春の入学・進学・進級にあわせて最適な国語辞典を選ぼう
公開日:
:
オススメ
小中学校の生徒にとっての春は入学・進学・進級の季節であり、大学や大学院を卒業した学生にとっては就職の時期でもある。そんな門出をお祝いするのに昔からよく贈られたのが国語辞典である。大人になったら自分の国語辞典を持つというイメージを持っている人も多いことだろう。僕自身も、中学校に入学した際に、親に買ってもらった国語辞典の思い出というのは、いまも鮮烈に記憶に残っている。
そんな思い出に残るであろう最初の国語辞典だが、数あるなかから一冊を選ぶというのは、実はそうたやすいことではないのである。まず第一に、国語辞典なんてどれも同じ、という思い込みがある。しかしながら、実はそうでは全くないことは、以前にも詳しく解説してきたので、以下のエントリなども関連してぜひ合わせて読んでみて欲しい。
さらには、国語辞典がそれぞれ異なるということが理解できても、それじゃあ具体的にどこがどんな特色があるのかが分からない、という問題もあるのだ。これはもう自分で読み比べてみるのが一番なのだが、そんな時間もないよという人に激推ししているのが、辞書芸人サンキュータツオ氏による傑作にして名作のこの『学校では教えてくれない! 国語辞典の遊び方』である。これはもう唯一最高の一冊にして、国語辞典のベストガイドなのである。とくに、以下で黒い太字で示した「キャラクターで解説!個性派辞書図鑑」のセクションが素晴らしいのである。それぞれの辞書を擬人化し、どんな特徴を持っているのかを、コミカルにそして鋭く分析する。これ一冊あれば、まさに「国語辞典は、みんなちがう!」ことや、「自分だけの一冊がわかる」、そしてさらには僕もずっとおすすめし続けている「国語辞典は二冊持つ時代」というメッセージが直接強烈に伝わってくるわずだ。まずはこの本だけでも読んでみて欲しいし、できればそこから自分の辞書選びに役立てて欲しいと思っている。
辞書の世界がもっと深く楽しめる!
朝日新聞「天声人語」で紹介! 辞書の世界をのぞいてみよう
芸人ならではの切り口で、代表的な国語辞典を例にとりながら、語数、品詞、デザイン、歴史、用例、語釈などから辞書の魅力を多面的に紹介。あなたの知らないディープな辞書の魅力がここに!(イラスト:宮尾和孝)
【目次】
この本に登場する主な辞書
自分だけの一冊がわかる!? オススメ辞書占い
はじめに
第一章 広くて深い辞書の世界をナビゲート
1.国語辞典は、みんなちがう!
2.国語辞典のルーツ
3.辞書の中にもブランドがある
4.国語辞典は二冊持つ時代
5.なぜ、こんなに多様化したのか?
6.忘れちゃいけない文法問題
7.辞書のディテールを楽しむ
第二章 タツオセレクト! オススメ辞書ガイド
1.キャラクターで解説! 個性派辞書図鑑
2.まだまだある! 紹介したかった「国語辞典」たち
3.タツオオススメ「辞書関連本」
ことばのぬまのおくがき
文庫版あとがき
解説 三浦しをん
そして、数ある辞書、個性的な辞典のなかから、なんとか頑張って超おすすめの4冊を選ぶなら、僕なら次のラインナップを考えるし、これは他の人にも大いにおすすめできるものだ。詳しくは上記のエントリは、サンキュータツオのガイドブックを見てもらいたいのだが、ひとことでまとめると以下のとおり。ぜひ自分の目で見て比べながら、それぞれに最適なそして最高の辞書を選んでみて下さい。
- 現代語の収録に優れ、新しい用語を知るのに最適な『三省堂国語辞典』
- 言葉の意味を深く考えさせる、人気ナンバーワンの『新明解国語辞典』
- 堅実でオーソドックスな、安定感と安心感が売りの『岩波国語辞典』
- 自分の日本語の誤用や疑問に気づき、正すために必要な『明鏡国語辞典』
Amazon Campaign
関連記事
-
グランドスラム初優勝を目指す錦織圭のテニスをデータ観戦しよう
さあ、いよいよ注目の一戦が始まるぞ。2017年の全豪オープンテニス4回戦で、錦織圭がロジャー・フェデ
-
新潟を代表する日本酒・朝日酒造「久保田」の萬寿/翠寿/紅寿/千寿をとことん味わう
ご存じのように、新潟は日本を代表する酒の産地であり、米と水の美味さが相まって「端麗辛口」と呼ばれる味
-
熱い将棋の夏|初企画オールスター東西対抗戦のファン投票始まる
近年の将棋界はいろいろと攻めていると思う。藤井聡太二冠のような400年に一度のスーパースター登場に依
-
ニューヨーク・タイムズが選ぶ、今年絶対に行きたい世界52ヶ所:2017年版
毎年恒例のイベントといってもよいだろう、それがこのニューヨークタイムズ紙が選ぶ「今年絶対に行きたい世
-
クラウドソーシングを使って優秀なリサーチアシスタントを早く安く簡単に探す
英語論文の校正にかかる費用と時間というのは、多くの研究者を悩ませるところだろう。安くて早くて質のいい
-
ニューヨーク・タイムズが選ぶ、今年絶対に行きたい世界52ヶ所:2015年版
昨年「ニューヨーク・タイムズが選ぶ、今年絶対に行きたい世界52ヶ所」で書いたように、同紙では毎年1月
-
冬休みにおすすめの人気ボードゲームランキング:「カタンの開拓者たち」「カルカソンヌ」「ドミニオン」を遊び倒そう
みんなで楽しめる、おすすめボードゲーム3選 以前に「宣教師のアニキの家で『カタンの開拓者たち』には
-
今年も確定申告の時期がやってきた|便利なクラウド会計で手続きを簡略化
さて、2019年もあっという間に12分の1が過ぎ、早2月を迎えた。それはつまり、確定申告の時期がやっ
-
さらに充実した国語辞典を|中型の岩波『広辞苑』と三省堂『大辞林』が大幅改訂
さて、卒業・入学のシーズンがやってきた。そして、そんな季節の定番の贈り物といえば、もちろん国語辞典で
-
3年ぶりの開催|シン魚沼国際雪合戦大会で熱くなれ
先週末は、コロナで過去2年間見送られてきた、あの魚沼国際雪合戦大会が3年ぶりのフル開催となった。じ