか昔から苦手だったのだ。国語の試験やら入試やらで聞かれる

PAGE TOP ↑