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英語アカデミック・ライティングの最高傑作シリーズに翻訳が登場|レター・メール執筆ノウハウ

公開日: : 最終更新日:2021/07/26 オススメ書籍, 英語

英語アカデミック・ライティングのおすすめ参考書は、これまで以下のようにいくつもの良書とそれぞれの特徴を紹介してきた。当然のこと、洋書が中心になるが、これだけ充実しているアカデミック・ライティングのテキストを抑えておけば、とりあえず英文執筆に必要な道具は一揃いしたと言えるだろう。

  1. 英文ライティングここから始める必読テキスト4選
  2. よりモダンでクリアな英作文テキスト3選
  3. アカデミック・ライティングの決定版テキスト
  4. スタイルとフォーマットで学ぶアカデミック・ライティング
  5. 英文ライティングの新定番テキスト “The Sense of Style”

 

 

photo credit: Studio V2 via photopin (license)

photo credit: Studio V2 via photopin (license)

 

 

そんな数あるアカデミック・ライティングのおすすめ書の中から僕が「決定版」と上記でも紹介したのが、この Adrian Wallwork の著作シリーズである。第一作である以下の “English for Writing Research Papers” を皮切りに、その後も学会報告でのプレゼンや、論文誌エディター向けのカバーレターの書き方などなど、実に有用なアドバイスが続々と提示され、そのひとつひとつは、大学院に在籍中の学生や、駆け出し研究者にとって大いに役立つものばかりなのである。

 

Publishing your research in an international journal is key to your success in academia. This guide is based on a study of over 1000 manuscripts and reviewers’ reports revealing why papers written by non-native researchers are often rejected due to problems with English usage and poor structure and content.
With easy-to-follow rules and tips, and examples taken from published and unpublished papers, you will learn how to:

  • prepare and structure a manuscript
  • increase readability and reduce the number of mistakes you make in English by writing concisely, with no redundancy and no ambiguity
  • write a title and an abstract that will attract attention and be read
  • decide what to include in the various parts of the paper (Introduction, Methodology, Discussion etc)
  • highlight your claims and contribution
  • avoid plagiarism
  • discuss the limitations of your research
  • choose the correct tenses and style
  • satisfy the requirements of editors and reviewers

This new edition contains over 40% new material, including two new chapters, stimulating factoids, and discussion points both for self-study and in-class use.

EAP teachers will find this book to be a great source of tips for training students, and for preparing both instructive and entertaining lessons.
Other books in the series cover: presentations at international conferences; academic correspondence; English grammar, usage and style; interacting on campus, plus exercise books and a teacher’s guide to the whole series.
Please visit http://www.springer.com/series/13913 for a full list of titles in the series.
Adrian Wallwork is the author of more than 30 ELT and EAP textbooks. He has trained several thousand PhD students and academics from 35 countries to write research papers, prepare presentations, and communicate with editors, referees and fellow researchers.

 

 

そしてこの第一作は、2019年にようやく第一版が日本語に翻訳された出版されることとなった。英語版ではすでに第二版が出版されているため、できれば英語で読むことをおすすめするが、やはり日本語書籍の方が使いやすいというのであれば、ぜひこちらの翻訳書を役立てて欲しい。

 

世界中で使われているノンネイティブのバイブル

“Adrian Wallwork: English for Writing Research Papers 2nd ed.(English for Academic Research), Springer, 2016”

が待望の邦訳!

・これほど網羅的で深い示唆を与えてくれる指南書はほかにない!
・ネイティブの思考・語感で、ワンランク上の論文に!
・そのまま使える論文英語表現を580例も掲載!

【本書「日本の科学者の皆さんへ」より】
本書は3つの基本的ガイドラインに基づいて構成されています。
1.原稿は常に査読者と読者を念頭に置いてその期待に沿うように書く
2.模範的な論文を読み、よく使われる表現を学び、また雛形として利用する
3.冗長さやあいまいさを省いて簡潔に書けば、読みやすさは高まる

 

 

そして今回、これまたようやく出版されることになったのが、以下の「英文レター・メール術」である。紹介文にあるとおり、アカデミックレターの書き方に絞って、こんなにも詳しく解説した参考書など他にはない。しかし、だからこそ、そもそもそんなレターをどうやって書いたら良いのか、悩むわけである。そんなときの助けになるのが本書だ。こんなときにはこう書けばよい、というテンプレートがあるのだから、そうした型をきっちりと覚え、あとは適宜微調整していけばよい。そういう意味でも、こんなに実践的な英語ライティングの書籍は他には見当たらない。英語執筆に携わる人であれば誰もが、手元に置いておいて損はない、どころか大いに役立つ一冊なのである。激しくおススメです。

 

★大好評の「ネイティブが教える」シリーズの邦訳、待望の第2弾!

アカデミックレターに特化して、これほど深く掘り下げた本はほかにない!
論文投稿時のカバーレターからレビューへの返答まで、研究におけるあらゆる場面を網羅。
そのまま使えるメールフレーズを720例も掲載。まさにバイブル!

(目次)
第1章 件名の書き方
第2章 挨拶の書き方
第3章 メール本文の構成
第4章 適切なフォーマリティのレベルを設定し、受信者と良好な関係を構築する
第5章 言葉の選び方、翻訳の影響、スペリング
第6章 効果的な依頼メールとその返信の書き方
第7章 カバーレター:インターンシップ、エラスムス留学、修士・博士・ポスドク留学に応募する
第8章 レファレンスレターを依頼する
第9章 研究提案書・研究趣意書を書くコツ
第10章 建設的に批判する方法
第11章 査読報告書の書き方
第12章 査読結果に返信する
第13章 エディターとのやりとり
第14章 ネイティブが教えるメール表現
第15章 時制を使い分ける

 

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