*

おすすめ新刊『できる研究者の論文作成メソッド』|書き上げるための実践ポイント

公開日: : 最終更新日:2016/12/19 オススメ書籍, 研究・論文

以前に「できる研究者の論文生産術:How to Write a Lot」でもおススメしたように、ポール・シルヴィアの著書『できる研究者の論文生産術 どうすれば「たくさん」書けるのか』は、大学院生・研究者にとって非常に役立つ一冊である。

 

「いかに論文を書くか」ではなく「いかに書き続けるか」という視点から、タイム・マネジメントの重要性を著者はとことん強調する。著者自身の研究分野は心理学ではあるが、どの専門にも当てはまるアドバイスが続き、極めて有益な内容だ。まだ読んでいないのなら、ぜひ今のうちに、早いうちに読んでおいた方が絶対によい書籍と言えるだろう。「2016年のベストセラー書籍トップ10冊」にランクインした一冊でもあり、イチオシのライティング書となっている。

 

全米で話題の「How to Write a Lot」待望の邦訳!いかにして多くの本や論文を執筆するかを軽快に解説。雑用に追われている研究者はもちろん、アカデミックポストを目指す大学院生も必読!人生が変わる。

【“訳者あとがき”より】
論文の書き方に関する指南書はこれまでも数多く出版されているが、本書が画期的なのは、いかにして論文執筆のモチベーションを上げ、精神的負担を軽くして論文執筆に取り組めるようにするかについて、メンタルな面を含めて冷静に分析し、その解決策を誰にでもわかるように明瞭に提示している点だろう。

 

 

 

そして、そんな本書にはじつは続編があるのである。原著では “Write It Up: Practical Strategies for Writing and Publishing Journal Articles” と題された一冊がそれであり、僕自身こちらもとても興味深く読んでいたものである。その内容は以前に「できる研究者の論文執筆術:Write It Up」で紹介した通りなのだが、本書が以下のようにようやく翻訳出版されたようなので、ぜひここで改めておススメしておきたい。

 

どうすれば「インパクトがある論文」を書けるのか。「本当に使える!」と大好評の『できる研究者の論文生産術』に続く第2弾!原稿の各種スタイルはもちろん、雑誌の選び方、共著論文執筆のヒント、投稿後の対応など実践ポイントを解説した。爽快でユーモア溢れるシルヴィア節は健在で、初めて英語論文を書く大学院生に有益この上ない!

【訳者あとがき】
本書は、2014年に出版されたポール・J・シルヴィア(Paul J. Silvia)『Write It Up: Practical Strategies for Writing and Publishing Journal Articles』の邦訳で、同じく2007年に出版された『How to Write a Lot: A Practical Guide to Productive Academic Writing』(『できる研究者の論文生産術―どうすれば「たくさん」書けるのか』講談社(2015))の続編ということになる。重点が「ともかく書く」ことにある前書と、「インパクトがある論文を書く具体的手順」にある本書は、2冊で1冊ともいえる関係にあり、どちらを先に読んでも楽しめる。本書の目標は、《インパクトがある論文》を書くことだ。「論文はインパクトが大切だ。ただ発表すればよいというものではない」の一文(6ページ)に示される通りである。そして、そのための具体的な手順―豊富な執筆・査読経験に根ざした具体的なノウハウや匙(さじ)加減―がステップごとに伝授される。一般的手順にとどまらず、なぜ多くの研究者、特に初心者が、《インパクトがある論文》でなく《どんな論文でも出せればいい》という状態に陥ってしまうのかがユーモアを込めて明快に指摘されているので、執筆のモチベーションがあがり、精神的負担が軽くなる。このあたりは、心理学者の面目躍如たるものだろう。

 

 

本書の中で著者はより具体的に、論文を投稿するにあたってどのジャーナルを選び、どのようなスタイルで書くのか、そしてさらには論文の各章をどのようにまとめるのか、といった極めて実践的なアドバイスを読者におくる。こうした内容ももちろん、著者の専門分野である心理学に限定されることなく、より広く社会科学全般および自然科学においても通じる指摘と言えるだろう。

 

「インパクトがある論文」とは何か、いかにしてそのような論文を書き、そして書き続けるのか?そこに関心があるならば、本書はまさに必読の一冊と言ってよいだろう。タイム・マネジメントを扱った著者の前作『できる研究者の論文生産術』と合わせ、ぜひ読んでみてください。

 

 

