クラフトビール業界ナンバーワン・ヤッホーブルーイング自慢のIPA「インドの青鬼」の苦みが最高に旨い
今年もまたビールが旨い季節がやって来た。もちろん、クラフトビール飲んでますよね?数年前から盛り上がりをみせている日本国内のクラフトビールだが、そのルーツは十数年前のアメリカにある。まず下図に明らかなように、アメリカの国内市場ではビールの消費量が年々減ってきており、ビールがますます飲まれなくなっているのである。
その一方で、次の図が示すのは、アメリカ国内におけるクラフトビールの生産量が2005年頃から急上昇しているということ。つまり、バドワイザーやミラーみたいな、大手ビールメーカーの味気のないアメリカンなビールが飲まれなくなっているなかにあって、いまや全米各地でマイクロブリュワリーと呼ばれる小規模醸造所が開設され、個性豊かなビールでファンを楽しませているのだ。実に対照的だが、これが今日本でも起こっている、キリンやアサヒやサントリーやサッポロのビールに飽きてしまった消費者がクラフトビールに向かっているのと同じ現象なのである。
これをシェアで見ると、クラフトビールの躍進がさらによく分かるだろう。下図にあるように、1998年には2.6%しかなかったクラフトビールだが、2013年にはビール市場全体の8%にまで伸び、この数値はその後も上昇を続けているのである。日本のクラフトビールはまだ黎明期でありごくわずかなシェアしか獲得できていないが、今後アメリカと同様に成長していくのであれば、将来は市場全体の10%は取れるだろうし、市場規模の1割というのは相当にデカイと言えるだろう。
というような、実に大きなインパクトを業界に与えているアメリカのクラフトビール革命だが、このムーブメントに興味がある人にぜひおすすめしたいのが、こちらの『クラフトビール革命 地域を変えたアメリカの小さなビール起業』だ。僕自身、原著でたいへん興味深く読んでいたこの一冊が昨年翻訳出版されたのである。ぜひ本書から、アメリカのクラフトビールの作り手たちの熱意を感じ取って欲しい。
ぼくらが地ビールづくりをはじめたわけ。キーワードは、ローカル、小規模、コミュニティ!ビールが売れなくなったアメリカでおこった、生産、流通、広告の革命とは?もっとも成功したNYブルックリン・ブルワリーの創業者が、製造業の進化型モデルの最新事例をレポート。
さて、そんなクラフトビールの波がいままさに押し寄せている日本。その業界を牽引しているのは誰かと問われたら、それはもう「ヤッホーブルーイング」をおいて他にあるまい。これは「日本のクラフトビール革命|ヤッホーブルーイング自慢のIPA「インドの青鬼」がクセになるほど美味い!」でもイチオシさせて頂いたが、彼らがつくりだすIPA「インドの青鬼」が実にうまいんです!知ってますよね?飲んでますよね?
ちなみに僕はもう家ではこのIPA「インドの青鬼」しか飲みません。サントリープレモルとか言っている場合じゃないでしょ。ぜひ僕のようにこの味にはまって頂き、品切れしないように箱買いして常に家に置いといて下さいね(笑)
ちなみに、IPAとは、Indian Pale Ale の略であり、ホップの苦みがきいたクセのある味のビールのことだ。そしてこのIPAがアメリカのクラフトビール革命の圧倒的主役なのである。下図に示されているように、急伸しているクラフトビール市場において、数多くの種類が存在する品種の中にあって、どんどんと割合を高めているのがこのIPAなのである。
そう、つまり日本でも盛り上がってきたクラフトビール市場だが、やはり一番旨い(と個人的に思う)のは、このIPAであり、日本のIPAと言えばこの「インドの青鬼」なのである。そんなクセになるビールを生み出したのが、長野県にある「ヤッホーブルーイング」なわけだが、その社長がこれまでの経営を語ったのが先日出版されたばかりの『ぷしゅ よなよなエールがお世話になります』だ。
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このなんとも言えないふわふわとした書名、それはゆるい社名の会社で「てんちょ」と軽く呼ばれる井出社長だからこその一冊と言えるだろう。しかし、内容はアツい。決して順風満帆ではなかったこれまでの物語を、井出社長のキャラクター丸出しで語った本書は、だからこそ面白い。「よなよなエール」や「水曜日のネコ」等々、自社のビール商品に付けたユニークなネーミングでも知られる同社の、その秘密も明かされている。
というように、じめじめとした梅雨も、これからやって来る暑い夏も、このIPA「インドの青鬼」さえあれば余裕で乗り切れるはずだ。ぜひ一杯飲んでみて!
もちろん、このIPA特有の強烈な苦みが口に合わないという人もいるだろう。そんな人におすすめなのが、ヤッホーブルーイングの定番商品であるエールビールの「よなよなエール」だ。さらには、黒ビールの「東京ブラック」に白ビールの「水曜日のネコ」まで入っている、以下のお試しセットが最初の一杯にはいいだろう。ぜひこれでクラフトビールの旨さを、そしてクラフトビールには多種多様な味があるということを、加えてその中で自分が好きな味を、ぜひ見つけてもらいたい。
そして、すでに僕のようにIPA「インドの青鬼」のとりこになってしまった人は、繰り返し言っておくが、箱買いが基本ですよね?それくらい旨いんだから、仕方あるまい。それでは今宵も、カンパイ!
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