また、その他の英語論文アカデミック・ライティングに関する書籍は、以下で紹介したものがイチオシなので、こちらもぜひ合わせてご参考ください。

  1. 英文ライティングここから始める必読テキスト4選
  2. よりモダンでクリアな英作文テキスト3選
  3. アカデミック・ライティングの決定版テキスト
  4. スタイルとフォーマットで学ぶアカデミック・ライティング
  5. 英文ライティングの新定番テキスト “The Sense of Style”

 

Amazon Campaign

follow us in feedly

関連記事

book-809887_640

2016年のベストセラー書籍トップ10冊

2016年も残すところあとわずか。それでは今年も本ブログを通じてのベストセラー書籍を上位10点紹介し

記事を読む

credit: MervC via FindCC

『ヤバい統計学』著者による新作『ナンバーセンス』で知る、アメリカ大学ランキングの舞台裏

以前に「テーマパーク優先パスの価格付け」でも紹介したように、カイザー・ファング著『ヤバい統計学』は、

記事を読む

singapore

シンガポール建国50周年|エリート開発主義国家の光と影の200年

先日で建国50周年を迎えたシンガポール。Economist や、Wall Street Journa

記事を読む

519irztjoil

アメリカ大統領選挙まであと数日|敗者の演説で振り返るステーツマンシップ

ヒラリー・クリントンとドナルド・トランプの、泥仕合のまま迎えることとなりそうな米国大統領選挙。8年前

記事を読む

medium_3066666879

町山智浩『知ってても偉くないUSA語録』は秀逸な現代アメリカ社会批評

映画評論家の町山智浩をご存知だろうか?そして、彼の秀逸な現代アメリカ観察記をご存知だろうか?そんな週

記事を読む

photo credit: TeryKats via photopin cc

ゴリラ研究者にして京都大学新総長・山極寿一『「サル化」する人間社会』が、もんのすごく面白かった

現在シーズン2が放送中のNHKスペシャル「ホットスポット」。先月放送された第一回の「謎の類人猿の王国

記事を読む

PAK58_MBAkatakata

工学部助教授にしてベストセラー作家・森博嗣の『作家の収支』|論文執筆スキルを応用してミステリを量産する

先日は多数の電子書籍が期間限定で大幅値下げされており、僕自身も随分と買い込んでしまった。その中でも個

記事を読む

auroras-1203288_640

スノーピーク初のグランピング施設が三浦半島にオープン

いよいよ夏が近づき、今年はまたキャンプにでも行こうかという話があちこちで聞こえそうなこの時期を狙って

記事を読む

shougi_old_board

NHK-ETV特集 将棋電王戦:棋士vsコンピュータの激闘5番勝負

先週末に放送されたNHK-ETV特集の「棋士VS将棋ソフト 激闘5番勝負」をご覧になっただろうか?面

記事を読む

kindle2014endsale

【Kindle大セール】高価格の経済学・統計学・数学関連書も全品まとめて20%還元キャンペーン

今回の Kindle 書籍20%ポイント還元キャンペーンは、なんとほぼ全ての商品に適用されている。で

記事を読む

Amazon Campaign

Amazon Campaign

last-lecture-ishiguro
人間はアンドロイドになれるか|ロボット工学者・石黒浩の最後の講義

大学教授が定年退官の前に行う授業、それがこれまでの「最後の講義」だった

konchu
若き昆虫学者のアフリカ|いまこそ昆虫が面白い

もうご存知と思うが、いま昆虫が熱い。ちょっと前から大ブームだ、とまでは

tennis-ball
テニスプロはつらいよ|トッププレイヤー錦織圭とその他大勢の超格差社会

2014年の全米オープンテニスで日本人初のグランドスラム決勝進出を果た

auroras-1203288_640
スノーピーク初のグランピング施設が三浦半島にオープン

いよいよ夏が近づき、今年はまたキャンプにでも行こうかという話があちこち

kuzushi shougi
最年少プロ棋士・藤井聡太とAI将棋の時代|人工知能が切り拓く新たな地平

ついにストップした藤井聡太四段の連勝記録。しかし、史上最年少でプロ棋士

shougi_old_board
中学生プロ棋士・藤井聡太四段の新たな歴史的偉業

快進撃を続けていた若干14歳のプロ棋士・藤井聡太四段が、ついに、なんと

bhutan royal couple
「幸せの国」ブータン王国を築いた国王のリーダーシップとマネジメント

「眞子さま、ブータンから帰国 」(日経新聞)等と各種ニュースで報道され

chemistry-740453_640
「もっとヘンな論文」がついに登場|アカデミック・エンターテインメントの最高峰

NHK Eテレの番組「ろんぶ~ん」をご存知だろうか?ロンブー淳が司会を

PAGE TOP ↑